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エリアデザインラボ#2

「ロゴ制作のプロセスから学ぶデザインの思考」

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1.yumi takano Designを立ち上げるまで。

 エリアデザインラボの第2回は、フリーランスデザイナーの高野侑美さんからお話を伺いました。高野さんがデザイナーを志すきっかけとなったのは、季節ごとに自宅に届くアパレルショップの広告に魅了され、すごくわくわくしたという体験からでした。
 高野さんは、デザインの専門学校に通っていたわけではなく、仕事としてデザイン事務所に勤めて経験を積み、現在はフリーランスとして活動しています。ここに至る前には、歯医者さんに勤めたり、市役所の臨時職員などもしていたそうです。社会人として仕事をするうちに、かつて抱いていたデザイナーの仕事への意欲がふつふつと湧き上がってきて、一念発起し、仙台のデザイン事務所に就職しました。その後、福島のデザイン事務所、企画広告会社でさらに経験を積み、お子さんが生まれるタイミングで勤めていた事務所を退社したそうです。

 お子さんが3歳になる頃、また、デザイナーとして復帰したいという気持ちが湧いてきて、子育てしながら仕事も続けられる道を考えた時に、フリーランスとしての働き方が合うのではと考え、yumi takano Designを立ち上げることになりました。

2.制作事例紹介

○ecru  オーダーメードウェディング

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○暮らしの良品 いげた

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○Co-working&Co-learning Spaceアカリ、トリミングサロン メロンのお店

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3.デザインって見た目を良くすること?

 高野さんの考える”デザイン”とは、グラフィックを作って見た目を整えることだけではないようです。それよりも重要なことは、クライアントとの対話の中から、本質的な課題を見つけ、解決に導くプロセスにあるとのことでした。
 デザイナーに仕事を依頼するクライアントは、何かしら目的(お客さんを呼びたい、思いを伝えたい、売り上げをあげたいなど)を持って依頼してくることがほとんどだそうです。そして、クライアントの多くが答えを持たずに依頼するようです。そのため、クライアントが求める目的の本質を探るところからデザイナーとしての仕事が始まります。クライアントと一緒に知恵を出し合って答え探していくという過程を経て、徐々に最終的なグラフィックが見えてくるのだそうです。

4.エリアデザインの定義を考えるWS(グループワーク)

 高野さんの講義の後は、各グループに分かれて、エリアデザインの定義を考えるワークショップを開催しました。各グループから出た意見は、以下の通りです。

unit A
・その土地にあったコンテンツを探すこと
・地域の色あせた部分の色をアップデートすること
・空間デザインに似ていて、良好なコミュニケーションが取れる環境づくり
・地域だからあるものをより高い質のものにしていくこと
・地域の魅力を探っていくこと

unit B
・まちを作り上げる”人”の動きに重点を置いて考える
・エリアデザインラボのチームづくりのように同心円型のコミュニティが必要
・「挑戦・交流・参加しやすさ・住みやすさ」の四つの視点を持った人の輪を広げていくこと
・持続可能な社会の実現
・地域の人々でどんどんいいものを作り上げていくこと

unit C
・エリアとは何か、デザインとは何か分解して考えた
・最終的にはコミュニティで共通した幸せを実現すること
・自分がやりたいと思うことを実現していくこと

unit D
・違う考えを持っているのに自然に共有できる関係性
・場所ではなく、人にコミットすること
・失敗やチャレンジをともに笑い合ってくれる場所
・未知の道への一歩目を楽しむこと

5.エリアデザインの定義

 各ユニットの意見を総合してまとめると、エリアデザインの定義としては
「地域に息づく暮らしや文化を再編集し、小さな共感の輪を広げていくことで、地域経済の循環を生むまちづくり手法」ということができます。
 これをさらに細分化して見てみると、以下の4点がエリアデザインを構成する要素となりそうです。
①市民が自分たちの手でつくり上げていること
②整理された情報が美しく発信されていること
③投資的かつ持続的なビジネスモデルになっていること
④小さな地域経済の循環を生んでいること。
 本ラボでは、今回示された定義に基づき、自分たちが暮らすまちを、自分たちの手でより豊かな場所にしていきたいと思います。

ライター:上神田健太 書き起こし:武田佳音

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