見出し画像

超音速旅客機は復活するのか?かつてのあこがれコンコルドはワインオープナーになって、今ここに

日本でSST(超音速旅客機)の開発が計画されていると、今日の日経が報じていた。え、SST?この時代に?
英仏共同開発のSSTコンコルドが営業飛行を止めたのは20年近く前の話。それ以降、SSTの新型はどこからも登場しなかった。大西洋を3時間で渡りたい人などいなくなったのかと思っていた。それがなぜ今頃復活なのか?

かつてコンコルドは未来の象徴だった。コンコルド開発中の1969年から1975年頃、私は飛行機少年だった。お小遣いのほとんどを飛行機のプラモデルと航空関係の雑誌、本に注ぎ込んだ(後半、映画に流れていくが)。
私の興味の中心は古い戦闘機や爆撃機だったが、コンコルドには別の関心があった。夢の世界が現実になる期待感だ。
鋭いくちばしのような機首と大きな三角翼を備えたコンコルドの姿はまさしく未来の飛行機だった。いつか、これに乗る日が来るのだと疑わなかった。実際、JALも発注していた(その後、キャンセル)。

しかし、その後、世界の空を支配したのは頭でっかちのジャンボジェットだった。乗り込むと座席が横に10列もあって、真ん中の列に座ると外がまったく見えない。できるビジネスマンは通路側に座って、着陸と同時に電光石火のごとく飛行機を降りるらしいが、私は時間がかかっても窓際を選ぶ。外が見たいから。子どもか?

コンコルドが売れなかった事情は分かっている。環境問題と経済的合理性だ。コンコルドは速いけど、座席数が少なくて、燃料をたくさん食う。航空運賃を上げても採算が合わないのだ。
美しいフォルムを持つ未来の飛行機も現実の経済的合理性にはかなわない。
2003年、コンコルドが退役して未来の夢は終わった。これ以降、旅客機は中身こそ大きく変化したが、その外形は大きく変化していない。

それにしても、今回のSST開発はどこまで本気なのか?今の私は超音速の旅など望んでいない。しかし、美しい飛行機なら見てみたい。課題山積のはずのSST開発にどんな見通しを立てているのか、しばらくこの開発に注目してみたい。

ところで、還暦を迎えた時に、ワインオープナーをいただいた。コンコルドの機体から削り出してつくったオープナーなんだと。かつての未来だった飛行機の一部が今、私の手中に収まっている。
中学生の頃、こんな未来は想像していなかったな。

画像1

コンコルドの機材でつくったワインオープナー。concordeと刻印されてる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?