伝える難しさ

聴覚障害のある方に伝えるのが
いかに工夫がいるか。

2019年に体験した
聴覚障害者成人学校での講演は、
1時間しゃべって
1時間の質疑応答で。

しゃべりはじめてみると
視線は通訳の方に釘付けで、
手振り身振りや声の強弱は
全く通用しないことが
早々に判明。

こちらはみんなの表情と
通訳の方を交互に見ながら
伝えたいことをゆっくり話し、
反応があればそこを少し詳しめに
話すように努めました。

スライドは、
どちらかというと
通訳の方への補助資料として
役立つものだったかもしれず、
それでももっと
手話にしやすい話は?
と考えさせられました。

当たり前のように
排尿日誌をつけてみてください
とおすすめするも、
全盲の方から
『できない』との反応があり、
1回分の尿をとって置いといて
次の日に誰かに見てもらう、
見てもらえないなら
1回分の排尿を
ペットボトルに入れて
持っていく等の
アイディアをお互いで
出し合いながら考えましたが
突然初診でおしっこ入りの
ペットボトルを持って行っても
理解してもらえるかは
ちょっと心配だったり。

質問の内容は
夜間頻尿と
何をどれだけ飲めばいいのか
という内容が多く、
そこからの流れなのか

『健康飲尿法は
   本当に身体にいいのか?』

という質問が出てタジタジ。

うっかり『いいかも』
なんて言ってしまわないように、
医学的根拠は示されていないと
何度も言ってみたものの、
帰ってきてから
本当に医学的根拠はないのか
心配になってググってしまいました。

そして終わってみれば
声をはる必要がないのに
喉が枯れていて、
お互い言いたいことを
半分ずつくらい
伝え合ったかなかったか
といった感触でしたが
とてもいい勉強になりました。

質問するときに
みんなに見えるように
前に出てきて手話で話す様子は
なんか素敵だし、
みんながちゃんと
質問者を見るので
一体感が半端なく、
手話ができたら
こっちも見てもらえるのにと
とても残念でしたが、
さらに残念だったのは
通訳のヘルパーさんのお一人で
下ネタ手話の名手と名高い
『夜のクミちゃん』の
話を聞きこむ時間が
なかったことです。

クミちゃんカムバーーック!

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