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受け継がれし明治のドレス展(前期) 4/13(土) @明治神宮ミュージアム

明治神宮へ行ってみたい夫と、明治のドレス展に行きたい私の、2人の意見が一致。
午前中行って参りました。


土曜日混むかな~と思っていましたが、全く混雑していませんでした。
(明治神宮は、かなり混んでいました!!!!)

隈研吾氏の設計で有名な、美しい建物。
洗練され過ぎて落ち着かないのかと思いきや、確かにとてつもなくオシャレではあるものの、入ると静かな自然に溶け込む空間が待っていました。

明治神宮の緑が気持ちいい空間!  

息子の保護者会の日で(午後行った)、かなりつまらない服装なので、ぼかしてます

展示会は2F。
展示は写真撮影不可でした📸🙅

常設展

六頭曳儀装車

ドン!と展示されています。
上に鳳凰を頂いた、豪華な馬車。
細工がすごい。
じっくり、とっくり眺められます。
中のクッションは、当時はもっと輝いていたことでしょう。

明治天皇の御制服

御尊影でお召しの服です。
刺繍の厚みがすごいです。

昭憲皇太后の御小桂

写真はどうしたって白黒なので、実物を見るとテンションが上がります。
ドレス展だと思っていたので、十二単も見れるなんて贅沢でした。

御手

昭憲皇太后のさらさらと流れるような、美しい御手…
うっとり。

しかし、照明はかなり暗めです。
よく言えば浮かび上がる展示物が幻想的、悪く言えば取ったメモが自分の字なのに判別困難で見づらい。  

特別展

パッと見て驚いたのは、昭憲皇太后がとても華奢だという点です。

私のメモには
「ドレス小さすぎ!ウエスト細すぎ!」
と書かれています…

幕末~明治の女性の平均身長が140㎝台前半というのは知識としては知っていましたが、ドレスを見る限り140㎝あるかも分からない印象でした。
確か、私が持っている📚「女官 明治宮中出仕の記」でも、女官として仕えた著者が「お小さい」と書かれていたような・・・?

もしかしたら昭憲皇太后は当時の女性の平均値より低かったのかもしれないが、たとえそうでも群を抜いてというレベルではなかったでしょう。
しかし、頭では分かっていても、実際にドレスを目にすると、その作りの小ささにびっくりします。

着物も洋服も、当時は既製品なんてなく、注文した人を採寸し、その人にぴったりに仕立てたもの。
が、着物は、御引きずりやおはしょりといった調整のきく部分がありますし、何より平面的です。
例えば衣桁にさりげなく掛けられていたり展示で広げられていても、どこか誰ヶ袖図のような、想像して楽しむ部分-気持ちの遊び部分があるように思えます。

比べて洋服の立体的さは、その人の姿かたちを妙に生々しく浮かび上がらせるものなのだなぁなどと思ったりしました。

ドレスについていえば、贅沢で気が遠くなりそうな程の手の込みように息をつくのも忘れるほどに見入ってしまいました。

全てがエレガントで、途方もない高級感。

昨日、会社で雑誌「GINZA」の特集「銀幕の140作から読み解く映画とファッション」を読んで、過程の情熱や意気込みが似ているなぁと思いました。
映画では、登場人物がどのような人物かを、衣装の力で形作り、アピールしていく…
それは、多くの人(もちろん、着用する女優本人も‼)のチームプレーの結果なのです。

皇室の方はもちろん銀幕の女優ではありませんが、どういった風のイメージで見せたいか、どういう印象をつけたいか、というチームの意志は当然同じなのであり、当時は日本国の威信もかかっている。

今見ても、というか、ファッションがカジュアル化し過ぎてしまっている今だからこそ、間近で見ると一瞬でグッと心を鷲掴みにされる感覚があるのも当然なのかもしれません。  

ベージュのローブモンタント

出典:明治神宮ミュージアムの、当展示ちらしより

私が一番好き💓と思ったドレス。
レースの影や、薄くて柔らかいシフォンやチュールレースの繊細な重なり具合、ふわっとした感じなどが目の前に… 印刷物と眼の前のドレス、本当に一緒?!というくらい印象が違いました。
実物の方が淡く柔らかい雰囲気。
地紋も美しく、桜の模様も本当にきれい。
レース部分も確実にシルクなのは確実であり、それは時を経てベージュになっていることからもよく分かりました。
当時はホワイトか、オフホワイトくらいだったのではないかなと思います。 

ピンクのローブモンタント

出典:明治神宮ミュージアムの、当展示ちらしより

実物、濃いめピンクではあるのですが、「なんと可愛い💕」という印象が一番大きいです。
たっぷりあしらわれているポンポンの、絹の美しい艶…
きっと動くたびに、サヤサヤと揺れて、エレガントさを増したことだろうなと思いました。

御中礼服

パフスリーブで、肩に可愛いリボン。
お袖は割れていて、中からこんもりとチュールレースがのぞいています。
すごく可愛い!!

御大礼服(M20頃)

何といっても、5年という歳月を経て終了した昭憲皇太后大礼服研究修復復元プロジェクトのドレスは、ものすごかったです。

トレインがすんごく長い。
眺めながらぐるっと周りをまわると、金属刺繍がキラッ、キラッと光って、とても美しいのです。
このきらめきが一定ではなく、実際お召しの時は動かれるたびに輝き、さぞや見る者は目を奪われたことだろう…と思いました。

一番最初の印象は、そのキラッと光る美しさなのですが、次の段階は刺繍です。
よくぞここまで、と言いたくなる感じで、まさに着ることのできる芸術でした。

修復復元プロジェクトの動画

隣のお部屋で流れており、どのように勧められていったのかという一部を垣間見ることが出来ます。
途方もなく、気が遠くなる過程…

でも、どんなに無理だろうと思われるようなことでも、時間がかかっても、情熱と真摯な取り組みがあればゴールはあるのですね。
私は職人でも何でもないのですが、勇気をもらったような気がしました。

後期も見に行きたいです。

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