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5. エントリー

なかなか更新できなくてすみません。
司法試験を受験した方はお疲れ様でした。
今回はインハウス就活におけるエントリーについて扱います。

質問・要望等はコメント欄Twitterの質問箱にお願いします。

5.1 エントリー時期

インハウス就活のエントリーは、司法試験の合格発表後から始まる企業が多いです。
合格発表前からエントリー受付を開始している企業もありますが、合格発表後まで受け付けているのが通常だと思います。
ただし、年度・企業によって異なると思いますので、興味のある企業のエントリー時期については、ご自身で必ず確認してください。

5.2 エントリー数

何社にエントリーすべきなのかは本当に難しい問題だと思います。
私は4社にエントリーしましたが、周囲の就活生がどれくらい受けているのかは分かりません。とある企業の説明会で、新卒でインハウスになった先生が、就活時には6社受けたとおっしゃっていました。
過去の記事でも書きましたが、多くの場合、就活が導入修習に被ることになるため、片っ端からエントリーするのは避けた方が良いと思います。

また、面接では毎回のように他企業のエントリー状況を聞かれますが、その際、エントリーしている企業についてある程度一貫した説明ができないと、志望度を疑われかねません。そこで、特に第一志望の企業が明確に存在している方は、どのような企業にエントリーするのが自分の本気度を示せるか、という視点も取り入れてエントリーする企業を決めると良いと思います。

5.3 エントリー方法

これも企業によって異なります。
採用専用ページでエントリーをする場合や、任意の履歴書を使用してメールで送信する場合があります。
前者の場合、一般の就活で使用されるフォームが利用されるため、質問項目は通常の就活のようなものです。

インハウス就活では、ほぼ必ずWEBテストが課されますが、エントリー時点でWEBテストを受けさせられる場合が多いです。
司法試験受験者(合格者)なので、基準点を下回ることは少ないそうですが、それでもゼロではないそうなので、不安な方は対策をした方が良いと思います。
WEBテストは一般の就活で用いられるものと同じですので、書店で売っているような対策本で十分です。
ちなみに私は、対策本を1冊買い、1周した上で不安な問題を解き直して対策しました。

5.4 提出資料等

次は、エントリーに必要な資料や情報についてです。
ここで紹介するのは代表的な資料等で、もちろん企業によって異なりますので、その点ご留意ください。

・大学の成績
・ロースクールの成績
・司法試験の成績
・TOEIC等の点数

なお、某白い犬の通信事業者は、英語の課題の提出を求めていました。

5.5 書類選考で重視されそうな点

採用側が何を重視しているのかは、正直わかりません。
ただ、説明会での説明内容や、面接での質問内容などから、採用側が就活生のどういった点に興味を持っているのか少し伺えたので、いくつかの点について感じたことを書きます。
なお、エントリー時点で求められる情報は企業によって異なるので、ここに挙げた情報が常に書類選考で求められるとは限りません。面接で初めて聞かれることもあります。

5.5.1 ガクチカ

いわゆる”ガクチカ”(学生時代に力を入れたこと)は、企業によっては書類選考時点で記載を求められます。
なお、この時点では必要とされなくても、面接ではほぼ間違いなく聞かれます。

司法試験合格という事実によってある程度の能力が担保されている以上、企業は人間性を重視していると思います。顔を合わせない書類選考において、その就活生がどういう人かというのを測るには、ガクチカが最も分かりやすい指標だと思うので、それなりに見ているように思います。
一般の就活と同様のエントリーフォームを使用している関係でガクチカの記載を求めているのかもしれませんが、面接ではほぼ必ず聞かれることからも、書類選考時点でもそれなりに見ているのではないかと思います。

就活生の全員が司法試験合格者であることを考えると、もしエントリー時に記載を求められた場合には、「勉強」以外のことを書く方が良いと思います。
企業からしてみれば、インハウスは法律専門家としてだけでなく、従業員として考えているはずですので、できれば何かしらチームで活動していた経験を挙げられると良い気がします。

ただ、ガクチカの内容が弱いからといって落とされるようなことはないような気もしますが、どうなんでしょうか。。。

5.5.2 予備ルートかどうか

就活生の中で予備組が少ないこともあり、ロー卒であることが不利になることはないと思います。他方、予備組が優遇されているかどうかはよく分かりません。
実際、エントリー時にロースクールの卒業年度の記入が必須だったり、(エントリー時に予備であることを書いたにもかかわらず)面接でロースクール卒業を前提とした質問をされたりしました。
今後、予備組が新卒インハウス就活になだれ込んだ場合には、重視されるようになるのかもしれません。
なお、予備試験の成績の提出を求められることはほとんどありませんので、予備試験の成績は選考にほとんど影響しないと思います。

5.5.3 司法試験の成績

言うまでもなく司法試験の成績が良いに越したことはないですが、順位が低いからといって書類選考で落とされるようなことはないような気がします。
インハウスは法律家としてだけでなく従業員としての能力が重要なので、少なくとも、事務所の就活よりは司法試験の成績の重要性が低いと思います。

5.5.4 大学・ローの成績

法律家としての能力の高さは、司法試験の成績との方が相関関係があるので、大学やローの成績は、司法試験の成績以上に重視されていないように思います。
ただし、大学でどのような講義を受けていたのか、どのような成績だったのかについては、面接での話題になることもあるので、そうした意味では見られているようです。

5.5.5 英語力

多くの場合、TOEICの点数などの記載をエントリー時点で求められるので、それなりに見ているとは思います。
もっとも、一般の就活と同様にTOEICの点数などを求めているだけで、多くの企業では、入社時点でそこまでの英語力を求めていないように感じました。英会話レッスンや留学など、入社後に英語力を向上させる制度も整っている企業が多そうです。

ただし、英語を非常に重視していそうな企業もあります。
前述の白い犬の企業は書類選考の時点で英語力を見ていると思われますし、面接で英会話を求める企業もあると聞いたことがあります(同じ企業かどうかは分かりません)。

5.6 今回の情報の確認方法

今回の情報のうち、エントリー時期、方法、提出資料等については、説明会や採用サイトで確認することができます。興味のある企業については、必ず確認してください。
エントリー数については、説明会などでインハウス就活経験者の先生方に聞いてみてください。
書類選考で重視されそうな点は完全に僕の想像ですので、過度に信用しないでください。そもそも書類選考の通過率がどの程度なのかも不明ですので。。。

〔更新履歴〕
2022.6.26 投稿


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