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製薬業界における客観性の落とし穴
『客観性の落とし穴』という本を読んだので、感じたことを製薬業界に展開して書いてみます。
現代社会ではあらゆるものがデータ化され、数値で根拠を示すことが重視されています。
医薬品の有効性や安全性を評価したり、治療の意思決定を行う際にはデータに基づく客観性が欠かせません。
しかし、客観性を重視する世界では、個人の経験に基づく主観的な評価の価値を見過ごしてしまっているのでは?と考えることがあります。
痛みの強さが数値化され、その痛みが40から20になったとき、患者さんにとっての生活はどう変わるのでしょうか。
なぜ1日でも早く頭痛が治ってほしいのか?
なぜ目の腫れが引いてほしいのか?
皮膚のかゆみはどれくらいつらいのか?
薬の先にいる患者さんのことを想像して、数値の変化を患者さんの表情と共に考えることができる製薬企業の社員はまだ少ないのかもしれません。
最近では、製薬企業も患者さんの医療参画をともに協働したり、一人ひとりの体験に耳を傾けて薬の研究開発に活かす動きなどが増えてきています。
そのような取り組みにはいくつかの目的がありますが、患者さんの主観的な評価に触れることは一社員にとって非常に貴重な経験です。
客観性が求められる環境の中で、データの背後にある患者さん一人ひとりの体験に耳を傾けることが、これからの製薬企業に求められるのかもしれません。
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