メギド72のこれからを杞憂する

メギド72の新要素、心深圏。

上級プレイヤー向けのエンドコンテンツとして20年5月に実装され、ついこの間、8月に大きくアップデートされた。

これがかなりの不評で、SNSや公式掲示板が荒れている。実装から時間が経ってさすがに落ち着いてきてはいるが、それでもまだ時折不満を目にする。

心深圏から見えるメギドの方向性

ネットの意見を見るに、心深圏が不評たる原因はたった1つだけである。

「面倒くさい」

ただひたすらに面倒なのである。クリア不可能になるバトルルールがあるとか、不必要な行動を要求されるだとか、特定のメギドを編成しなければならないだとか細かく言うと色々あるが、総合してとにかく面倒くさい、この一言に尽きる。

1日に1バトルならここまで厳しい意見がネットに溢れかえることはなかっただろう。だが悲しいかな、報酬を獲得させるため「周回コンテンツ」要素を持たせてしまった。

この周回を苦にしないプレイヤーは、以下のような感じだろうか。
・当然最新章まで攻略済み
・多くのメギドをレベルカンストまで育成済みである
・オーブや霊宝も強力なものをほとんど揃えている
・攻略wikiを隅々までチェックしている

……いったい上位何パーセントだろう? 10%もいかないんじゃないだろうか。その上位数パーセントも面倒だと感じているかもしれない。実際、YouTubeに動画を上げているような超上級者の方でも不満を書いているのを目にした。

とにかく、この半年で整備された新コンテンツは、その上位数パーセント(その中から更に周回をしてくれる人たち)に向けた心深圏だけであった。

新コンテンツのデザインは難しい

開発または運営側の目線になるが、基本無料のスマホゲームは定期的に新要素を実装していく必要がある上、それが魅力的な(プレイを単純に促すような、または課金を促すような)コンテンツになるよう上から求められがちである。

心深圏は「やることがなくなった上級プレイヤー」を繋ぎとめるデザインであることは明言するまでもない。そうでなければ周回要素を持たせることはしなかっただろう。刺激的なバトルを体験させるのが目的なら、例えば月1で特殊ルールの大幻獣を1体出すようなデザインでもよかった。

上級プレイヤーを繋ぎ止めることは大事だ。長くプレイしてもらうことは長くゲームが続くことに直結する。もちろんプレイ人口を増やすのも大事だが、メギドはオリエンス騒動などもあって、今は新規を増やすよりも、運営を信頼して長くプレイしてくれる人を作っていくほうが大事という方針に見える。まずはお金を落としてもらう環境を作らないことには、ゲームが面白い面白くない以前にどうしようもない。

だが、心深圏はその上級プレイヤーたちですらウンザリする周回要素が織り込まれ、プレイヤーの選別がより進行した、そういう印象を僕は持った。

注目していきたいこと

初心者救済のために「ノーマル以下の難易度実装」、「序盤難関ポイント4章ボスの難易度緩和」、「初期メギドの強化」などいろいろ考えられるが、そもそもまずプレイ人口そのものを増やさなければならない。そちらは過去イベントが恒常化されたり、序盤のスタミナ消費低減を定期的にやったり、それなりに力は入れている様子はあるが、昨今のスマホゲームなら当然のようにやっている施策の域を出ない。

現状のメギドにおいては初心者救済よりも、上級プレイヤーになる可能性がある中級層(いわゆるエンジョイ勢)を支援するような新コンテンツが望ましいだろう。メギド自体がオリジナルIPである以上、理由は何であれプレイを続けている人たちを大事にすべきだ、という単純な理由からだ。だが、メギドの「ギリギリのバトル」を体験させることを目的にするならば、下手に支援することでその魅力が失われてしまう。難しい。

日本ゲーム大賞優秀賞を取ったメギドのバトルが面白くないわけがない。キャラクター、ストーリー、音楽のいずれも魅力的だが、なんといってもバトルだろう。その答えが心深圏の周回というのは、いささか寂しい。

心深圏の改善にも期待したいが、それも含んで、
・これからも上級プレイヤー向けのコンテンツを入れていくのか
・中級層を支援する仕組みを入れていくのか
・はたまた初心者救済を入れていくのか
それぞれ注目していきたい。

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