「10月から香港だよ」

と、夫は言った。海外駐在の可能性はあると結婚前に聞いていた。覚悟はしていたつもりだった。駐在が決まったら、夫についていく、と。だが、私は文字通り、鳩が豆鉄砲で打たれたような顔をしていただろう。驚き、そしてじわじわ心に広がる不安。

最初の不安は、
治安、気候、情勢、衣食住

次の不安は、
自身のキャリア、仕事の引き継ぎ、家族と友人に会えなくなる、不妊治療

今、改めて言語化すると、精々8つだけの不安だったようだが、絶え間なくこれらの不安が胸の内で暴れていたせいで、際限なく広がる不安で自分がみえなくなりそうだった。

ただ一方、心の片隅で、どこかワクワクしている自分もいる。新しい土地、文化、人を、旅行では知り得ない深さで理解できる貴重なチャンスだ。

このnoteは、出国から香港生活を綴る冒険記である。

emiry

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