腕に白い毛が生えたら

うん?なんだこれ?
気づいたのは1か月前、風呂に入ろうとした時だ。
腕に白い毛が一本生えていた。
他の毛よりだいぶ長い…なにこれ、変なの。
気になるから風呂に入る前にググってみる。

ほぉほぉ、白い毛は宝毛また福毛、という。
おおおおおお!
な、なんとこれは吉兆の合図ではないか!!
んんんふふふおおおおおおおお!!!
この単調な毎日に刺激が!シゲキ感激!
何か良いことが起きるぞーーーー!!!


その日から毎日福毛を愛でる日々。
おお福毛や、今日もかわいいのぉ。
あれ、ない、うそ、終わった、、、
あ。なんだもう、あるじゃん、ふくげぇ。
福毛1本いとおしい。毎日気にしてる。

と、一か月たったが何も起きていない。
日々毎日寝食でき健康に生きていることが幸せなのよ、感謝しなさい。
…いや待て待て、そういう話じゃないぞ。
これは私個人に何かとても良いことが起きるんだ。
そうさせておくれ、人は何かに期待して生きていくものなのだ。
誰かがそう言っているのが聞こえる。

ああ!そうか!
さっき喫茶店で閃いた。
良いことを具体的に想像したら舞い込んでくるのではないか?
How fantastic idea!! 
なんとfantasticなアイデアなのだろうか。
早速、やってみよう。
この手の類いのは、詳細に具体化すると叶うっていうよな。


――(以下妄想)――

会社の後輩と帰りの電車が同じになり、話しかけられる。
「仕事できるし、面白いですよね」と言われ、「えぇ?いや普通だよ」とか、もじもじ謙遜していると、「今度飲みに行きましょう」と誘われる。
ラインの交換までして、その日のうちに日程調整の連絡がくる。


女性がハンカチを落としたことに気づき、ハンカチを拾ってみるも、すでに人混みにまぎれてしまい、渡しそびれる。
次の日、同じ時間の電車に乗ると、ハンカチを落とした女性が偶然隣に立っていて、「昨日このハンカチ落としましたよね?」って声をかけると、「え、あ!ありがとうございます!実はお気に入りで…」と超感謝される。
なんか結構会話が弾み、ラインを交換することになり、なんと今度飲みに行くことになる。そして恋が始まる。

ふらっと入った居酒屋の料理が超おいしくて、日本酒もすごくたくさんあって、うめぇうめぇって思いながらカウンターで飲み食いしていると、常連さん風の人が隣に座ってきて話しかけられる。
店の大将もまじえて、3人で話すことになり、意気投合して、また来いよ、また飲もうなと言われて、ご馳走になっちゃう。
お酒で酔った気分もあいまって、ああ良い1日だったー、楽しかったー、って思いながら帰宅する。

偶然、高校時代の友人を見かけ、「え、あ、やっぱりそうだよね!?」「今何してるの!?」みたいな話になって、「せっかく地元にいるなら今度ちょっと飲みに行こうよー」って展開になる。
そしたらその友人がたくさん人を集めてくれて、「高校卒業以来だなー、全然変わんないねー」とか言って、昔話に花を咲かせて、思い出に浸りまくる。

―――

飲んでばっかりじゃねーか笑
でも妄想するとわかったよ。
良いことを想像するとポジティブになれる。
人との出会いや繋がりが私にとっての大吉。

今日も福毛は健在。
日々健康に楽しく生きるのだ。

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