見出し画像

エリアデザインラボ #10

スクリーンショット 2021-02-21 10.06.35

エリアデザインラボの10回目は、一般社団法人ブルーバード代表理事の佐藤哲也さんにお越しいただき、お話を伺いました。

スクリーンショット 2021-03-08 23.31.04

〈プロフィール〉
佐藤哲也
Helvetica Design 株式会社 代表取締役 
1974年12月3日生まれ(46歳)
福島県須賀川市出身
法政大学経済学部経済学科卒
一般社団法人ブルーバード代表理事(2018年6月)

1 Helvetica Designの仕事


 デザインの方向性として、『方言のようなデザイン』を目指しています。現代社会においては、生活の中にデザインが溢れていますが、私たちは地方のデザイン事務所なので、緩やかでその土地の香りがするようなデザインができたらと思っています。

スクリーンショット 2021-03-08 23.22.24

デザインしないデザインもあります。飯坂温泉のラジウム玉子は、昔ながらのパッケージですが、フォントなどのデザインがそれぞれのお店でバラバラでした。そこで、バラバラなデザインを1つにまとめ、編集することで地域の解像度や市民性を高めていくことをこのプロジェクトの”デザイン”としました。

スクリーンショット 2021-03-08 23.38.22


次に、岩手県岩手町にある菊池牧場のグラスフェッドビーフのパッケージデザインのことをお話しします。この方の課題は、「グラスフェッドビーフ」という商品の価値は理解しているが、この言葉で売ることに抵抗があること、多くの注文が入っても年間に出荷できる頭数が少数であることなどでした。
 そのため、生産者の想いや思想を伝えるネーミングやパッケージデザインを考えることが必要でした。

スクリーンショット 2021-03-08 23.41.30

スクリーンショット 2021-03-08 23.41.36


 これらのデザイン事例のように、街の景色と同じように、ほどよく人の気配があって、日常と同じように、デザインが人々の生活の一部になること。デザイナーのためのデザインではなく、地酒のような土の香りがする地デザインを作ることを目指しています。


2 Blue Bird apartment.の取り組み

スクリーンショット 2021-03-08 23.49.10

築46年の元美容室だったビルをリノベーションして作られました。
1F 喫茶室 
2F Helvetica Design株式会社事務所
3F クリエイターオフィス(ウェブ、real local学生編集部、建築士)
4F イベントスペース

スクリーンショット 2021-03-08 23.59.29

スクリーンショット 2021-03-08 23.59.41

スクリーンショット 2021-03-08 23.59.50

スクリーンショット 2021-03-08 23.59.59

 ブルーバードのテーマは、「半径200mのまちづくり」です。まずは、ブルーバード中心んび半径200mの中で新しいビジネスを起こし拠点を作る。そして、新しい拠点からまた半径200mの中で拠点を作っていくというまちの編集術を実践しています。

スクリーンショット 2021-03-09 0.02.46

3 佐藤さんに聞いてみたいこと

Q.依頼主と関係性を編む過程でどのようにコミュニケーションを取っているのか

A.ひたすら相手の話を聞いている。パソコンを開かない。メモを取る。
相手の安心感につなげることが大切。行動1つ取っても関係性を編むというディテールが大事になってくる。頷くことで相手の気心を知る事ができる。話の中でデザインではないこともあるため、いろんな知識が必要になる


Q.佐藤さんが持っている場づくりのイメージとは?

A地方が東京と同じしくみでやっていくのはできない。
楽しむことではなく、自分たちが地方自治をしっかり守っていくことが地域を守っていくことにつながると思っている。一人ではできないからみんなでやらなければいけない。これが場づくりの本質的なところだと思う。自分たちで新しい仕組みを作り考えていく、壊れたものを直しながらみんなでできないことをやっていく。場づくりとは、これから自分たちが地方自治を自分たちのものに取り返すための作業

Q.美術系の大学出身ではないことを佐藤さん自身がコンプレックスに感じていたけど、それが今は強みになっていることについて教えてください。

A.経済学部出身で卒業後はアパレルで働いていた。ものを売ることから始まったことで、ものの作り手の気持ちや買い手の気持ちを経験した。それを知らずにデザインの領域からだけでものを作るのとでは入口が違う。物が溢れている中で広告よりもどのような経済やルーツが必要か疑問が生まれてくる。はめ込まれた経済から脱却し違った視点で着地点を見つける必要性が出てくる。これからデザインを使って地域づくりができる人は美術大学出た人ではなく、一緒に連携しながらやっていくことが大切な時代になっていくと思う。

Q.コロナの影響で物理的に人が動きにくい状況下でデザインから何か解決できる方法があるか

A .集まらない仕組みづくりが大事。会わなくてもエモさをどう作るかを考えていくことが必要。デザインではないかもしれないがコミュニティの関係性づくりで拡張性があると思っている。関わり方で解消できる。機能性をどう持たせるかが重要だと思う。

ライター:上神田健太
書き起こし:渡辺貴大

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?