目的なき意思決定

戦略はその上位概念である会社のビジョンや理念との関連性や一貫性があることが肝要である。
上位組織の計画・手段は下部組織の目的になり、さらに各部署、各個人が達成すべき目的へ細分化される。その際に、本来の目的を脇に置いてはいけない。

意思決定ではない、あるいは判断ではないそれらしい理由により物事が進んでいくことが往々にしてある。

分業の極みである大企業においてよくあることかもしれない。
ある目的達成をサポートするための打ち手を構築する。例えば、こんな仕組みやデータがあればいいよねと。そうすると、その仕組みやデータ作りはある担当者に振られる。最初はそう、その目的と共に。ただし、実際にその業務を始めると、その担当者の目的は、その業務を終わらせること、その担当者が"優秀な"場合はいかに早く正確に良いデザインで終わらせること、に変わってしまう。

たまたま何も起きなければそれでも問題ないことも多いから厄介である。しかし、その担当者に何か"注文"が入った場合には問題が起こることがある。例えば、ある一部の企業に取って不利な内容になるので仕様を分けてくれないかと。どうなるかと言うと、その担当者の答えは、「いえ、それは難しいですね」というものになる。何故ならばその担当者の目的は、与えられた業務を終わらせることだからである。その目的を遅らせることは悪なのだ。

その問題を解決しないリスクや、本来の目的を達成するためにどのような影響があるかを考慮した上で、どう対応すべきか判断しなければならないのに。
マネジメント層は各人、各部に細分化された目的が、本来の目的と一貫性を持ち続けるようにしなければならない。

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