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エッセイ

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2022年5月の記事一覧

鷗外とその家族① 鷗外の妻・志けは本当に悪妻だったのか?

鷗外の二番目の妻である志けは、明治の悪妻と呼ばれ、その娘の茉莉は大正・昭和の悪妻と世間に囁かれていた。 気性が大変激しく、鷗外の生家の人々、特に姑と対立することが多かった志けは、その気の強さがたたって、鷗外の死後は世間から孤立してしまう。悪評が広まったのはそのためかと思いきや、真相は、鷗外が自身の結婚生活を下敷きにし、嫁・姑の確執を描いた小説「半日」を発表、世間の人が鷗外夫人に対して悪妻のイメージを持ってしまった、というのがそもそもの原因らしい。 確かによく考えれば、いく