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オデッセイ号は沈まない

ニューイヤーズがミッドサマーに変わることも知らない1月のあの日、私は初日観劇では無かったからかあの船のような会場で出航できないということの実感がなく、いつかを夢見たまま7月の観劇になった。


夢見心地の冒険旅行の備忘録です。
主に私の遠征ドタバタ話と贔屓だけの話。




ホテルはどこ?

上司に出航しようか迷っていると相談したところ、行きなさいと迷いなく言われたこともあってすぐに梅田に行くことを決心した。

一度ドラマシティの時に同じ会場に行っているから道に迷っても何とかなるのはわかっている。
どうせならと梅芸が見える!とTwitterで見た初めて泊まるホテルを取った。
(ホテルに着くまでにこのあと道に迷う。徒歩2〜3分。)

遠征一週間前に聞かれた。
「ホテルはどこ取ったの?」
即答できなかった。覚えていない。
自分でもびっくり。こんなことある?名前すらわからない。ホテル名に梅田がついていた気がする。でも色んなホテルも梅田ってついていたわ。


会場もわからないのか

新幹線は何となく乗れるようになった。スマートEX様様である。なかったらまだ乗る時に戸惑っている。遠征初心者のよう。

さて新大阪。ここからどうやっていくのか。
前回は夜行バスで梅芸近くまで行ったからなあ。
とりあえず新幹線が名古屋を通過したあたりから行き方を調べ始めた。
ふーん。御堂筋線ね。おけ。どこにあるのかわからないけど。

とりあえず流れに逆らわずに改札階に出る。詰んだ。JRしか見えん。

調べてもどこに行けば良いのかわからない。
とりあえず車のオブジェ?のところでスマホを見ているとそれっぽい人たちがいるではないか。
それっぽい人たちについていけば何とかなるのは毎回の教訓。助かる、おぉ心の友よ。


友を頼りにホームに辿り着き、今度はスマホの情報を頼りに会場に近いところで降りようとすると中津で降りろと出る。

中津!?梅田じゃなくて!?

恐る恐る友の姿が見えないのに降りてみる。
一気に襲う不安感。しかも降りる人がほぼいない。
なぜだ友よ。あんなに一緒だったのに。夕暮れはもう違う色なのか。※1

でも神は見捨てなかった。改札前にそれっぽい人!


…神様に助けられたのに出口を出たところで見失った。見捨てられたの間違いかも。

しょうがない。スマホの案内も見ているけど理解はできてないので勘で歩く。
そういうところがまた道に迷うんだよ、と神様が見かねてまたそれっぽい人を使わしてくれた。
ありがとう組カラー。ありがとうファンの美意識と公演グッズ。



つ、ついた!

意気揚々と建物に入り意気揚々とここは前に来た!とエスカレーターを降りた。ドラマシティである。
あれ?ドラマシティ?

ここまできても会場がわからないのか。と神様が言った気がした。





ここからやっと公演の感想です

両端の柱は古代ギリシャの柱を思わせるセット。
コリント式?の柱。作品モチーフの波と太陽が飾られていた。


※遠征中3回観劇しましたが、初日は疲れすぎて頭が回っていなかったため総合的な感想になります。
感想は場面順に書いてないです。



贔屓の褐色長髪ワイルド海賊が嫌いな人なんておらん


「本日はようこそお越しくださいました〜」のアナウンスの彩風さんのお声が冒険を楽しんでいる人の声。ワクワクを共有させてくれる。
その声は力強い爽やかな風をもたらすようで、1月の公演のこと、そして今、中止にせざるを得なかった公演たちのことを思い泣いてしまった。


そんな私の涙も吹き飛ばすように幕が開き、中央のティティスが歌い始める。

美穂圭子さんのティティスは絵画などで見られる光背(後光:放射光)を頭につけて、声は穏やかな海の中のよう。それはもう神の降臨を思わせる説得力だった。
朝美絢さんがブルームを表現する時に「汗ばんだ胸元、シトロンの香り」と歌うのだが私の頭の中はもう大混乱。「アポロン様、胸元嗅いだことがあるので!?」
朝月希和さんは全編を通して言えるのだけれど、今回は音程が自身に合っているのか、歌声の聴きやすさが増していた。もうすぐ退団だからか、こちらの思い入れと本人の成熟度が違う。




感慨深く聴き入っていると暗闇に浮かぶ海賊船。船首には一人の男の姿。
ひ、贔屓!?と覚悟を決めるが遅い。褐色長髪ワイルド海賊ニヒルな笑みを携えて振り向く彩風さん。
思わず贔屓過剰摂取危険数値を検知してオペラを下げた。
船首楼(荒波をブロックしたり、他の船の攻撃を防いだり攻撃したりする船の先っぽ)に足をかけ、こちらを見る船長の凛々しさ。



上から梯子が出てきて安全装置をつけるのだが、その仕草さえも不敵。敵が来ていたらやられそうな速度なのに。
梯子もただ上下するのかな、と思っていると何と左右上下に動く。そんなアクションきいてないよぉ〜。あと冷静に見ると船の外に放り出されておりますがよろしいんですか船長。


二幕の終盤でも梯子が出てくるのだけれど、予想外すぎて二度見した。ピーターパンじゃん。



曲は復活を宣言するような歌詞。苦難を乗り越えてみせるというような歌詞に今の世情が重なってしまった。
それでも不敵な笑みで一人舞台で歌う彩風さんは髪を靡かせて希望に満ち溢れていた。


船長が満足したのか船をおり、船員たちに迎えられてメインテーマを歌う。
ここでさききわが二人で踊る中の美穂さんの歌詞の「夢は叶う 必ず」でまた泣く私。思い込めすぎている。



ここだったと思うのだけれど、ブルーム船長は舞台上で船員に囲まれてマントを脱ぎ、服装を整える。
髪の毛を整えている姿が薄暗がりで見えるのだがその姿が背中越しなのにかっこいい。スマートに長髪をササっとしているのが好きだ〜!
フラッグを振るメインテーマのとき、下手でウインクをして肩にかかった髪を後ろに払う仕草が高確率で見れたのだけれど、あまりのスマートさの連続に惚れないわけがない。必見ですよ皆さん!


どっせいオデッセイ!の場面でも泣いてしまった…。泣く様なスローテンポではない。むしろノリノリ。
一人が後方保護者面していても彩風さんは舞台から客席への階段に足をかけ、不敵に笑うと前方の人たちをウインクで釣り始める。
反応を見て笑いかけるのをやめてほしい。釣られてないのに自ら釣られに行ってしまう。

それとでっかいフラッグは絶対出て欲しいと思ってたのでもう最高。



私の願望は野口先生にバレている

彩風さんでノバボサをやってほしいと散々言っている。
その願望はもちろん野口先生にはバレていないはずだった。
もちろん、1stブックが出た時期には彩風さんの思いを知ってファンみんなが思っていただろうし、ダンスを評価されているからいつかは…と。

結果バレていた。隠していたのに。
縣千さん演じるNYには愉快なドアボーイ。もうその役だけでファンはノバボサを思い出すでしょう。
力自慢で怖いもの知らずのドアマンはドレスコードを守らないブルームを力こぶで威圧し、剣にも怯えずかかってこいと挑発をする。挙句にはシッシッと毅然と追い返す。芸が細かくて見ているこちらも違いを見つけるのが楽しい。



もう一つの彷彿シーンは南極海のシーンの裸足でのダンス。もはや私の頭の中は見たかった光景に夢を見ているのかと頬をエアで抓った。




話は変わり、NYのシーンではブルーム船長の様相はタキシードに変わる。髪型は変えずに海の男の赤いマントを脱ぎ捨て、スピークイージーの娘たちを虜にしていた。いや、私たちも虜なんですけど。

英語歌詞で彩風さんが歌い踊る中に低音からの高音への移動があった。あまりにも綺麗に響き渡るので「さすが、自分はクリスティーヌだと信じてファントムの銀橋渡りを乗り切った人は違うな」と頷いた。





あと私はいわゆるヤンデレが好きなので、カルメンのシーンのホセは見たかったものを見たという達成感で溢れていた。
彩風さんが長髪から地毛の金髪にピンクが混じる短髪に変わったことにときめいている場合ではないので、彩風さんの早変わりスピードに振り落とされないで。


ホセが薔薇を抱きしめカルメンに想いを馳せる表情は恋を見つけて夢みがち。
エスカミーリヨがカルメンにキスをするところを見ると表情が豹変。
ホセの表情はカルメンに対して憎しみに染まり顔を歪めて眉間には皺、さっきまでの愛に夢みる青年はどこへ。

あまりの変わりように圧倒されていると、ホセはカルメンを刺して銃弾に倒れた。
愛した人を死に追いやり、自らも死の間際に何を思うのかと見ているとそこには笑顔に溢れたホセ。達成感なのか、愛する人と共に死に行くことへの幸福感か。
もう〜またヤンデレ好きの好む顔をして〜。



ODYSSEYはBGMを聴け

一幕で一、二を争うほど好きな金の奴隷と囚われた王妃のシーンはstranger  in paradiseという曲が有栖姫華さんの影ソロで流れている。

有栖さんの歌は揺蕩う波のように二人の踊りに寄り添う。
セリフはなく、二人の表情と踊りの表現のみで今この時間が二人の幸せと思わせてくれた。



高音が美しく響き、優しく空間を包み込む歌声に合わせて踊る彩風さんと華世京さん。
男役が女装を何度もする本公演は少し食傷気味なのだが、華世京さんはみんなが良く知る彩風さんに憧れている同志なのでこちらの気持ちも「がんばれ!」と応援態勢になってきた。


二人が下手に座り、肩に頭をあずける振りが多幸感に溢れていて幸せだったのに、その後の彩風さんと華世さんのもつれあいシーンでは「絶対このプランクしんどい」とか意味わかんないことを考えてしまったし、憧れの彩風さんとのもつれあいの感想を華世さんに聞きたいなと邪念が過ぎってしまったのは許してほしい。



それとぜひ歌詞も検索してほしい。楽園の見知らぬ人。書くことはできないが奴隷から王妃への愛とみれる歌詞に胸が熱くなる。




そしてこのBGM、アニメオタクはもう絶対好き。断言できる。
曲調はコードギアス※2のR2最終回に流れた曲や澤野弘之※3の音楽のよう。
とりあえず思い出される曲はこれ。



有栖さんの高音が綺麗な英語歌詞。そしてここから始まる別れの悲劇。OK理解した。
(実際はミュージカルの挿入歌。オペラを元としている)
サラ・ブライトマンの歌が近いと思うので公演を思い出したい時におすすめ。Apple Musicにあるよ。




そこで「あーいい音楽を聴いたな」なんて終わることが出来ないなのがオデッセイ。
王妃を失い、船と共に海に沈んだ奴隷。姿を変えて南極海に姿を現す。



偏光のマントを翻しセレネが波と共にブルームを受け入れ、蘇りを願う。
白のゆとりのある衣装で出てきたブルームは裸足で海の中を蹴り、自在に駆け回る。
彩風さんはクルクルと回転しながら舞台に登場した。あまりにも綺麗に回転するので足の皮の心配をしてしまった。裸足には同じ色の布を巻いて保護されていた。安心。



そんな心配をよそにブルームは足の先から指先まで神経を行き渡らせ波を切り裂くように鋭く、泡と踊るように緩やかに緩急をつけて観客を魅了する。



待った。ここはもう一幕終盤。観客すら息切れしそうな登場回数の彩風さんがセットもない中舞台狭しと踊る体力はどこにあったの。



その後ろでは ティティスが低い音程で海の中のような曲調を歌う。
この歌が素晴らしい。もう素晴らしすぎて歌詞を覚えていない。
金の奴隷のシーンでは高音を主体とした曲調だが、南極海では海中の想定だからか低音の長音を丁寧に美穂さんが拾って歌う。
そこには荘厳さと冷たさの中に全てを飲み込まんとする力があった。


今気づいた。この場面名、オーロラである。


始まりは黄色のスーツを着て、街から海が見えた

SVの海の見える街が団体賞をとり、誰もが今回の野口先生演出で意識したであろうさききわの始まり。
ここが出発だったけれども今回は一幕の終着点として地中海に立ち寄った。



彩風さんはスパンコールを全身に纏い、重さを感じない軽やかさで、海の見える街のオマージュの振り付けが感じられるダンスを踊る。
手も足も妥協せずに大きく回転をかけたり伸ばす。


一幕の終幕に向けてフォーメーションも難しくなるから私たちも追うのがやっと。
大人数から少人数に人数が変化していく中、中央で踊る彩風さんはまだまだ力強い。



最後は全員が始まりの黄色の衣装に身を包み踊る。
月の女神と太陽の神と共にジャズの音楽に身を任せて。




ここからやっと二幕



俺たちの冒険はこれからだ

幕開きにポカホンタスを象徴するカラーオブザウインドを美穂さんが歌う。
二幕の終了間際のデュエダンも同曲なのだが、そちらは朝美さんが英語で。

あまりの取り扱いの嬉しさにマスクの中で笑みが止まらない。
個人的にポカホンタスは好きで、この曲も歌える。
ディズニーの中ではあまり取り上げられることのないヒロイン。
ネイティブアメリカンの主人公だからかメディアも取り扱いには積極的ではない。
単純に飢えていた。ポカホンタスに。



でも、休憩が明けた開演挨拶でブルーム船長が俺たちの冒険はこれからだと言っていたけど、一幕でも相当濃かったよ?誠に申し訳ないがまた旅のバリエーションあります?と疑ってかかった。




異次元のスタイルを見ると人って夢を見ているかと思うんですね

全然旅がありました。すみませんでした。

ボラーレ!ビールのCMを見るともう心が踊るようになってしまう。
白の衣装を身に纏い階段上から姿を見せた彩風さんにそんなことを思っているともうお前は敵の術中。

階段が取り払われ、貝殻のセットが中央に移動すると見える異次元のスタイル。彩風さんのダルマ姿が贔屓オペラスナイパーの私のスコープの中に見えた。これは赤井さんでもビルの上からスコープ越しに覗いちゃうね。※4




白を基調とした生地に左腕は赤のストーン、胴体は白のストーン、右手は緑で彩られた。のを確認できたのは2回目の観劇ぐらい。初回であのスタイルを脳で処理するのは無理。

出てきた時にあまりの理想のスタイル、二次元でもCLAMP※5しか描かないよと思う手足の長さが影で見えた時あまりの夢見心地に脳がバグったかと思った。


チャオ、チャーオと妖艶に足腰をしならせて舞台を上手や下手に歩いていくのはあのタイツに覆われた脚を見ろ…ってコト!?※6


見た回のうち2回は朝美さんが彩風さんを見てちょっとにやけてた。私たちと同じ反応で嬉しいよ私は。




その後のリオの場面で朝月さんのダルマも見れるが、そのダルマとは毛色が違う。

…いやー朝月さんのダルマはめちゃくちゃ可愛い。黄色と黒のアーガイル柄のダルマは朝月さんの笑顔をより明るく見せてくれる。シースルーの腰布をはためかせて元気溌溂と踊る希和ちゃん…可愛い…。



リオの場面でも彩風さんのスタイルは異次元。クンバンチェロを歌う前に暗闇から照らされてシルエットだけ見える登場の仕方だが、足の間にリオのキリスト像が入る。人間てそんなことあるんですね。



ここは映画館であり作品名は人生劇場


恥ずかしながらフランスの名優ジェラール・フィリップを知らなかった。
結構な長尺を使っているここは「あー、野口先生がこの俳優さん好きで入れたかったんだな」と感じる場面だと思ったな〜。



4つの作品とジェラールの人生を重ね合わせるように展開していくのだが、
全ての作品に彩風さんが早変わりで出てくる。
特に印象的なのはファウスト役の彩風さんとメフィストフェレス役の朝美さんのシーン。

老いたファウストを叶さんが演じるのだがその前に雪祭男子で数多のオペラの視線を泥棒した方とは思えない変わり様だった。雪祭男子の黒髪ツーブロ、シケにローテールはダメだって叶さん〜惚れちゃうよ〜。


理想、または若い姿を彩風さんが担うのでメフィストフェレスに魂を奪われるキスシーンがある。これが見せ方がうまい。
朝美さんが彩風さんの手を取り、膝まづかせる仕草がナチュラルで印象的。
また、キスの朝美さんの角度がうまく、上手下手どちらで見ても抜けがない。
自然に見えることって、この非現実的な場面ではよりあるかもしれない現実感を出す為に重要だと思う。


赤と黒のシーンでは朝月さんが赤のドレス姿で踊り、振りの中で背中を反らせる。あまりの反りにふくらはぎに頭がついているのでは!?とびっくりするぐらい。ガラケーだったら壊れてる。




デュエダンは空間芸術

マーメイドの美女Sに頭が混乱していると次の場面のウィーンにも白軍服を着て、白から紫のグラデーションドレスを着てさききわが花に囲まれた中で踊る。早変わりが過ぎるって。
フラワーガールのような娘役に囲まれて彩風さんが歌い、朝月さんを迎える様は「結婚式・ロイヤル」
彩風さん越しに朝月さんが花のアーチの先に見えた時、花の妖精が出てきたかと思ったし二人の空気感が清純で可憐で「結婚じゃん…」と頭で呟いた。オタクはすぐ結婚させたがるので。



デュエダンは宝塚に舞台を移しても行われる。
朝美さんの歌声に合わせてデュエダンを踊ってほしいと願っていたら叶ってしまった。野口先生、やはりお見通しなのか〜。
その歌声は綺麗な英語で力強い。それなのに決して二人の空気感を壊さないから心地いい。

彩風さんが黒燕尾に、朝月さんが白いドレスに着替えて踊るとき、もう私たちは二人の意識の外にある。
表情は柔らかく互いだけを見つめ、愛おしい存在に触れるような腕の出し方。

さききわのデュエダンが特に好き。
二人が離れて踊るときの空間の持たせ方が好き。

呼吸を合わせて飛ぶジャンプは離れていても形が揃っていて気持ちがいい。
だから二人を同時に見たいからオペラを下げてしまう。
芸術の美には余白が重要だと思っているけれど、さききわのデュエダンは二人の間に漂う余白が美しい。




此奴、パレードでも泣いておるわい

少し場面は飛んで、パレードの場面に。
下級生もそれぞれポーズを決めてこちらの気持ちもアガる。
アップテンポの曲調に合わせて体も動き出しそう。

そんな中、空気を変えるのはやはり美穂さんのティティス。
音楽は海の航海を想像させる神秘的な音楽に代わり、階段を降りただけではベールマントは翻らないだろうに階段を降り切ったらマントがふわりと広がった。

朝月さんのマントも同様に広がり、ああ娘役の綺麗な仕草とはこういうところに出てくるのであろうなとふと実感した。


そして彩風さんがブルーム船長で階段を降りてくる。
達成感の溢れるキリリとした笑顔で、プロローグのソロを歌う彩風さん。ブルーム船長の復活。
もう万感の思いである。


思えばワンスの時にコロナが始まった。
そこから全ての組が中止や休演を経験し、1月にはオデッセイ号は蘇ることなく海に沈んだままだった。
やっとここまで来れたんだと、彩風さんが本作の最後の階段を降りてくるまでの長い旅路を考えて自然と泣いていた。


ここにオデッセイ号は甦った。





ここからまた旅の話です


俺の食べた物の話を聞け。2つだけでいい

初日に朝4時起きで遠征したこともあり、夜には脳は動いておらず外の暑さにやられて満身創痍。空腹が極限で塩分を欲していた。
ご飯、ご飯が食べたいと食事を求め彷徨うゾンビと化していた私は行きたいところがあった。Twitterで見た洋食屋さん…。グリルロンさんです。

席についてすぐにお冷を半分飲んでしまった。絶対的に水分が足りないんです。
でも美味しいお冷を出すお店は料理が美味しいと自論を持っているので期待値が高い。とか思ってたらすぐにお冷のおかわりがくる。
え、いいんですか?半分ありますけど、と東京ではあまりないサービス精神に胸を打たれた。ちょろい。


Cセット ¥1,100(税込)
実は少し前に価格を上げたのにこの値段。このボリュームで提供。何で?


頼んだのは海老フライ、カニクリームコロッケ、ハンバーグのCセット。わんぱく小学生男子が好きそうなラインナップ。疲れたアラサー女も心躍った。



洋食にお味噌汁がついてるのもうれしー、と一口飲むと塩分が染み渡る〜絶対に熱中症発症してただろってぐらいの染み渡り方。
そしてハンバーグが美味しすぎて思わず二度見した。ハンバーグを二度見って何。
今流行りの飲める系ではないが肉汁がお箸を入れると中から出てきて柔らかいのに弾力のある挽肉がデミグラスソースとよく絡む。



さて、口の中をサッパリお冷でリセットして…あ、お冷のおかわり、ありがとうございます!


次はカニクリームコロッケ。よく見る俵型ではなく楕円型。
サクサクの衣にトロトロのホワイトソースが優しい。ハンバーグのデミグラスソースが半分浸っていてそこがまた肉汁を吸い美味しい。


海老フライは衣は薄くサクサク!
タルタルソースはすでに先端にかかっていてそのタルタルも優しい。
アレンジとして酸っぱいタルタルなどもあるのに、海老の味を邪魔しない。
ふわふわの身に下処理が丁寧にされていることを感じ、この海老フライは決して派手ではないけれども確実に海老フライ欲を満たしてくれる。(少し前に美味しくない海老フライを食べて滅入っていた)



そのループをしているとお冷が半分になる。お冷モンスターかよ。
すかさず声をかけてくれるお姉さん。もう関東についてきて欲しい。俺にはお前が必要だ。
お冷は最初右側に置いていたが、お姉さんに自由についで欲しくて(大好き)左側に移動した。多分計7回ぐらいおかわりしてる。

その後もお姉さんのサービスやフレンドリーさに胸を打たれ続けた。
大阪に惚れそう。



2日目の帰りも本気で空腹で倒れそうになっていた。
なぜご飯を食べて移動しようと思わないのか。
もう考えるのもだるくなってきたので、「大将、いつもの!」と新幹線の改札を抜けて向かったのはYOKOOさん。牛カツというハイソなものに憧れがあるもので。
空腹による弊害で頭は痛いし力は出ない。気持ちも悪い。小学生の家族旅行で学んでいる。この症状は空腹。
だけれど食欲は落ちているからあまり食べられないのが悔しい。
いつもは豪勢に行くが、今日はスモールで妥協してやろう。


スモール ¥990(税込)
映えとは?という写真。
ちなみに左上の部分がめちゃくちゃ美味しかった。


私は牛カツ一本集中派。
4等分にされた牛カツサンドの柔らかさ。私は食パンを選んだけれどマフィンも選べます。おしゃれだな。
肉は厚くて柔らかい。赤みがかった肉は酸味のあるソースの味をそのまま伝えて牛肉特有の味も楽しめるし、薄づきの衣はほんのり焼かれたパンとソースの仲を取り持ってくれる。
この牛カツ、一生食べていたい…。


大阪で迷わず行ける美味しいお店の情報お待ちしてます。



オタク元ネタ一覧
※1 See-Sawの歌。「あんなに一緒だったのに。夕暮れはもう違う色」という歌い出しの通り別れの歌。どんな作品のイメソンにもなるアニソンである。

※2 架空世界の日本が舞台の復讐と深い愛の物語。とりあえずR2まで見て。

※3 作曲家。多くの番組にも使われているガンダムUCの曲を聴いて。 

※4 名探偵コナンの18作目の劇場版「異次元の狙撃手(スナイパー)」。ベルツリータワー(スカイツリーのようなもの)にいる人をFBI凄腕スナイパー赤井秀一がめちゃくちゃ遠いビルから狙撃する名シーンがある。本当は蘭姉ちゃんのシーンの方が凄すぎて呆然とした。

※5 4人組の女性漫画家集団。手足が長く、スレンダーなキャラが多い。たくさんのオタクを狂わせる天才集団ともいう。

※6 ちいかわ。混沌。


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