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映画本編よりタイトル部分が好きだったりして‥

昨日、映画「ストップ・メイキング・センス」について書いた。
今日はその延長で、映画のタイトルデザインについて。

最近、映画を見ていて感じる不満は、最初にタイトルのない映画が多いことだ。
なんとなく始まって、そのまま最後まで行ってしまう。
なぜ、始まりのタイトルがないのだ?
表紙の取れた本を読んでるような気分になる。
最後に細かいキャスト&スタッフロールがあるから、始まりのタイトルはいらないという意図なのか?
せめて映画のタイトルくらい入れてくれてもいいのに。

昔(20世紀)は、映画の冒頭に必ず、映画タイトル、主な出演者、スタッフなどの名前が表示された。私はそれを見るのが楽しみだった。
タイトルは、これから映画が始まるという期待感を盛り上げてくれた。
そして、名デザイナーによる素晴らしいタイトルデザインに出会う楽しみもあった。

前置きが長くなった。「ストップ・メイキング・センス」のタイトルデザインを手掛けているのは、映画タイトルの伝説の巨匠パブロ・フェロだ。
「ブリット」「華麗なる賭け」などでの非常に凝ったタイトルが素晴らしく(音楽も最高だが)、タイトルばかりを何度も繰り返し見ていたことがある。
フェロの処女作がキューブリックの「博士の異常な愛情」だった。
これは以前にも書いたことがあるが、この映画で使用した手描き文字を「ストップ・メイキング・センス」で再現したのだ。

映画タイトルデザインでは、ソウル・バスがもっとも有名だ。
「黄金の腕」「ある殺人」「ウエストサイド物語」そして「サイコ」「めまい」など、あげだしたらキリがないくらい名作が多い。
クールな中に知的なユーモアを感じさせるのが、バスの魅力だ。

バスと同世代ではモーリス・ビンダー(007シリーズ、シャレード)もよく知られている。女性の体を使ったデザインが有名で、ジェーン・フォンダの裸をタイトル文字が微妙に隠す「バーバレラ」のタイトルはおしゃれさにエロティシズムがプラスされた傑作だ。

1950年代~60年代はグラフィックデザインが飛躍的に発展した時代なので、映画タイトルやポスターに魅力的な作品が多い。それを発掘していくのも、この時代の作品を見る楽しみだし、勉強にもなる。
目の保養にもなるが。

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