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AtCoderで転職を

はじめに

 中途半端な状態なので書くか悩みましたが、お世話になった AtCoder の有用性、就活勢への情報共有、ここ最近の総括など諸々の目的で書きます。どなたかの一助になれば。

To international fellows

Here is a summary of this article:

  I'm going to be a data scientist at R******, one of the most famous domestic companies. Plus I was supposed to have an interview at G***** but it has been put off and hasn't been confirmed yet due to COVID-19. Throughout this job change, my friend from Australia helped me so much. He checked my CV, helped out with spoken English, took me hiking, and so on. I really appreciate it.

  It's unfortunate that I couldn't have all the interviews. But I'm always open to new opportunities and I hope everything will go well. Thanks!

AtCoder

 完全に就活目的で始めました。レートに固執せざるを得ないので向き不向きあるかもしれませんが、これをモチベーションに始めるのもアリだと思います。当時は青色(Rating 1600+)になることだけが目標で、青色になった後は FFT や rerooting など、綺麗な理論やアルゴリズムを純粋に楽しむ方向にシフトして継続しています。ちなみに現在に至っても蟻本などの参考書は買っていません。

 各人の初期ステータスに依るのですが、私の場合は青色を目標にするのが時間対効果の面で良いと感じました。水色には簡単になれそうだったのと、黄色は道が険しそうなわりに AtCoderJobs でもこのランクを要求する企業はごく少数だったからです。

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 初めての rated が 9/1 で、レートが 1600 を超えたのが 12/28 と年内にキリよく終えられました。Twitter で上級者とたくさんお話させていただき、アルゴリズムの理解など助けて頂きました。本当にありがとうございました。今はどうやって還元する側に回るか思索中です。この記事もその一環です。

転職の準備

 無事年内に AtCoder 青を達成したので、1月より準備に取り掛かりました。時系列順ではなく、これ以外にもやったことはあるのですが、主要なものをピックアップします。

 この転職活動においてたくさんの方に相談し、たくさんの方に助けていただきました。感謝してもし尽くせません。自分がいかに恵まれた環境にいるのかを確認するとともに、私もどなたかの助けになりたいという思いでいっぱいです。

履歴書

 日本語の履歴書は簡単に作れると思うので割愛します。英語のいわゆる CV は Overleaf で作りました。LaTeX の使い方を思い出しつつ、色んなテンプレートを参考に改変したり継ぎ接ぎして作り、ネイティブの友達にチェックしてもらいました。CV は絶対に1ページにしましょう(読む人(HR)の気持ちを考えましょう)。カバーレターは作りませんでした。

英語

 留学経験どころか渡航経験すら無いので、迷わず英会話教室に34万円の授業料を一括で突っ込みました。ほとんど喋ったことも無いくせに何故か中級レベルだと判定され、なんとか頑張って通い続けました。新型コロナウイルスで休校になったあたりから転職活動の雲行きが怪しくなりました。

 外資系企業の HR に「英語が心配なので最初の電話は日本語にして」と英語のメールで伝えたのですが、幸か不幸か「君の英語は全く問題ないから大丈夫!」と返事をもらいました。私がググりながら5時間かけて書き上げたメールからスピーキングスキルを判断されてしまったようです。

PRAMP

 世界中の人と phone interview を模擬的に行えるサービスです。当然英語。mock interview を知り合いに頼める状態でなければ、一度は使ってみることをオススメします。私も10回以上使わせていただきました。

 各セッションで interviewer と interviewee を交互に行うのですが、面接官側に立つと「優秀な人だなあ」とか「この人は絶対に落とす」とか色々見えてくるのが面白かったです。にこやかで活発に話す人ほど優秀だと感じましたし、GAFA などの面接が終始和やかに進むのもわかる気がします。

 お互いのインタビューが終わった後、世間話をすることもありました。気さくに話してくれるのですが、オンラインで聴き取りづらいのと私の英語力の問題で、うまく雑談できずに終わったこともありました。英語ができなくて何よりも一番悔しいと思った瞬間でした。

LeetCode

 1ヶ月だけサブスクリプションを購入し、企業の過去問を一通り解きました。スコアはこんな感じ。リンクリストさん…

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 LeetCode は過去問だけでなく、インタビュー体験記が匿名で投稿されています。NDA に抵触しているであろう情報も赤裸々に載っています。大っぴらに言うことではありませんが、私は読みまくっていました。オススメです。

転職活動

 AtCoderJobs は利用しておらず、最終的には2社から内定を戴きました。本当はもっと続けたかったのですが、新型コロナウイルスの影響でそれどころではなくなってしまいました。書類や1次面接で落ちた企業のいくつかは名前も思い出せないので、覚えている限り時系列順で書きます。

M社

 データサイエンティストのポジションに応募しました。SPIも性格診断もコーディング試験もあり、えらく気合の入った企業だなあと思いながら解きました。結果としては問題なく1次面接に進むことができ、そこで落ちました。

 1次面接ではフェルミ推定や機械学習の考察を課されました。実は事前にエージェントの方から伺ってたのですが、「ジュニアのポジションで出すわけなくない?」と高を括っていたら実際に出たという感じです。「この年収でここまで求められるなら入らなくていいや」と気にはしていないのですが、あまりに難易度が高く、印象に残った企業でした。

B社

 クオンツ寄りのポジションに応募しました。仮想通貨の知識がないことを少し心配されましたが、内定を戴くことができました。コーディングテストは無かったですが、GitHub は見られました。

 転職活動での初めての内定でしたが、給与が想像より高くて驚きました。即戦力としてのオファーだったので、新卒で1年だけやったクオンツの経験を評価していただき嬉しかったです。

R社

 データサイエンティストのポジションに応募しました。エージェントの方から事前に「ジュニアのポジションなのでコーディングテストは無い」と聞いていたにも関わらず、面接で当たり前のように出されて背筋が凍りました。clar を投げて時間を稼ぎ、面接官の返答を聞き流して考察しました。

 面接が終わってからも機械学習のコーディング試験が課され、エージェントの話は何だったんだという気持ちになりました。2週間の猶予がありましたが、機械学習はやったことがないので、「能力を疑われているなら辞退しようか」と思いつつキングダムハーツをやっているうちに4日が過ぎました。重い腰を上げてググりながら3日ぐらい格闘したところで燃料が切れ、それっぽく纏めあげて終わりました。ただ1週間で出したら頑張っていないと思われそうなので、締め切りの2日前に提出しました。

 無事内定を戴いたのですがジュニア枠なので、即戦力扱いのB社よりも提示年収は低かったです。なのでB社を引き合いに出して給与交渉し、B社と同程度まで上げていただきました。7/1 よりこの会社で働きます。

G社

 ソフトウェアエンジニアのポジションに応募するはずでした。面接を組んでいただくために HR にメールを送っていたのですが、その返事は「新型コロナウイルスの影響でポジションを一時的にクローズしている」というものでした。新卒の募集は行っているようなので、確証は無いですが中途のジュニアのポジションまでは見る余裕がないのだと思います。このやり取りを期に、これ以上転職活動を続けることは得策ではないと思い見切りをつけました。

 「update があれば必ず伝える。keep in touch.」というメールが最後となりました。HR の方は気さくで優しく、面接に臨む心得なども親切に教えてくれました。本音を言うと現場のエンジニアに自分の考えを伝えられる機会をとても楽しみにしていたので、落ちるより受けられない方が余程残念でした。credulous に返事を待ち続けているわけではないですが、もし連絡が来たらどうするのか、仮に通ったらどうするのか、今のところは何も考えていません。ただ、コロナウイルスの影響で全ての面接がリモートとなり、電話で英語を聞き取らなければならなくなったのは大きな逆風になりました。

総括

 企業選びの軸は、「優秀な人に囲まれて」、「叩き上げでなく教育する風土があり」、「自分が好きだと思える分野で働ける」ことでした。なので有名企業狙いだったのと、実は業種自体に拘りはあまり無く、エンジニアでもアナリストでもどちらでも楽しく働けるだろうと思っていました。

 R社に決めたもう1つの理由として「仕事内容を容易に伝えられる」というのもありました。国内では広く認知された B to C サービスなので、「このサービスのこの部分を担当している」と言えばプライベート/ビジネス問わず説明に苦労しないだろうと思いました。クオンツだったときは全然伝わらず、「なんか凄そう」みたいな感じで話が終わるのが悲しかったので。

AtCoderの有用性

 AtCoder がどう役に立つかという話ですが、最もわかりやすいところだと、競プロ採用に力を入れている企業の HR からの評価は跳ね上がりました。あとはコーディングテスト対策になることや、言語の理解やコードの可読性の向上など様々あると思います。実際にはコーディングテストに頻出の二分木、リンクリスト、trie などの問題は AtCoder には少ないので LeetCode などで補う必要はありますが、それでも知識の土台作りとしては十分過ぎるくらいで、それを楽しみながら学べるコンテンツです。

 AtCoderJobs については、新卒やアルバイト向けのサービスだと感じています。レーティングはプログラマーとしてのポテンシャルを保証してくれる一方で、中途の求人は経歴を重視する即戦力採用寄りに感じ、企業側はレートでスクリーニングできるメリットがありますが、求職者にとってあまり旨味がないと思ったためです。ありがたいことにいくつかスカウトを戴きましたが、年収の下限値を見て応募をやめました。

おわりに

 ご飯、特にお酒がメインではない(飲めないので)ちょっと豪華なご飯にとても行きたいです。7/1 より東京に移りますので、ご一緒してくれる人を募集中です。今後ともよろしくお願い致します!

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