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6. 面接

またしても更新が遅くなりました。
いよいよ司法試験の合格発表ですね。
合格発表前に、最後の「7. 内定受諾」まで気合いで書き上げます。
今回はインハウス就活における面接について扱います。

質問・要望等はコメント欄Twitterの質問箱にお願いします。

6.1 面接の位置付け

当然のことながら、インハウス就活において、最も重要なのが面接です。
全就活生が司法試験合格者である以上、法律に関して一定以上の能力があることは明らかですので、面接ではコミュニケーション能力人柄を見極めていると思われます。

また、通常の就活とは異なり、入社した場合の所属先が、ある程度決まっており、インハウスの先生が自ら、将来の後輩となる人を確かめることが可能ですので、通常の就活以上に就活生自身を吟味しているのだと思います。

なお、集団面接をしている企業もありましたが、結局のところ、コミュニケーション能力を確認しているのだと思います(集団面接については後述します)。

6.2 面接の回数

私の経験では、面接は3〜5回でしたが、説明会での説明を踏まえると、3回の企業が多かったような記憶です。
企業ごとの具体的な回数は、説明会などで確認してください。

イメージとしては、
人事部門の方との面接(以下「人事面接」)が1回
法務部門のインハウスの方との面接(以下「インハウス面接」)が1〜3回
役員クラスとの面接(最終面接)が1回
という感じです*1。

6.3 各面接でほぼ間違いなく聞かれること

次に、各面接でほぼ間違いなく聞かれることをまとめてみます。
淀みなく答えられるように練習しておくことをお勧めします。

6.3.1 なぜ弁護士を志したのか      

法律事務所の面接でもそうだと思いますが、「なぜ司法試験を受験したのか」や、「なぜ弁護士を志したのか」という質問は必ず聞かれます。基本的に面接の最初に聞かれますが、正解があるものではないので、自分なりの返答ができるようにしておけばと良いでしょう。

6.3.2 なぜインハウスローヤーなのか   

弁護士を志望した理由を答えた後、
「なぜ法律事務所ではなく企業なのか」と聞かれます。

これももちろん、自分なりの回答をすれば良いのですが、
典型的な回答としては、
案件の当事者として主体的に動けるから
案件の初期段階からクロージングまで一貫して関われるから
企業活動に密接に関われるから
法律だけでなくビジネスにも興味があるから
法律事務所よりも幅広い仕事ができるから
などがあるようです。

ワークライフバランスを挙げても良いのかは諸説ありますが、インハウス面接で「なんで四大とかにしなかったの?」などと聞かれた際に、「あれほど長時間働きたくない」などと答えるのであれば問題ないと思います。
インハウスの先生方が企業で働くことを選んだ理由には少なからずワークライフバランスが含まれていると思われますし、説明会でワークライフバランスをアピールする企業も多いからです。

6.3.3 なぜこの業界なのか        

「なぜインハウスローヤーなのか」と密接に関連する質問ですが、その業界を志望する理由も聞かれます。
こうした質問に対する答えは、他社の選考状況他にどういう企業を受けているか)とある程度整合していないと説得力に欠けると思います。

通常の就活でも聞かれる質問ですので、回答のイメージを持ちたいときは、いわゆるONE CAREERなどの就活サイトを参考にすれば良いと思います。

6.3.4 なぜ弊社なのか

業界の質問に続けて、「その中でもなぜ弊社を志望しているのですか?」と聞かれることがあります。
ただ、1. インハウス就活の特殊性でも書いたように、新卒インハウスは採用企業が少ないため、同一業界内で新卒インハウスを採用している企業があまりないこともあり、そのような場合には、業界の質問で終わることもあります。

同業種でインハウス新卒を募集している企業が複数ある場合には、その企業の強みを把握し、その強みに惹かれた理由などを答えられるように準備しておくと良いでしょう。

6.3.5 他社の選考状況

他社の選考状況がどうなっているかは、エントリー数だけでなく、具体的な社名まで聞かれます。
採用する側としては、どのような企業を受けているのかは、内定を出した際に受諾してもらえるのかに加え、どのような業界を志望しているのかを見たいのだと思います。

なお、「差し支えなければ教えていただきたいのですが・・・」というスタンスのことが多かったので、具体的な社名は必ずし答えなくても良いのかもしれません。

6.3.6 学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)

残念ながら、インハウス就活でもガクチカを聞かれます。
「司法試験の勉強」と答えるのも悪くはないと思いますが、全就活生が司法試験合格者である以上、差別化を図るためには、勉強以外のことを答えられると良いと思います。
具体的な回答例は就活サイトなどを参照してください。なお、私は、ちょっと変わったサークルに所属していたので、そのことを話しました。

6.3.7 具体的にどういう仕事をしたいか

入社をしたらどういう仕事をしてみたいかということも必ず聞かれます。
入社に対する本気度を示す回答にもなりますので、真剣に考え、深掘りされてもある程度は答えられるようにしておくのが良いでしょう。

具体的な回答が求められていると思われますので、説明会で具体的な業務内容に関する説明を聞き、それを参考にして答えると良いと思います。

6.4 人事面接や最終面接で聞かれるかもしれないこと

人事面接や最終面接は、通常の就活の面接と同内容だと思います。
対策は、一般の就活サイトを参照するのが一番だと思います。

6.4.1 自己紹介してください/あなたの長所と短所は

自己紹介や長所・短所については、それなりの頻度で聞かれたので、論証パターンのように暗記しておくと良いと思います。
回答例は就活サイトを参照しましょう。

6.4.2 チームとして活動した経験はあるか

インハウスは、法律事務所以上に、組織人としての素質が求められるため、こうした質問があります。
どのような回答が求められているのかは分かりませんが、私はサークル活動について話しました。大学で部活をやっていた方は部活について話せば良いアピールになるのではないかと思います。

6.4.3 志望度/内定を出したら受諾してくれるか

他社の選考状況に続けて、志望度を聞かれることもあります。

模範回答は「御社が1番です。」かもしれませんが、私はそう言って内定を貰った後に内定を断るのは嫌だと考え、正直に答えることにしていました。

正直に答えた結果、一次面接で落とされた企業もありましたが、内定を得た企業もありましたので、ご自身の性格に合わせれば良いと思います。

6.4.4 最近気になっているニュースは

これも通常の就活でも聞かれがちなことだと思いますが、当該企業にある程度関連するニュースを挙げられると良いのではないかと思います。

6.5 インハウス面接で聞かれるかもしれないこと

おそらくインハウス面接は、人事面接とは異なり、インハウスの先生方が自分の後輩として入社してほしいかという観点から就活生を見ているので、典型的な質問は少なかったように思います。
そのため、模範回答がある訳ではなく、論証パターン的な回答よりも、自然体な回答の方が好まれると思います。

インハウス面接の対策としても既に挙げた質問を中心に対策しておけば十分かと思いますが、イメージを持っておきたいと思いますので、私が聞かれたことを挙げておきます。
・大学で受講した講義について
・LL.M.に興味があるか
・どういうゼミに入っていたか
・興味のある法分野

6.6 その他面接で聞かれるかもしれないこと

6.6.1 弊社のサービス・商品を利用した経験は

サービスや商品を提供する企業では、利用経験などについて聞かれることもあります。
当然のことかもしれませんが、具体的な商品名などは把握しておきましょう。

6.6.2 他社のインハウスの数

私のように不真面目な就活生は、他社の選考状況を答えた後の、「〇〇(企業名)さんって今インハウスどれくらいいるんでしたっけ?」という質問に対して返答に窮することがありましたので、みなさんは自分がエントリーした企業のインハウス数くらいは覚えておきましょう(これも当たり前かもしれませんが笑)。

6.6.3 対人関係で失敗したことは

私が実際に聞かれた質問なので挙げておきますが、模範回答は分かりません。
そういうことを聞かれることもあるのかという程度で良いと思います。

6.7 逆質問

面接の最後には、逆質問の時間があります。
逆質問の内容で採否が変わることはほとんどないような気がしますので、聞きたいことを素直に聞けば良いと思います。
特に、インハウス面接の方がざっくばらんに話せる雰囲気があるので、初任給や具体的な仕事内容、やりがいなどについて詳しく聞いてみると良いと思います。

6.8 集団面接

大変申し訳ないのですが、集団面接を実施する企業で私が知っているのは、私が実際に受けた1社のみです。
そのため、私が受けた集団面接の流れを記すことしかできず、どの程度参考になるのか分かりませんが、一応書いておきます。

各人が自己紹介
   ↓
各人が最近気になっている当該企業に関するニュースを発表
→面接官から各人に対してそのニュースに関する深掘り質問
→各人がそれに対する回答
   ↓
面接官から全員に対してインハウスローヤーに関する命題*2の提示
→各人がその命題についての意見を発表

結果的に私が受けたのは面接の対策と現場思考でなんとかなる内容でしたが、当日に集団面接であることを知ってから終わるまでは生きた心地がしませんでした…

6.9 その他

6.9.1 実施方法

去年(2021年)は、面接はオンラインのことが多かったです。
そのため、自己紹介のカンペや逆質問の質問事項などをパソコンのカメラの付近に貼っておくことができるというメリットがありました(が視線でバレていたのかもしれません)。

ただ、最終面接については、コロナ禍であっても、対面で行う企業が多かったようです。
この御時世、対面での面接は、マスク着用で、アクリル板が設置されていたり、距離が取られていたりするので、はっきりと話すことが重要だと思います。

6.9.2 服装

面接の服装は、自由であることが多いです。
もちろん、企業の指示に従うべきですが、常識の範囲内の服装であれば、そこまで気にすることはないような気がします。
また、ネクタイは着用しないように指示する企業もありました。

6.9.3 注意点

何度も書いているように、面接で重視されるのはコミュニケーション能力や人柄ですので、しっかりコミュニケーションを取りましょう。
当たり前のことのように思えますが、内定先の先生から、「面接で全く表情を変えない就活生がいた」という話を聞いたので、その点をクリアしていない人もいるようです。

6.10 今回の情報の確認方法

今回の情報は、実際にご自分で面接を受けるのが最適な確認方法ですが、こういう情報は面接前に確認したいと思うので、説明会など、新卒でインハウスになった先生からお話を聞ける機会を活用すると良いと思います。
説明会で、就活生が質問する前に、面接ではどんなことを聞かれるかを具体的に教えてくれる企業もありました。

*1 あくまでもイメージです。実際の回数は企業の説明会などでご確認ください。なお、人事面接とインハウス面接の順番は企業によって異なります。
*2 具体的に書くと良くないかもしれないのでぼかしましたが、現場思考で十分答えられるような内容でした。

〔更新履歴〕
2022.9.4 投稿

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