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年寄りにふさわしい服とは?着たいものを着るのが一番かもしれない

仕事していた時は、それなりに着るものに気をつかっていた。
スーツではないが、ジャケットは必ず着て、夏でもネクタイを締めてた。
歳を取ると体のあちこちが緩んでくるので、何かで締めておかないとだらしなく見える、と思って。

入院中の2か月間、私はTシャツとスウェットパンツで過ごした。自宅に戻ってもあまり変わらない。外に出る時に膝の出た綿のパンツを履くくらいか。
入院中に体重が減ってシワが増えた。髪は丸刈りしたままの伸び放題。元々のっぺりした顔がしぼんで老人感が増してきた。でもって、体を使わない自堕落な日々なので、改善の兆しはない。こりゃ、服を変えるしかないだろう。

以前は、若く見られたいという気があった。その頃は着ている服がタイトで、「シュッとしてる」と言われると社交辞令でも喜んでいた。なんか無理していたような気がする。

社会性を失った今は楽がいい。世の中もルーズフィットの時代になった。痩せたから服がみんなダブダブになった。都合がいい。
伊達の薄着、と言うくらいだから、昔からカッコをつけるというのはやせ我慢的な要素もあった。そんなストイックさがカッコいいとされてきた。
しかし、時代は変わった。価値観が細分化してカッコよさも一筋縄ではいかなくなった。
上から下までハイブランドで揃えるのと、古着でまとめるのとどっちがカッコいいかと言われると、今は古着の方かもしれない。その人らしさが出るかどうかが判定基準。

今までは、周りを気にして服を選んでいた。これからは自分が着たいものを着たい。カッコいいかどうかではなく、面白いか楽しいかが基準だ。この歳になったら、一部のスキもないカッコよりも、なんか変だなとか怪しいなとか思われるくらいが丁度いい感じだ。
フランスの農村部のおじいさんたちは、シャツやパンツはヨレヨレだけど、必ずスカーフや帽子はかぶっていたりする。そんな雰囲気がいいのだ。
世間とズレた個性が年寄りの持ち味。日本の年寄りももっと自分の味を出すべきだ、とつぶやきながら、適当に服を着る。

これは個性なのか単なるモノグサなのか。
今となっては、どっちでもいいか。

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