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#東京オリパラより命を守れ!⑥「新型コロナに打ち勝った?平和の祭典??」

 「東京オリパラによる医療崩壊をくい止めるには」と題したzoomウェビナー(7月3日開催/主宰:泉町書房)で、最後にお話してくださったのは、
「日本の医療崩壊をくい止める」の共著者であり、医療制度研究会副理事で医師の本田宏さん。タイトルは、「新型コロナに打ち勝った?平和の祭典??」だ。
 
 本田さんは、これまでの登壇者の話を受け、こう切り出した。
「PCR検査も進まず、ワクチンも不足し、東アジアでコロナによる感染者、死亡者が最も多い日本がオリンピックをしようなんて言っている。しかも、いままでPCR検査を抑制してきたのに、オリンピック選手には毎日するなんておかしいですよね」
 さらに、6月27日に放映されたNHKスペシャル「検証パンデミック激動の世界(12)検証〝医療先進国〟(後編)」の番組を引用しつつ、こう指摘。
「この番組では、『日本はベッド数あたりの医師数が少ないことが問題で、医師の絶対数が不足していることはスルーしています。あのように報じられると、多くの人は、医師不足というよりベッド数が多いことが問題なのか、と誤解してしまいます。
 でも実は、日本は100床あたりの医師数も看護師数も、他国と比べて非常に少ない。そのうえ、日本はベッド数が多いと言われるが、この数字には精神科のベッドまでカウントされているです。」
 コロナの重症患者を入院させるICUに関しては、「10万人あたりのICU病床数は7.3人と、アメリカの5分の1程度。だからコロナ患者が増えると入院させるベッドがなくて困るのです」と、根本的な問題を解説してくれた。

 そのうえで、こうした問題を変えるには「政治に関心を持って投票行動で示さないといけない」と、ひとり一人が政治に責任を持つことの大切さを訴えた。

本田宏さんのお話は、下記から動画でご覧いただけます。(約20分)ぜひぜひご覧下さい!

そしてラストでは、すべての登壇者から「東京オリパラによる医療崩壊をくい止める」ためのメッセージをいただいた。

「現場の保健師も口を揃えて言うのが『いまのコロナ対策は、公衆衛生の問題ではなく〝政治〟問題だ』と。本来、公衆衛生が果たすべき使命が、政治のせいで果たせなくなっている。オリンピックやGOTOキャンペーンではなく、まず現場の声を聞いて誰もが安心して暮らせる環境作りをすべき」
(大阪府関係職員労働組合/小松康則さん)

「医療従事者・介護従事者の〝やりがい搾取〟や〝使命感搾取〟で成り立つ時期は、もうとっくに終わっている。もうエネルギーが枯渇しています。
人材を潰さないために、必要な人が必要な医療を受けられるために、とにかくオリンピックは中止と日本中で声をあげてほしい」
(北海道医労連執行委員長/看護師)

「みなさんに一つ知っておいていただきたいことがあります。それは、今回のオリンピックで使用される国立競技場の建設途中に、23歳の若い労働者が過労死しているということです。命を落としてまでして造られた国立競技場。かりにオリンピックが行われたとしても、国民は浮かれて喜ぶだけではいけない。政権は、オリンピックの高揚で支持率を上げて、秋の国政選挙に打って出たいと考えているようですが、五輪の感動に踊らされてはいけない」
(中原のり子さん/東京都過労死を考える家族の会・元代表)

「新型コロナウィルスは、日本をよい方向に変えるラスト・ビックチャンスかもしれない。かつて大きな感染症が猛威をふるったときは、世界は法律を変えてきた。私たち日本人は、とにかく『言うことを聞くように』教育され、自助を当然だと思い込まされているが、ここで私たちが気づいて変わらないといけない。そうしなければ、子どもや孫の世代も困ってしまう」
(本田宏/医療制度研究会副理事・医師)

 続々とオリンピック選手が来日しているが、私たちは命を守るために、あきらめずにNO!の声を上げ続けなければならい。

登壇者全員からの最後の提言は下記よりご覧いただけます。(約6分)是非是非ご覧ください。


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