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なんちゃっていねい生活 都会に近い田舎に住もう

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関東の小都市・神奈川県横須賀市在住の文筆家が、なんちゃってな「ていねい生活」の日々を綴ります。スキやシェアしてもらうと面白いことがあるかも!
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#文豪の死に様

【告知】「もっと文豪の死に様」新章開始!

2024年の初記事が昨日アップされました。 「もっと文豪の死に様」、新章がスタートします。 今回は文学上「無頼派」とグルーピングされる織田作之助、坂口安吾、石川淳の三人を取り上げたいと思います。 作風や表面的な生活態度で「無頼」とされた人たちですが、人生は三者三様でした。 織田作が30代で早世する一方、石川淳は88歳の天寿を全うしています。 彼らの共通項、そして人生の分岐点とは。 どうぞご期待ください。

【更新情報】文豪の死に様 三島由紀夫編最終回

「もっと文豪の死に様」三島由紀夫編の最終回がアップされました。 今回は三島には「あの死に方」しかなかったのか、について考えています。 それにしても、三島編は最難関でした。それだけにひとまず最終回と打てて感慨深いものがあります。 同時に、やっぱり「健やかな子供時代」は万人に与えられるべきものあり、大人がそれを歪めるとその子の人生後々にまで祟る、というのを改めて痛感しました。 ぜひお読みください。 なお、次回は同じ戦後作家でも三島とはまったく違う道を辿った作家になる予定で

【更新情報】文豪&老い方

 すっかりお知らせが遅くなりましたが、2件のWEB連載、両方とも最新回がUPされています。 「もっと文豪の死に様」は三島由紀夫回の第七回です。 意外な人が、三島由紀夫の本質を掴み取るような評をしています。 そして三島との付き合いも残りあと一回になりました。 長かった……。最初はなかなか掴みそこねていたのですが、何度も繰り返し丁寧にテキストにあたるという超基礎動作に返ったら、見るべきものが見えてきました。なかなか貴重な体験でした。 「老い方がわからない」は老いてからの住居

皐月廿七日 【宣伝】「もっと文豪の死に様」尾崎翠回 第二回アップしました。

 尾崎翠回の二回目です。  いよいよ彼女の人生に入っていきます。  今回は時代背景から入っていますよ。他の作家ももちろんそうではあるのですが、彼女の場合は特に生まれ育った時代が大切なので、ちょっとしつこいぐらい言及しています。  ぜひお読みください。  なお、トップ画像は翠が代用教員として働いていた岩美町の港の風景ですよ。

皐月十三日 【宣伝】「もっと文豪の死に様」尾崎翠回スタート

 13日の仏滅金曜日という大変おめでたい日にスタートしました「もっと文豪の死に様」、新文豪回です。  このたびの主人公は尾崎翠。知っている人はすんごく知っているし、知らない人はまったく知らないタイプの作家ですが、その実力は名だたる文豪に決して引けを取らない、いやエキゾチシズムを抜いた視点で世界に通用する日本人作家なんてむしろこの人ぐらいしかいないんじゃないか、と私は本気で思っています。  作品の魅力を伝えるところから始めているものの、やはり引用だけではなかなか難しい。今回は

卯月十五日 代言人

 「もっと文豪の死に様」関係で長谷川時雨のあれこれを調べた際、時雨の父が日本の弁護士一期生だったことを知りました。  それに絡んで、日本の弁護士の歴史をさらっとなぞったわけですが、制度発足当初の呼び名は「代言人」だった、とか、結構うさんくさい職業扱いされていた、などなどおもしろい事実を知ることができました。  思うに、弁護士より代言人の方がこの仕事の本質をよく表しているのではないでしょうか。  弁護士とは、雇い主の主張を、法廷で通用する言葉に翻訳するのがお仕事ですよね。「カ

卯月九日 横須賀の古書店「Books & Coffee AMIS」

 横須賀上町商店街入り口の方から緒明山公園の方に入っていく中里商店街にある古書店「Books & Coffee AMIS (エイミス)」さんで、弊著『文豪の死に様』を取り扱っていただけることになりました。  ご主人は長年青山ブックセンターでお勤めだったそうですが、10年ほど前に横須賀に移住し、現店舗を開かれたとのこと。唸る品揃えが納得のご来歴でした。店内の写真をアップしようかと思ったけど、やっぱり実際足を運んでもらった方がいいやと思って取りやめ(笑)。アート系はもちろん、文

弥生二十五日 【宣伝】もっと文豪の死に様 長谷川時雨 後篇その一

 誠文堂新光社のサイト「よみものドットコム」で連載中の「もっと文豪の死に様」長谷川時雨編の後篇その一が公開されました。  その一とは如何なることや、ですよね。  はい、すみません。  終わりませんでした(笑)。  次回で終わるはず。  長谷川時雨が不幸な人妻から一躍スター作家になるまでを追っています。  よかったらぜひお読みください。

弥生十一日 【宣伝】「もっと 文豪の死に様」長谷川時雨 第二回

 誠文堂新光社のよみもの.comで連載中の「もっと文豪の死に様」、長谷川時雨の第二回がアップされました。  前回分は下記からどうぞ。  時代の波に洗われて賢いお嬢ちゃんが野生のフェミニストに育っていく過程を書ききるつもりでしたが、どうやら次回に持ち越しそうです。三回で終わらないかな?  まあ、それもよし。  トップ画像は今日見たとある場所の旗。半旗になっていました。あれから11年経ちましたね。

如月廿六日 箱根取材

 実は今週の水木、「もっと文豪の死に様」の取材に箱根まで行っていました。  くわしくは当該記事をアップしたらお知らせしますが、ヒントをチラ見せ。  わっかるかなぁ わっかんねぇだろうなぁ シャバダバダ    わかった方はすごいです。箱根マスターか文豪ストーカーですね。    また、箱根取材と銘打ちつつ、トップ画像は箱根近在のとある場所でして、こちらもまた追々。    のどやかな景色、歴史ある名建築、命の洗濯ができる場所。守っていきたいものです。

如月廿五日 【宣伝】「もっと文豪の死に様」長谷川時雨回スタート

 誠文堂新光社のWEBサイト「よみものドッドコム」で連載中の「もっと文豪の死に様」で新しい回がスタートしました。  今回から三回分で長谷川時雨を取り上げます。  正直、現在の知名度では文豪に入れるに厳しい人ではありますが、なぜ取り上げることにしたか、初回でそのあたりの思いを縷々述べておりますので、お読みいただけると幸いです。  時雨回は、フェミニズムと、戦争に対する庶民の態度を問うことになります。奇しくも、という気分です。  よろしくお願いいたします。

如月十二日 【宣伝】『文豪の死に様』

 昨日、よみものドットコムで連載中の「もっと文豪の死に様」中島敦篇の更新告知をしましたが、タイトルに「もっと」がつくことからもわかるように、以前同サイトで「文豪の死に様」を連載していました。  それをまとめ、加筆修正をして出版したのが『文豪の死に様』です。  樋口一葉、二葉亭四迷、森鷗外、有島武郎、芥川龍之介、梶井基次郎、小林多喜二、岡本かの子、林芙美子、永井荷風。  まさに近代文学のスターというべき面々ですが、彼らがどのように死んでいったのかを通じ、その人生を俯瞰してい

如月十一日 中島敦と雑草

 今朝まで続いた氷雨のせいか、庭の草たちもいかにも寒そう。地面にぺったりくっつく春待ちの態勢でしのいでいます。と、まあ、今はまだ愛でる余裕もありますが、夏前にはまた彼らとの戦いが始まりますね。  さて、誠文堂新光社のWEBマガジン「よみもの.com」で連載中の「もっと文豪の死に様」中島敦篇の第三回がアップされました。中島敦に関しては今回が最終回です。  代表作「山月記」の作風ゆえか、なぜか暗い人っぽいイメージがある中島敦ですが、実はコミュニケーション能力に長けた陽性の人た