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9月23日(金)FX売買方針

【 マーケット概況 】
 22日早朝に米連邦公開市場委員会(FOMC)が今後も大幅利上げを継続する方針を示し、本日の日銀金融政策決定会合では現状の緩和政策を継続するとの見方が大勢のなか、日米金融政策の方向性の違いに着目したドル買いが先行。黒田東彦日銀総裁が定例記者会見で「必要であれば躊躇なく追加的な緩和措置を講じる」と述べ、「当面は金利を引き上げない」と明言すると円売り・ドル買いが活発化。節目の145円を突破すると目先のストップロスを巻き込みながら一時145.37円と1998年8月以来、約24年ぶりの高値を更新。その後は突然の政府・日銀による円買い介入を受けて急落。鈴木財務相と神田財務官が会見で「投機による過度な変動は決して見過ごせない」と述べ、「引き続き過度な変動に対しては必要な対応をとる」と表明したことも相場の重しとなり、一時140.36円まで大きく値を下げました。しかし、NYの取引時間帯に入ると下げ渋り。米10年債利回りが3.7118%前後、2011年2月以来の高水準を更新すると円売り・ドル買いがじわりと強まり、142.44円付近まで持ち直し。日米金融政策の方向性の違いから押し目買いは強いまま。岸田首相は訪問先のNYで会見し、「為替は安定的に推移することが重要」「1年で30円以上の円安は過去にない」と述べ、「為替の過度な変動には断固として必要な対応を取りたい」と強調。米財務省は「日本が為替市場への介入を実施したことを確認」「このところ高まっている円のボラティリティーを下げることを目的とした行動だったと理解している」として容認しました。奇しくもこの日は1985年にG5によって「プラザ合意」がなされた日でもあります。市場では政府日銀の介入についてはネガティブな評価が多く、円安の流れに変化を与える可能性は低いとの見方。
 また、スイス国立銀行(SNB)はこの日、政策金利を0.75%引き上げることを決めたと発表。声明ではインフレ抑制のために今後一段の引き締めの可能性を示唆し、必要に応じて為替市場で行動する意向を表明。高すぎるスイスフランを牽制しています。これによりマイナス金利は日本のみ。
 クロス円は反落、ユーロドルは横ばい。ユーロスイス反発。

 欧州株式市場、ロンドンは英中銀(BOE)が深刻な物価高を受けて、2カ月連続で政策金利を0.50%引き上げたこともあってリスクオフの反落、フランクフルトは主要中銀の大幅な金融引き締めが世界景気を冷やすとの懸念から売りが優勢となり大幅反落。NY株式市場、米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げが続くとの観測を背景に、米長期金利が約11年ぶりの高水準を記録すると株売りが先行、ダウは心理的節目3万ドルを割りました。ナスダックも続落。
 原油先物、一部通信社が、中国では10月にも複数の製油所で生産量の拡大が見込まれていると報じ、3日ぶりに反発。金先物、プーチン露大統領は親ロシア派武装勢力が占領するウクライナの4地域を併合する方針だが、西側諸国は当然ながら強く反対。地政学リスクの高まりが安全資産とされる金の買いが強まり続伸。
 米国債券相場は大幅反落。FRBの大幅利上げが続くとの観測を背景に、この日も売り。市場では日本の円買い・ドル売り介入について「保有する米国債を売っているのではないか」との懸念もあった模様。利回りは一時3.7138%前後と2011年2月以来の高水準。


【 主な経済指標 】

本日の主な経済指標と要人発言



【昨日の結果と本日の売買方針 】
 
 昨日はSNBの政策金利と介入示唆でユーロスイスの買い注文が約定、意に沿った約定ではありませんでしたが、無難に150.7pipsの利食い。政府日銀の介入観測からドル円を140.684から成行き買い、142円で利食いして131.6pipsの利確。

通貨別デイトレンドと売買方針

 本日は金曜日で日本は祭日の為休場となっています。しかし政府日銀の実弾投入で今日は臨戦態勢になっている模様。気になる経済指標も少ない中で、パウエル議長発言まで週末の動きに準じていいと思います。となるとポジション調整の動きとなりますが、実は昨日の乱高下もあって、ポジション調整のしようがない。テクニカルは効力を失っていますので、レベル感での判断しかありません。
 地政学的リスクの高まりからユーロ売り。ドルと円は介入で先行き不透明。選択肢は狭くなりユーロスイス・ユーロカナダ・オセアニア通貨で見ますが、オセアニア通貨も弱く見えますので、消去法でユーロスイスとユーロカナダの売りしか残りません。ファンダメンタルズでの見方(原油高・地政学的リスクの高まりからユーロ売り)とテクニカルを通してみると複雑な気分になります。

【ユーロカナダ日足】一目均衡表・21EMA(黄色)

ユーロカナダの日足では一目の雲の中。

【ユーロスイス日足】一目均衡表・21EMA(黄色)・ATR

ユーロスイスはSNBの介入示唆もあって簡単には売れません。
 やはり今日は様子見でしょうかね。
 
 では介入目線でドル円の売りもあるじゃないか、という話。行き過ぎたドル円の円安は政府日銀が介入するぞ、という145円からの売りポジションも考えられますが、そもそも通貨介入とは145円で介入するものではなくて、政府日銀が適正価格を決めて誘導するものです。このことから、どこから介入が入るのかは不透明。
 しかし、日米金融政策の乖離は続いており、ドル円は買い目線。この勝負、政府日銀の負けは見えています。大局では買い目線なので、どこから買うのか押目探りとなります。正直、日銀次第ですね。この場面ではスキャルでしか対応できないような気がします。


 マーケットvs政府日銀。かつてのBOEと某ファンドの対決はBOEが負けたように、政府日銀の敗北は濃厚かもしれません。

今日も負けないトレードを!

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