三十一日目（第二回ワクチン接種前日）

　ワクチンの効果を最大にすべく始めた禁酒もひと月が過ぎた。

　途中、大きな苦しみや葛藤は特になく、だからといって酒を忘れることもなくこの日を迎えられたことに感謝する。誰にかはわからないが。

　そして、明日はいよいよ第二回ワクチン接種が控えている。私が打っているのは副反応が激しいことで知られるモデルナ製ワクチンだ。人によって差はあるものの、今のところ私の周囲では九割近い人々が高熱を出している。こういう場合、多数に従ってしまうのが我が平凡ボディの常道であって、おそらく発熱は免れないだろうと覚悟をしている。

　それに……アラフィフのご同輩ならわかってくれるかもしれないが、副反応は若いほど強いと噂される以上、なかったらなかったで砂を噛む想いをしなければならないのが目に見えているのだ。

　何日も寝込むのは御免被りたいが、一方で全く出ないと目を背けたい不都合な事実を突きつけられた心持ちになることだろう。よって、願わくは一昼夜ぐらいほどほどの発熱程度で出ないかなとか思っている。乙女心は複雑なのだ。

　もちろん、発熱に備え、食と薬の用意は万全に整えた。どんとこいだ。なんなら発熱明けのお祝いに備えてハーゲンダッツのアイスクリームまで買ってある。人生とは小さなセレブレーションの積み重ねでございましょう？

　ま、こんなバカを言っていられるのも今のうちだけかもしれない。なんにせよ、無事に終わり、二週間後の禁酒明けを楽しく迎えたいものだ。

　明日以降、日記の更新がなければ、副反応で倒れていると思ってくださいませ。

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