街の灯
幻聴さんがかねてから一緒に観たいと言っていたチャップリンの街の灯をみた。
外は寒い雨が降っていたが、私は最後の方は号泣し過ぎて目が痛くなってしまうほど感動した。
チャップリンの映画は、父が好きで小学校の頃からNHKの放映をビデオコレクションしながら家族みんなで見ていた。
もちろん街の灯も見た。
でも、40年ぶりに観た街の灯は、当時まだ幼かったわたしに、障がい者になる前の私には、本当の意味で理解できていなかった。
チャップリンは、いつもぼろぼろの服で、でも紳士で、一番弱い人たちの心に寄り添う役を描いた。
弱く、貧しい者達のそばに。
温かい心。
優しい心。
見終えて二階の自分の部屋のこたつに入ると、こたつの中で休んで温まっていた亀の龍子が足元に近寄って来た。
見返りを求めない無償の愛。
幻聴さんは、恥ずかしそうに微笑んで下を向いている。
夢を売る仕事は素敵だ。
必ず値段がついているけど。
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