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私の友達

いまひとりで広島にきているいたばしです
目当てはなんといっても広島国際映画祭!!
敬愛する藤井道人監督の作品『ヤクザと家族』と舞台挨拶を見て大号泣し、
先ほどホテルへ戻ってまいりました
勢いでチケットを取って良かった
明日は『ドライブマイカー』を見てきます。楽しみ
(ヘッダーは「平和の軸線」のシーンのロケ地です☺️)

さて、今週のテーマは『友達』ですね
私は両手に収まるほどしか友達と言える人がいないですが、
みんな本当に本当に本当に大事な人たちです
その中で一人、兄弟のような友達がいるので、その話をしたいと思います

映画がつくった友情

彼と出会ったのは中学2年生の時でした。クラスで自主映画をつくって文化祭で長そうという話になったのですが、肝心な台本と監督を引き受ける人がおらず…面倒くさい仕事を押し付けられやすかった私と彼がそれぞれ監督、脚本に選ばれたのです

彼が脚本に選ばれたのには理由がありました
それは時間が少しでもあれば席で本を読んでいることで有名だったから
中学生当時の彼は日本文学に完全に毒されており、
夏休みになると芥川龍之介全集を読み込んで、その文法や文末の言葉を解析、研究して、
論文のようなレポートを書きあげてくるような男だったので。
当時から創作をしていることも周りに知られており
「じゃああいつでいいんじゃん」みたいな、そんな感じでした

「選ばれたからには良いものを作りたい」
と意気込んだ私は、彼に何度も何度も脚本を書き直させました
一方向こうも当時なりに物書きのプライドがあったようで、
その度に何度も喧嘩、喧嘩、喧嘩
放課後の教室で映画の脚本を書くためにぶつかり合うなんて青春
って思うかもしれませんが、
実際はただの意地のぶつかり合いなので、見られたものではなかったと思います


良きライバル 良き友

そんなこんなで半年をかけて映画を完成させたのですが
「雨降れば地固まる」って言葉通り、
ぶつかった分だけお互いの意思がわかるようになってはいました
お互い不器用で友達ができ辛く、根っこの部分が似ていたことがあるかもしれません
クラスが分かれても、好きな小説を教え合ったり、
その感想やそこから考えたことを何時間も語らったり、
自分たちがつくったものを見せあって批評し合ったり、
くだらない愚痴を言い合って笑ったり、
お互いの恋をバカにし合ったり
喧嘩することも多かった
若さとプライド故、たくさん傷つけることを言ってしまいました
でも、彼のストイックさや努力量にはいつも刺激をもらっていました
「あんなに頑張っている人がいるなら、私も頑張ろう」
互いに高めあう良きライバル、そして良き友として過ごしてきました

気付けば出会ってから9年
別にずっと連絡をとっているわけでもないし、
悩み事を相談しているわけでもないし、
お互いにあったことを全て知っているわけでもありません。
ボーイフレンドという言葉も似つかわしくないし、
もはや友達でもないのかもしれない
私には兄弟がいないので感覚はよくわかりませんが
そんな私が兄弟に一番近いような存在に思える、
不思議な人です

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