ゆとり世代のマネジメント論

世の中には部下をマネジメント(自分の想い通りに動いてもらう)する為の様々なテクニックが溢れている。私も管理職になり、何時間残業しようが給料が変わらなくなって早5年、アラサーであるがこれまで小規模では20名、大規模では100名以上の部下を管理するマネジャー、所属長として日々苦戦しながら部署を経営してきた経験がある。その経験から感じたのは、これは世代交代のせいなのかもしれないが、世の中でこれまでよく正解とされてきたマネジメントやコミュニケーションの「正解」は意外と現実では当てはまらない、むしろ逆ではないか?ということである。今回は私個人的な経験から感じたゆとり世代、ミレニアム世代のマネジメント論を思うままに、無意識無双に記していきたい。

まず、前提として、私がこれまで昭和世代の上司やTVや人気のビジネス書から刷り込まれてきた「正解」とされがちだが、実際違うんやない?と思うことをあげていきたい。   

・目標(KPI)を明確にして日々進捗を確認する

・うまく行った時は褒める、ダメな時は厳しく叱咤する。アメトムチ。

・コミュニケーションは多ければ多いほど良い。雑談等をたくさんして打ち解ける。

・部下のプライベートの課題にも積極的に介入して解決を目指す。

・どんどん新しいアイディアを出して、変化を促していく。

どうでしょう?このような事ができるリーダー、良いとされてませんか?私もそう思っていました。しかし、実際に私はこのようなコミュニケーションモンスターで、仕事熱心で熱意もあるリーダーが部下から見放されどんどん労務環境が悪くなり失敗してきた例を何度も見てきた。最悪の場合はパワハラやセクハラと訴えられて左遷されたり、同じリーダーとしての立場から見れば、こんなに頑張っているのになんで部下がついてこないんだろうって?かわいそうに感じてしまうのだが、部下からすれば、正直そういう上司って面倒でしかないんです。何を隠そう私自身もゆとり世代なので、そのような上司は正直苦手です。

これを言ったら終わりですが、そもそも、マネジメントという言葉自体私は嫌いなんですよ。あなた(リーダー)が指示している人と同じ待遇だったら、果たしてそんなに頑張れるんですか?って思うんです。正直大企業だったら、自分が100万売ろうが1億売ろうが、ボーナス数十万ぐらいしか変わりませんからね。割にあっていない。それだったら、心を痛めない程度に自己育成のために頑張って余力を副業やキャリアアップに向けて残しておいた方が良いですよ。

特に私のいる会社は主に派遣やアルバイトを使う事が多いので特にその傾向は強くなる。時給1000円で今月500万売ってくださいね、ノルマ未達成は次回契約更新で時給が下がるかもしれません。(ノルマ達成したら時給数十円上がるかもしれません)。逆の立場だったら頑張れます?それをお客様の為とか本気で熱弁されてもうるさくないですか?

上にあげた項目を否定していきます。

・目標(KPI)を明確にして日々進捗を確認する

→そもそも誰がやっても、頑張らなくても利益が出る方法を模索するべき。数値目標を評価基準にしてしまえば、集計方法の穴や不正をして数字の見栄えをよくしようとか無駄な方向へ注力する奴が絶対に出てくる。評価は数値ではなく、指示した通りできているか行動レベルで判断するべき。言われた通り100%やってれば結果出るんだから。また、そのような数字を日々管理していく人時が無駄。

・うまく行った時は褒める、ダメな時は厳しく叱咤する。アメトムチ。

→いらない。ルール通り、教育通りできない人間は排除するべき。感情に訴えかけてモチベーションを維持しても成果にムラが発生したり、管理者が変わるたびに問題が起きる。部下のモチベーションはメリハリをつけた待遇の改善で維持するべき。そういったところを重視する依存体質の人間はそもそも採用段階で排除しておくべき。

・コミュニケーションは多ければ多いほど良い。雑談等をたくさんして打ち解ける。

→いらない。コミュニケーションを目的にした瞬間、全ての会話はつまらない物になる。それよりもとにかく部下の挙動を把握しておく事。真剣に考え続ける事。常に部下の事を部署の事を考えていれば勝手に部下を助ける言葉が心から発せれらる。お客様へ商品を紹介する販売、営業の場や多くの人を前にして行うプレゼンの場等は意識して話さなければならないが、それ以外の普段の仕事で何から何まで考えて話していたらいつまでたっても打ち解けられないし、部下からも信頼されない。

・部下のプライベートの課題にも積極的に介入して解決を目指す。

→相談があれば受ければいいが、こちらからは介入しない。思わぬ労務問題に繋がる可能性も。

・どんどん新しいアイディアを出して、変化を促していく。

→その新しい取り組みに部下が心から着いていきたいと思う「WHY?」があるか。そこを考えない管理職が多すぎる。なければ、全ての仕事は無意味。出世の為、目立ちたい為にお客様の為にも従業員の為にもならない仕事を自分で作ってしまう上司は最悪、である。

私が思うに、上記のような状況が経験則である。確かに、厳しく指導して、日々進捗を管理していけば、一見数値が改善されるように感じる。しかし、それは結局上司に怒られない為に働く、という負のやりがいを引き出してしまう。そんな状況では上司の求める数字に拘るあまり、「事実」見失う可能性や不正や見て見ぬ振りをする部下が出てくるのは目に見えている。

また、コミュニケーションにおいても、話のうまさとか明るさとか、そんなことはどうでもいいんです。話せばその人が自分のことどれだけ考えているかなんて即わかりますからね、いくら口が上手くても。褒めるのでも、怒るのでもなく、ただありのままのその人に日々向き合い、いつも通りに教育や指示をする事が重要である。

なので、結論、私が思うリーダーのあるべき姿は、

①とにかく、部下、職場の事を誰よりも考えること。部下を信じて日々一挙一動を把握しながらも必要以上に干渉はしないこと。

②管理することを疎かにする代わりに、極力無駄な仕事を部下にさせないように誰よりもしっかり自部署の分析に時間を掛けて対策の方向性を明確にする。

③自身と部下の待遇の差を常に意識して、謙虚でいること。

④評価は適正に行うこと。どんな批判も反論できるロジックを用意しておく。

私は幼少期から自分のことを主張するのは大の苦手でしたが、逆に感情を抑えることは得意でした。感情を抑える能力って一見ビジネスでは何の役にも立たないと思っていましたが、管理職になってからは忍耐力が一番大事だと感じています。部下が思い通りに動かない時にいかに感情的にならずに冷静に対応できるかどうかが、リーダーとして成功できるかどうかの全て、といっても過言ではない。

結論としては、巷に溢れるリーダーシップにおけるテクニックなんて何一ついらないから、まずは部下の事をとにかく考えてみろ、好きになってみろと。それ以外ないです。どうせ金かけて学ぶんだったらそんなふわふわしたことじゃなくて、データ解析とか、プログラミングとか、そういう専門的なことの勉強に時間を使った方が良いと思う今日この頃です。




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