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【御殿場】富士スピードウェイホテル 宿泊記

1976年、日本に初めてF1グランプリが上陸した際、その舞台となったのが"富士スピードウェイ"でした。
今となっては鈴鹿サーキットが日本におけるF1の代名詞となっていますが、富士スピードウェイも負けず劣らず世界的に認められた格式あるサーキットです。

そして今回私たちが宿泊する富士スピードウェイホテル。その名の通りサーキットに隣接する稀有な立地にあり、"アンバウンドコレクションby hyatt"というハイアットブランドのラグジュアリーホテルとなっています。
果たしてどんな滞在となるのか楽しみです。

チェックイン


このホテルが位置する静岡県小山町は御殿場市に隣接しており、足柄スマートICから車で20分弱。
アウトレットや富士山、富士五湖観光の拠点としてもちょうどいい立地です。

富士スピードウェイのエントリーゲート横
ホテルへのアプローチ

サーキット用の大きな入場口ではなく、その脇道からホテルへ入っていきます。

ホテル仕様のスープラがお出迎え

駐車場へはセルフパーキング。
バレーサービスの有無は確認できませんでした。

ホテルはエントランスからモータースポーツの世界観に浸れる仕掛けが目白押し。自動車パーツなどをモチーフにしたアートワークが出現し、"富士スピードウェイ"に泊まるという体験へのモチベーションを高めてくれます。

エントランス
メカニカルなアートワーク

実はエントランス階には「富士モータースポーツミュージアム」が入居しており、別途入館料が必要ですが宿泊有無問わず楽しめます。

一階には「富士モータースポーツミュージアム」

ロビー階へと続く正面のエスカレーターを上がっていくと球体のオブジェがお出迎え。

謎の球体オブジェ
その正体は…

ぱっと見なんのこっちゃわからないオブジェですが、よくよく間近で見てみると様々な形をした金属フレームから構成されていることがわかります。
実はこのフレームたち、世界中に実在する様々なサーキットコースを模したもの。一つ一つ形が違います。

球体オブジェを間近で見るとこんな感じ
様々な形は世界各地のサーキットコースを表していました
ロビーフロア

レセプションはシックな色合いで落ち着いた雰囲気。所々インダストリアルな造形があしらわれている一方で中央には緑が配置されていて、行き過ぎないバランスのとれたデザイン。

レセプション

レセプションの両サイドにはちょっとしたバースペースとペストリーショップも併設されています。

お酒が並んだバースペース

サーキットビュー コーナーデラックス

さて、早速チェックイン手続きを済ませてお部屋へ向かいましょう。

暖かい配色の廊下

今回宿泊するお部屋はサーキットを望む60平米のコーナールーム。ホテルが長方形なのでコーナーまでは割と歩かされます笑

サーキットビュー コーナーデラックスキング 60平米

お部屋に到着。ルームNo.431。
かなりゆとりのある間取りで一つ一つの空間が広めに設計されています。

ゆとりある入口

まず左手にはバスルーム。洗面台はシングルベイシンですが、その分両サイドが広く取られていて使い勝手がいいです。

バスルーム

洗面台のデザイン自体は至って普通のTOTO製であまり面白みはないかなという印象。

しかし引き出しのなかを覗いてみると、ありました。遊び心。
アメニティがまるでプラモデルのランナーに繋がれているかのような面白い配置。
絶妙に童心をくすぐりますね。

まるでプラモデルのようなアメニティ

お風呂は洗い場付きの日本式。なんやかんやこれが一番慣れてるし日本人にとっては寛ぎやすい。

洗い場付きのお風呂

バスルームの反対側にはこれまた広々としたクローゼット。

かなりゆとりのあるクローゼット

ハンガーに掛かっているのはパジャマではなく、温泉やスパに着て行ける館内着のようなもの。
作務衣みたいで着やすいです。
また同じく掛かっているサコッシュはホテルのロゴ入りで、なんとお持ち帰りOK。
宿泊の記念にピッタリ。

作務衣とサコッシュ

さて、最後に肝心のベッドルームへ。

家具がゆったりと配置されたベッドルーム

深いグリーンのアクセントクロス。
落ち着いた色合いなのに、どこか遊びが感じられてすごく好きなバランスです。

キングベッド
寝心地はもちろん文句なし

キングベッドは革張りのヘッドボードが特徴的。これもどこか高級車のシートを思わせる造りです。

窓際のソファスペース

窓際には丸テーブルとファブリック素材のワンアームソファ。座面に奥行きがあるのでゆったり寛げます。

ウェルカムフルーツとフィナンシェ
ウッド調のカードキー
ミニバー回り

ミニバーのディスプレイにはお酒や雑誌が飾られていますが、中でも目を引くのが富士スピードウェイのサーキットを模ったオブジェ。

富士スピードウェイのサーキットコース
異様に長いホームストレート(上部)が特徴

本当にこんな形をしているのか、それはバルコニーから確かめることができちゃいます。

コーナーデラックスキングルームのバルコニー

バルコニーからの眺めはまさに"サーキットビュー"そのもの。
ヘアピンカーブを曲がるレーシングカーもしっかり視認できます。

プロアマ含め色々な車が疾走していく様を見る事ができる

そしてヘアピンカーブを過ぎた先に長過ぎるホームストレート。結構ここから見ていてもえげつないスピードが出ていることがわかります。

富士スピードウェイのホームストレート
ラウンジチェアに腰掛けてレース観戦も

プール&温泉

しれっと先述したのですが、このホテルには温泉があります。めちゃくちゃ広いと言うわけではないのですが、大概この手の高級ホテルで温泉が混雑することはないのでゆっくり楽しめます。

富士大御神温泉
半露天風呂

また天気が良ければ半露天風呂からは富士山も拝めてしまうという贅沢さ。
このホテルは基本的にサーキットビューか富士山ビューになるので、どちら側の部屋を選んでも損はありません。

半露天風呂から富士山ビューを楽しめる

お風呂上がりにはフレーバーティーやコーヒー牛乳のフリーサービスもあるのが嬉しいポイント。

ちなみに下のフロアには立派な20mプールも完備しています。プールでガッツリ泳いで、冷えた体を温泉で温めるのが最高でした。

20mの屋内プール

夕食

夕食は富士スピードウェイホテルのシグネチャーダイニング"Robata OYAMA"にて頂きます。
席数に限りがある&時間制なので早めに予約することをおすすめします。

Robata OYAMA

先付けの銀杏の塩炒りから始まり、富士りんごを使ったドレッシングのサラダや、焼き椎茸を頂いていきます。
"本日のお野菜"としておすすめいただいた「紅あずま」が最高に美味しくておかわりしたいくらいでした。

先付けや前菜たち

メインは「富士山御殿どり」と「三島 桜家の鰻と国産牛盛り合わせ 鰻牛」。
鰻の白焼はふわっふわであっという間に口の中で溶けていきます。

メインとご飯ものたち

ご飯ものは、妻はお任せ握りをオーダー。
私は「山葵丼」をオーダーしてみました。静岡らしさを感じられるメニュー。鰹節と山葵の香りが口の中にふわぁっと広がり山葵が鼻をつーんと抜けていきます。

最後にデザート。
抹茶の蒸し焼きショコラとマンゴープリンを頂いて大満足の夕食を〆ました。

抹茶の蒸し焼きショコラと
マンゴープリン

バー

夕食から場所を変えて、せっかくなので"BAR 4563"へ立ち寄ってみます。

"4563"はサーキットの全長を表しています

バーの入口には自動車の心臓であるエンジンのオブジェが鎮座。明らかに他のエリアよりもインダストリアル色強めです。

BAR 4563

バーの中は壁一面にミニカーがディスプレイされていて、車好きには堪らない空間。
ちなみに私は全く車に詳しくありません。

ミニカーが並んだバーの壁面

モータースポーツと密接なホテルだからか、ノンアルコールメニューが充実していて下戸の私たちには嬉しいバーでした。

朝食

よく晴れた朝。窓の外にサーキットが広がっているのはなかなか独特の光景です。

朝の富士スピードウェイ

朝食はホテルのメインダイニング"TROFEO"にていただきます。
メインのみオーダー、そのほかはビュッフェスタイルです。妻のエッグベネディクト、私のキャラメルバナナパンケーキ、どちらも大正解の美味しさ。
昨日の夕食も含めてこのホテルは本当に食事が美味しいホテルです。

エッグベネディクト
キャラメルバナナパンケーキ

富士スピードウェイ 体験走行

長々とホテルでの様子をお伝えしてきましたが、最後に富士スピードウェイのサーキットの様子も少しだけお伝えします。

なんと、富士スピードウェイは一般客も自家用車でサーキットを走ることができちゃいます。
サーキットの体験走行はコースを3周、車1台につきたったの2,500円です。

ブリヂストンのゲートをくぐって体験走行の車列に並ぶ

本来、体験走行とは別に富士スピードウェイへの入場料が必要ですが、ホテル宿泊者は無料。
ホテルのレセプションでパーミットをもらい、それを入場ゲートで提示します。

宿泊者がもらえるパーミット

体験走行は先導車について行く形で走行車同士の追い越しも禁止です。
そんなにスリリングな体験は伴わないものかと思いきや、名物のホームストレートに差し掛かるとどんどんスピードアップ。
なんと最高時速は200km/h近くに。

ピットレーンを抜けてサーキットコースへ 
観客席の並ぶホームストレート
前の車を追走してきいます

間違いなく日常ではなかなか味わえない体験がたったの2500円。ホテルに泊まらなくても、この体験走行のために来る価値はあったと思います。

おわりに

冒頭で記載した通り、富士スピードウェイは日本で初めてF1を開催した格式あるサーキットです。
しかしその後はレース事故に端を発したネガディブキャンペーンや、バブル崩壊による慢性的な赤字もありオーナーの三菱地所にとってはお荷物のような存在になっていました。
風向きが変わったのはトヨタが資本参画した2000年以降。
老朽化したサーキットのリニューアルが行われ、再度F1も開催されるなど着実に復活を遂げていきます。
2022〜2023年にかけて、富士スピードウェイはトヨタの完全子会社となり「富士モータースポーツフォレスト」構想のもと再開発を推進。
その一環としてオープンしたのが「富士スピードウェイホテル」です。
これからもトヨタが完全主導する形で富士スピードウェイはさらなる進化を遂げていくと思われます。
車好きの方も、これまであまり興味がなかった方も是非訪れてみてください。

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