ときどきもちろんもしかするとでも結局の話
ときどき、自分の中にあるもやもやとした気持ちに気づくと、とたんに何も手につかなくなることがある。もやもやの原因はそのときどきで異なっていて、大したことのないものもあれば、昔の失敗や傷ついたことがぐわっとよみがえってくることもある。
もちろん、思い出したからといって今の自分に何か重大な影響を与えるわけではない。ただ、私の心の中がざわついて、恥ずかしくなったり、ぎゅっと締め付けられるような苦しさを感じたり。ひとりで部屋にいたとしても、その感情を表に出すのはちょっと変な人になるなという理性も働くので、外から見える私に大した変化はない。
もしかすると、私の脳は解決したと思っていても、私の心は解決できていないのかもしれない。私には『一度許したことは絶対に掘り起こさない』というルールがある。許す相手は他人になる場合もあるし、自分になる場合もある。潔い自分でいたいと思い、10年以上このルールとともに生きてきたけれど、もしかしたら、無意識のうちに自分の心を守ろうとして編みだした技なのかもしれないなとも思う。
でも、どうだろう。思い返せるということは『これは過去だ』という認識があるということだ。そうすると、やはりもう済んだこと、つまり終わったこととして片づけることができているのかもしれない。
結局のところ、自分の心の中さえも整理ができていないのだから、自分以外の人がどんな思いでいるのかなんて想像するのは無理があるのかなとも思う。でも自分が楽しく過ごしているそばで泣いている人がいるのは嫌だなあ。それに気づかない自分は、終わったことを掘り起こさない潔さがあったとしても、とても格好がいいとは思えない。