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口を開いた瞬間、頭の良さが滲み出るような人になりたい

「うわ、めちゃくちゃ頭いい人なんだ、森さん……」思わず、元総理である森さんがワイドショーに出演していて話を始めた途端、頭にパッと浮かんだこの言葉を、思わず口走ってしまった。


少し前、日曜日の10時にやっている情報番組「ワイドナショー」に政治家の森喜朗さんが出演していた。森さんは、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長だ。

失礼ながら、わたしは森さんが総理だった時代を全く覚えていない。なんせ、森さんが総理を務めていた平成12年〜13年は、まだ8,9歳で、毎日公園で走り回っていたからだ。

だから、「ああ、ワイドナショーに政治家が来たのか」としか思っていなかった。森さんの口が開かれるまでは。

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驚いた。これまで政治家は、ボンボンで人脈がある人か、勉強だけができる人だけがなれる職業だと思った。国会答弁を見ても話をすり替えたり、逆ギレしたり、昔小学校で先生に「いくら反対意見を持っていてもヤジは飛ばしてはいけませんよ」と教わったのに平気でヤジを飛ばしたり。あまりいい印象がなさすぎて、毎回選挙は困った。

森さんは、2019年最大の盛り上がりを見せたラグビーワールドカップの日本招致も、一役買っていたのでラグビーの話と、これから行われる東京オリンピックの話をした。

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話せば話すほど滲み出てくる「頭の良さ」。学歴がどうかとか、これまで何をしてきたとか、そういうのもきっとあると思うけれど、それだけじゃない。

ちゃんと相手が何が欲しいのか、何を思って聞いているのか、ちゃんと相手の言葉に耳を傾けて馬鹿にしないで真面目にまっすぐ答えを返す。

シンプルそうに見えて、実際にやってみるととても大変なのだ。自分の頭の中の引き出しを全部開けて、どんな情報をどんな順番で話すかを一瞬のうちにまとめて、さらに、人によって言葉のチョイスを変えて柔らかく、でもちゃんと伝えたいことを伝える。


これを容易くやってのける人をもう一人知っている。池上彰さんだ。

もちろん、世の中にはもっとたくさんの頭の良い人がいる。だけど、池上さんと森さんに共通しているのは、人を馬鹿にせず上から目線でないこと。

頭の良い人たちはどうしても上から目線になってしまう。だけど、池上さんも、森さんも、一回「そうですよね」ってうんうんと目をしっかり合わせて相手の質問を聞く。その後に続く言葉が「でも本当は違うんですよ」だったとしても、うんうん、とうなずく。これができない人はテレビを見ていても、有名な教授でも、結構いる。

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聞く力と話す力。両方が良いバランスで整ったときに、「この人頭いいな」と感じるのだと思う。

お恥ずかしながら、わたしはきっと、話す力が弱すぎる。とにかく、何でもかんでも伝えたくなってしまって、バーっと話してしまって聞いている人に「じゃ、あとは今言ったことを自分なりに解釈してまとめておいてね」と、去っていくタイプだ。

口を開いた瞬間「頭いいな」と思われる人になりたい。テレビを見ていて「こんな風になりたい」と思うことは滅多にないけれど、そうなれるように努力したい。