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村上専精の入覚寺参拝

村上専精は初代東京帝大印哲教授である。日本の宗派宗教者による研究に発した明治の日本の仏教学は、サンスクリットやパーリ語仏典を西欧哲学や神学、文献学の学術的手法で研究確立された欧米の仏教学からみると、すべてが戯言であると喝破した。村上は「大乗非仏説」を著し、日本の宗派宗教は大慌てで宗門の若手優秀者に西欧の学問を学ばせ、自派の宗祖がいかに釈迦と結びついているか必死に研究した。村上は大乗非仏説を著したことで一旦は大谷派を追われる。その後復権するが、真宗大谷派では清澤満之の系統が教理の基本となり、村上は今日に至るまで無視されている。村上専精は三河御津の入覚寺の養子住職だったそうだが、筆者の現在の寓居から車で20分。今日訪れてきた。手入れの行き届い品格あるお寺だった。


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