民主主義を問う

民主主義の根幹は選挙であろう。
有権者が候補者を知る方法が限られている。
有権者は候補者を知りえない。
少なくとも、候補者と触れることなくして選択などありえようか。
演説という明治以来の手法が現在でも唯一と言えるほどの手段となっている。
東京都の知事選挙が行われている。
50人余が立候補している。
有権者は500万人。
この事実関係を整理できるだろうか。
選挙の実体は形骸化しているといわねばならない。
明治には婦人参政権が成立した。
それはそれで沸きかえったものだ。
冷静に考えてみると、どうやって候補者を選んだらいいのだろう。
所属する政党で選んだりしている。
それも、無党派という立場で有力な候補者が登場した場合、
個人の票がどれだけのびるのだろう。
大放送局は沈黙せざるを得ない。
本当は選挙一色になってもおかしくないのだろう。
公平性が邪魔をしている。
選挙の閉鎖性を実感するところである。
候補者をブームで選ぶことにも不安がある。
今回の石丸氏の登場は画期的なものであった。
街頭演説では場所一杯を聴衆が埋め尽くした。
それでも、その数は500万からすれば知れたものだ。
この、選挙の矛盾をどう解決したらいいのだろう。
立候補者のコストと言うより有権者のコストを手当すべきなのかもしれない。
民主主義が生易しいものでないことを実感する今回の選挙である。


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