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ありがとうございました。

わたしにはコンプレックスがある。

それは常にどこかしらの体調が悪いということだ。もともと自律神経が弱く、家族のおでかけで車に乗れば顔が真っ青になり、学校の運動会では真っ白になり、今日だという日こそがっかりしてきた。そんなことから、自分の力を信じるのが苦手だ。「がんばろうとすると、必ず何かが起きる」と、できない方の自分を前提に生きていた。

それでも学生時代は体力に任せてうまく成績を伸ばし、行きたい大学に行ったり留学に飛び立ったり、それなりに努力をかたちにした。しかし二十歳を超えてきた頃から、じょじょに体力のなさが人生の選択肢にも影を落とした。そして当時、体力があることが条件のような職種を目指していた私は、わりと絶望していた。

そんななか、どうにかご縁あって、今の就職先にいる。


ここでの私はやっぱり朝に弱く、体力がない。でもそんな私だけれど、いちばんはじめの人事評価でこんなことを言われた。


「あなたはしぶとい。そして必ずやり切るね。」


はじめて聞いたときは、あまりに自分とかけ離れていて、いったい誰の話だろうと思った。けど、その言葉を半分くらい信じながら1年、2年、3年、と過ごしていたらだんだん意味がわかるような気がしてきた。そしてそんな自分の仕事に、今は0.3秒だけ手応えを感じる瞬間もある。

そう。体力はちっともないけれど、違和感が飲めないことに関しては、ピカイチだった。そして、その眼差しに誰よりも早く気づいてくれたのが、今のマネージャーだった。

弱い人間なら弱い人間なりの闘い方がある。それを許し、認め、時間がかかっても自分の力を信じるよう、自分らしい力が出せるよう、彼は必要なサポートと挑戦を常に用意してくれた。

そしてちょうど、自分の眼差しを信じられるようになってきたつい最近、彼の手を離れることになった。なんというか、寂しいけれど「今」だったのだなと思う。ほんと、去るときは一瞬だ。

世の中にはたくさんの上司と部下のかたちがあるけれど、こんなにも信頼し、奇跡のような関係性を築けたことを、私は心底ラッキーだと思っている。

出会ってから、長かったような、短かったような。

どんなときも信じてくれて、ありがとうございました。



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このnoteは、明日やめてしまう大好きなマネージャーのことを思い、書きました。SNSにうとい方なので、絶対読まないと思うけど、本当に感謝しています。恩返しができるように、この場所で引き続きふんばる次第です。


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