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出会ってしまった #書もつ

面白いタイトルだなぁ…と、まえがきを読んでみたら、なるほどあのコンビ名をもじった日本語だったのかと納得する。

先日、初めて訪れた文フリで、右も左も分からなかったのでキョロキョロしていたところ、整ったディスプレイとその後ろに控えめに立つ書き手の雰囲気が気になって、たいして中を確認せずに2冊買ってしまった。

書き手は、福本カズヤさん。ふらっと立ち寄った客が、ほとんど何も言葉を発しないまま、2冊買うとしたら、ギョッとするだろう。

福本さん(らしき方)は、やはり「えっ⁉︎」という顔をされていた。何冊もあったけれど、2冊、楽しそうで面白そうなのを選んだ。

「ごきげんな魂」「駄文多分」

書き手のお名前は全く存じていないはずだけれど、読み始めたらハッとした。どこかで読んだことがあるような、とても親しみやすいご近所さんのような温度だった。存分に練られているはずなのに、軽い筆致のエッセイに心を掴まれる。

「ごきげんな魂」は、書き手のご機嫌をとる術が書いてあるものだけれど、共感と意外性と、そしてくだらなさが、混じり合っている。人間らしいというか、素直に書かれた言葉が、温かいお茶のように読み手の目から身体中に広がっていく感じがする。

表紙の絵に、味わいがある。僕自身は、本を作ることに興味はあるけれど、文字だけではダメだというところに、さてどうしよっかね、なんて思う時がある。

中身が文章だけだと分かっているから、特に期待をしていなかったけれど、表紙の統一感やのんびり感に、勝手ながら僕と似た気質を感じ取ってしまった。そして、どの作品も同じ大きさに揃えているのが、どうにも好きだ。典型的な血液型A型の好みである。

「駄文多分」に書かれていた1,000文字エッセイというジャンル、いいと思う。むしろ僕も書いていたかもしれない。というのも、毎日更新を始めた時、大体1,000字くらいと決めていたからだ。

結婚は、どんな人にとっても大きな節目になる。そして、エッセイの題材としては、個人の考え、相手の考え、そして折り合いなど、言葉で表現したくなるさまざまな事象が一気に起きる。幸せそうな書き手の顔(失礼ながら、あまり思い出せないけれど)が浮かぶ。

その時にしか書けないものを残しておくという意味では、エッセイには優しさを込めていたい。読んだ人が自分のことを考えたり、大切な人のことを思ったりすることができるエッセイを書いていたいと思う。福本さんの本が、励ましてくれた。


サムネイル、表紙のデザインに合わせてinfocusさんに作っていただきました。ありがとうございました!


#文フリで買った本 #福本カズヤ


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