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王様戦隊キングオージャー 第3話感想

王様戦隊キングオージャー 第3話 我がままを捧ぐ

……の感想です。

 今回は女王ヒメノが統治する美と医療の国イシャバーナが舞台ということで、なろう系の令嬢ものが大好きな私としては楽しみな回でした。
 王たちの年齢は公開されていないと思いますが、推定で20歳前後かな? という感じのヒメノが女王に即位しているわけです。改めて考えたら随分若いですよね。
 一代で成り上がったヤンマとは違い、いかにも生粋の王族といった立ち居振る舞いをするヒメノなので恐らくは父母から王位を継いでいるのでは……と思いますが、ご両親は健在なのでしょうか。
 まあ、どの王も今の所、親とされる人物は登場していないので未知数で、この先語られることがあるのか待つしかないですね。

 さて、ギラとヤンマを華麗に連れ去ったゴッドカマキリですが、なんとなくメス個体っぽいですよね。シュゴッドに性別があるかは謎ですが、佇まいが艶っぽくてとても美しいです。
 そしてそれ以上に華やかに登場するヒメノですが、ここでのヤンマの「ヒメノちゃん」呼びにはほぼ全視聴者が虚を突かれたのではないかと思います。
 第2話で丁寧に非常に描かれていたヤンマ・ガストという人をだいぶ理解した気になっていたところでこれなのでたまらないですよね……。
 ヒメノにアピールしたいヤンマ、ギラにしか興味を示さないヒメノ、困惑するギラ、という開幕から残念な三角関係みたいになってしまう3人……しかしそうなるとヒメノはなんのためにヤンマも一緒に拉致して来たんですかね。近くにいたからたまたま巻き込まれた感じなんでしょうか……哀れすぎる……あんなにかっこよかった俺達の総長が……。

 それはさておきOPです!!!
 3話目にして初めてのOP映像、こちらも何度も再生して適宜一時停止しながら隅々まで見たくなる快作です。
 どのカットも素晴らしいですが、特に好きなのがサビのコミカルな主従パートですねえ。OPに従者たちが出てくるってだけで嬉しいのですが、戦場を駆けた王たちが日常へ戻ってきて、楽しくて頼もしい従者たちに支えられながらそれぞれの玉座へ──という感じに見えてなんだかぐっときてしまいます。王は一人では王たりえない、ということをしっかり描いてくれているのが嬉しいです。

 それと私は戦国BASARAを愛好するオタクなので、クレジットに石野竜三さんの名前が出てきたところで、思わず一回立ち上がりました。しかも同じカットに三木眞一郎さんの名前も出てましたからね、私得過ぎます。

OP明けて本編に戻ると、ヒメノの居城──兼、総合病院ですかね? 中世ヨーロッパ風の街並みとは対照的なハイテクノロジー……テクノロジーということはンコソパのほうで開発ないし技術提供された医療機器である可能性が高いですよね。
 「そんなんじゃねーし」とは言っていますが、露骨にヒメノに惚れていたヤンマなので、さぞはりきったんだろうな……と想像して薄ら笑いを浮かべてしまいました。

 一方、ヒメノに拘束され、頼みの(?)仲間候補ヤンマはご覧の有様で困惑していたギラでしたが、帰国チャンスが来ると急に生き生きして邪悪の王ムーブし始めるのがあまりにも可愛いですね。
 そしてこのタイミングで、正直ここまで引っ張るとも思っていなかったレインボージュルリラを所望したのには驚きました。
 正直実在を怪しんでいた(絵本に出てくる料理とか)レインボージュルリラですが、女王であるヒメノも知らないとは──シュゴッダムの郷土料理、とかですか?? 

 一方その頃ということでバグナラク側の様子も描かれます。このシーンは薄暗いところにサナギムが密集していて、正直うへえとなりました。やっぱり密集は怖いです。
 100人死んでも101人殺せばいい、というようなことをカメジムが語っていましたけど、この個々の命を軽んじるような言葉が、後に語られるヒメノの思想と相反することは明確です。非常に秀逸な描写ですね……まあ、うへえとはなるのですが。
 3大守護神という概念が語られ、3って?? と首をかしげている間に、お待ちかねの石野竜三さん演じるフンジームがここて登場──本当にいい声ですよねえ。単発のゲスト、それも敵モンスター役だけというのはなんだかもったいない気持ちになります。

 そして視点が戻るとヒメノ様のグリーティングが開催されていました。
 実はイシャバーナの国家資産ってどうなっているんだろう、というのが気になっていまして。
 使っても使っても無尽蔵に金が出てくるファンタジーお金持ち──ということでは、1話で税に苦しむ民を描写したり2話で貧民街から成り上がった王の話をしてきたのが台無しになりますからね。
 とりあえず道を歩いているだけで貢物が集まっているくらいの人気者なので、税収とは別にイシャバーナの有力者からの献金はありそうです。
 それから貿易で外貨を獲得したり、ということもあるのかも。美と医療の国なので、美術品や衣料品、あとは薬品なんかをたくさん輸出していそうな気がします。
 民らの各国の行き来がどの程度自由かは不明ですが、これだけ美しい国なので観光業なんかも儲かりそうです。

 この時、ヤンマはヒメノに花を渡したかったようなんですが、他国の王なのに一般国民の後ろで待機してるのが可愛いですよね。
 野花の1輪とは随分素朴な贈り物だな、という印象を持ちますが、ンコソパは自然が豊かな国ではないので綺麗な野花を摘みたいと思ってもどこにでも咲いてるわけではない筈。
 だからもしかすると想い人に花を贈る、というのはンコソパではかなり粋でロマンチックなアプローチなのかも。

 そんなヤンマも、ヒメノの民家爆破を目の当たりにして不動のリタ王くらい固まって「やっぱねえわ」となってしまったわけですが……まさかヒメノの性格を把握せずに惚れていたとは思わなかった。
 人を見る目はそれなりにありそう(対ギラや対ラクレスを参照)なのに、なぜ? となりますが、ヒメノもヤンマも若い王なので即位してそう何年も経っていないと思われるため、個人的に話をする機会もそれほどなかったのでしょうか。
 更に言うなら同じ王と言えど育ってきた環境が違い過ぎたので、ヒメノのわがままのスケール観が常識外過ぎたということもあるのかもしれません。

 メタ的な話を挟むなら、ヤンマ役の渡辺碧斗さんが会見でデカレンジャーのデカイエローことジャスミンが初恋だという話をされていたので、ヤンマがヒメノのに惹かれた最大の理由は「黄色いから」かもしれません。
 ここからはまるで犬猿の仲のように描かれていく二人ですが、いつか改めてヤンマから花を贈るような展開になる可能性もないとは言えないですね。
 これである意味初恋が叶ったね──みたいな美談に最終的にはしていきたいという目論見が制作サイドにあったりするのかもしれないし。

 急に通常運転に戻ったヤンマがギラに「帰るぞ」って度々言うところがいいですよね。
 ギラの仲間になることは拒んでいたけど、ンコソパに連れて帰る気はある──つまり少なくとも身内扱いはしてくれているわけですから。

 そしてそんなギラが所望したレインボージュルリラがついに完成。って、いやこれは、コンソメスープでは?? 全然レインボーじゃないし──と思っていたら案の定ギラからは美味だが違うと言われてしまいました。
 そして回想シーンで本物のレインボージュルリラが登場──やっぱり色は別にレインボーではない。レインボー要素はどこなんでしょうか。とりあえず寒天的なスイーツには見えますが、何味かも不明です。
 この料理について何をどう説明したらコンソメスープもどきが出てきたのでしょうね。

 そしてヒメノはギラの食事の仕方がやたら上品なことに気付いたようですが、このとき先にヤンマが悪い見本を見せてくれるのがいいですね。
 ギラの秘めたる育ちの良さがより際立って、恐らくテレビの前のお子様にもしっかり伝わったと思います。
 ちなみにヤンマがまだヒメノにぞっこんの状態だったら、もう少しくらい気を遣ったかもしれませんね──足は下ろすとか、皿は両手で持つとか……。

 ここまでで結構お腹いっぱいになるボリュームの第3話なんですが、ここから更にゲストヒロインとでも言うべきエッダと父・カーレが登場します。合わせると「枯れ枝」ですかね……?
 カーレ役の今野さんは大好きな俳優兼芸人さんなんですが、恐らくイシャバーナの影の部分、誰もが美しく生きていられるわけではない──というようなところをその存在感だけで表していてすごく印象的でした。
 
 その後のセバスチャンとヤンマ、そしてギラのシーンもよかったですね。
 ヤンマが腕を上げる度に、めちゃくちゃ男らしい脇に釘付けになってしまうのは内緒です。
 セバスチャンが実は仮名、年は25歳で老け顔は特殊メイクというとんでもない告白がされますが、これは恐らく「様式美」という種類の美ですね。
 ヒメノの美醜の基準に若さは関係ないということがわかるのもとてもいいです。
 同じわがままでも、壮年の男性を特殊メイクで若作りさせている──だったらなんとなくもやっとしますからね。
 3年前から勤めているとのことですが、もしかするとヒメノが即位したのが3年前なのかもしれないですよね。いや……本当に気になってしょうがないです。王たちの過去が。

 そして、本話のクライマックスとなる敵襲→エッダを守って汚濁を浴びるヒメノ→フンジーム戦へと展開していくわけですが、やはりヒメノの王鎧武装は華やかでゴージャスな雰囲気、そしてバチバチにかっこいいですね。
 私は起爆スイッチを押してる時の無邪気な笑顔も「嫌」の不機嫌顔も大好きですが、剣を取った途端にあの凛々しさですよ……たまらない。
 エッダへ投げかけた言葉、そしてそれを体現するかのように優雅に気高く、そして我がままに戦う姿。この国の全てがお気に入りだと言い、何一つ譲ることも害されることもよしとせず、足元の花さえ避けながら戦うヒメノは本当に最高の女王様ですね。

 かと思いきや、キングオージャーに乗り込んだ途端、行きずりのつむりちゃん(激かわ)を逆ナンしてトリガーハッピーし始めるし、この自由さが癖になります。
 乱射してる時、国民めちゃくちゃ湧いてたのでファンサの一環だった可能性もなきにしもあらずですかね!? そのあとイルカショーくらいおっかぶってましたが……。

 トドメ刺すときに「執刀する」って言うのもいいし、そして何するんかな……と思ったら、踵落としですよ。豪奢なドレス姿だったヒメノ様が豪快におみ脚を上げるのドキドキしてしまう……そして、そういえば蟷螂の鎌って脚だった、ということを思い出させてもらいました。

 ラクレスとカグラギの密談(ここのカグラギの顔最高ですよね)を挟んでのエピローグ、汚れたドレスからまさかの生着替えに入るヒメノにまたドキドキしましたが、ドレスの仕立直しをカーレに依頼することで立ち直るきっかけにしていくのが粋ですよね。
 頼んだのはたった一着のドレスの仕立直しでも「ヒメノ様のドレスを仕立て直した職人」という箔がつくので、きっと仕事が増えると思います。
 ヒメノに憧れるエッダはこれからどんどん綺麗になると思うので、最高の広告塔になりそうだし、未来は明るいです。

 しかしめでたしめでたしで終わらないことが定評になりつつあるキングオージャー、最後は3大守護神の1体ゴッドカブトの襲来で新たな危機を予感させての引きとなりました。
 次回はトウフ国編、途中ちらっと姿を見せていたリタも気になるところですが果たして……というところで感想は締めます。

あれ……ぜんぜんコンパクトになってない……??


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