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「砂漠が美しいのは、 どこかに井戸を隠しているからだよ」

昨日のnoteに「星の王子さま」のことを書いた。
「星の王子さま」は、先入観や固定観念にとらわれずに、子どものように素直な気持ちで物事を見ることの大切さを教えてくれる。

「砂漠が美しいのは、どこかに井戸を隠しているからだよ」。
映画で久しぶりにこのフレーズを聞いて思った。
これって映画につながるなあと。
私なりに言いかえるとこうなる。

「映画がおもしろいのは、どこかに真理を隠しているかだよ」

「パワー・オブ・ザ・ドッグ」を見た。
映画賞の常連ジェーン・カンピオンの新作だ。
ベネディクト・カンバーバッチが風呂にも入らない男らしい男として登場する。
事前になんの情報もなく見たのがよかった。

ベネディクト・カンバーバッチ演じる風呂嫌い。
ネットフリックスで配信中。

この映画では、物語上大きな存在感を示す人物が画面に出てこない。
この不在の人物が物語を引っ張り、見る者を戸惑わせ、映画が終わる頃に、ジェーン・カンピオンの鋭い批評性を浮かび上がらせる。
見事な仕掛けだ。

その作品構造は、ある古典的名作を連想させる。
ネタバレになるかもしれないので、今は作品名を伏せておきます。

映画は目で見ておもしろいものを追求する表現媒体と思われがちだが、違うのかもしれない。
本当におもしろい映画は、目に見えるもので目に見えない真理を描いている。
そんなことを考えさせる映画だった。

シナリオの構成、俳優たちの演技、映像、音楽、どれをとっても見事だが、それ以上に描かれなかったことへの想像を強く掻き立てる傑作だと思った。
映画は普通2時間くらいだが、すぐれた映画は時間をはるかに超越する。

大人は帽子だと言うが、
本当はゾウを飲み込んだうわばみ。
掲載した絵は、岩波書店の「星の王子さま」から。


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