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カタチのないもの #50音で紡ぐ私のエッセイ

しゃぼん玉が、空にふわふわと浮かび、風に揺られ、カタチを変える。
ゆらゆらと揺られながら、ただ風の流れにのって、心許ない旅を続ける。

人はときどき、言葉やカタチがとても欲しくなる。自分の価値を、言葉やカタチで示されていないと、不安になってしまう。

友達、親友。
彼氏、彼女、恋人。
夫、妻。
父、母。

ひとりでは生きられない人は、いろいろな人に支えられて生きているけれど、ときどきとても不安を感じてしまう。

愛されているか?
必要とされているのか?

私を必要だと思ってくれる人がいるのか?
ただ、便利な人間だと思われているだけなんじゃないか?

人間関係に、カタチはない。
そして、しゃぼん玉のように簡単に揺られてしまうし、弾けてしまうこともある。

頼りにされると嬉しいし、好意や感謝を伝えてもらえるのはとても嬉しい。
そんな言葉や態度なんてなくても、人にはちゃんと価値がある。だけど、ほんの些細なことで自信を失うし、泣きたくなるほど不安になることもある。

明確にカタチが存在しないものは、目に見えないから心で感じるしかない。

コロナ禍になって、会社の人や家族以外の人間に会うことが極端に減り、よけいにこのカタチのない関係に不安を感じてしまうことがある。
会えなくても大丈夫。だけど、やっぱり会いたくて、話したくて、淋しくて、寄り添いたくて、カタチがないからこそ、不安に押しつぶされそうになってしまう。

カタチのないものこそ、信じる心の強さが必要なんだと思う。
心は、しゃぼん玉のように簡単に揺られたりしない。信念と信じる気持ちを大切にする。


次回テーマは、「キスしたくなったら」です。

2021.6.13

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いつか自分の書いたものを、本にするのが夢です。その夢を叶えるために、サポートを循環したり、大切な人に会いに行く交通費にさせていただきます。