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【重度知的障害①】私が教えてもらったこと(前編)

私が千葉県で障がい者グループホームの運営をはじめて、丸4年が経過しました。今では弊社の運営するホームは10棟となっているのですが、そのうち、

重度の知的障害のあるご利用者向けのホーム

が概ね半数となっています。

◾️重度の障害がある人向けのホームはまだまだ少ない

重度の知的障害があるご利用者向けのホームは、そもそも地域に非常に少ないのが現状です。

障がい者グループホーム自体は、弊社がホームを構える船橋市でもすでに200ホームを超え、ここ数年で3倍程度に増えているほど、急増しています。

しかし、その多くは、自立度が高く・ある程度ご自身で生活ができる、軽度の障がい者向けのグループホームです。
軽度の障がい者ホームは急増し、飽和状態となり、撤退する事業者まで出てきているというのに、地域に求められている重度の知的障がい者向けのホームは地域に極めて少ないという、なんともアンバランスな状態が生まれています。

◾️直面する高齢化「8050」問題

しかしながら、のんびり自分に合うホームを探している時間のない当事者も、数多くいらっしゃいます。

ご自身で自分の気に入るホームを探したり、誰かに相談したりすることの難しい重度の知的障がい者にとって、ご本人・ご家族の高齢化は、とても深刻な問題となっています。親亡き後の生活をどうするのか?ということに、大きな不安を抱えているご家族も少なくありません。

中でも、「強度行動障害」と認定されている人は、支援の難易度も高く、受け入れ可能なホームは、地域でもさらに限られてくるのが、グループホーム運営者として感じる率直な現状です。

■モナミの運営するホーム

そんなアンバランスな地域資源の状態をなんとかしたく、モナミの運営するホームは、

・半数が重度の知的障害があるご利用者向けのグループホームで、

・その中のおおよそ半分のご利用者が、「強度行動障害」と認定されているご利用者

(・残りの半数は、発達障害等のご利用者が中心のホームで、他社ホームで問題を起こして退去になってしまったり、行き場のなくなってしまったご利用者に住んでいただいています)

という感じになっています。

地域では、行き場がなく困っている人の居場所を作ることが、まさに急務であることがひしひしと感じられ、少しずつでも、その資源を作っていきたいという思いがあります。

このことについて、

なぜ、モナミさんでは、支援が困難と他社で言われているご利用者を積極的に受け入れているのですか?

と、インタビュー等で質問されることが、最近徐々に増えてきたように思います。

◾️「なぜあなたがやるのか?」

「地域に必要な資源だから

勿論、そうなのですが、「なぜそれをあなたがやるのか?」と突っ込んで聞かれると、言語化できずに言葉に詰まることがありました。

「なぜだろうか?」と自問している折に、とある団体の機関誌から原稿の依頼をいただくことが重なり、有り難くも自分の言葉にする機会に恵まれました。

■設立当初の誤った考え方

私が4年前にグループホームの運営を開始し当初は、正直に、恥を忍んで言うと、
目の前にいる重度の知的障害のあるご利用者は、

「(一人では生活が)できない人」
「こちらが教えてあげるべき人」


という発想を持っていたように思います。

今思い返せば、どこかに「かわいそう」という気持ちを持って接していたのかもしれません。
「下に見ている」とも言える考え方です。

「できないことをできるようにさせてあげるため」
「社会に適応させてあげるため」


という「上から目線」の大前提を、さも当たり前に、良かれと思って設定し、それを元に日々の生活や目標設定をしようという意識があったのではないか、、と思います。

しかし、日々、支援員として、毎日利用者の皆さんに接していると、その考え方は全く間違ったものであることを強く実感させられます。

しかも、間違いどころではなく、
ご利用者の皆さんの寛大な人間性やブレない生き方に尊敬の念を抱くとともに、
日々成長の機会を貰っているのは私の方だと、今では感じています。

そのエピソードや実際に感じたことを、中編・後編でお伝えしたいと思います。

(つづく)

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