旅する猫 ②
手のひらサイズのボク
2021.9月
しばらくは大きなダンボールがボクの部屋だ
トイレはね
すぐに覚えたんだ
すごいでしょ。
そのうちに
トイレつきの大きなへやにしてくれたよ
ボクは遊びたいときはミーミー鳴いて呼んだ
母ちゃんはずっとつきっきりで居てくれた
それでも
やっぱり一番はチビ姉ちゃんみたいだった
ボクもチビ姉ちゃんが一番だって思うよ。
だってチビ姉ちゃんは
せんじゅうねこだからさ
とにかく
ボクにとって幸せなおうちだ
すぐに大きなお部屋になったよ
ボクはいつでも外でたいし遊びたい
あのちびすけ
毎朝毎晩は冷えるからって
ボクの部屋には湯たんぽがある
母ちゃんがいつもポカポカのものに変えてくれるんだ
常に暖かい部屋
ボクの温度が上がる様にって
先生に教えてもらったらしい。
母ちゃんはおうちの庭でお店屋さんをしている
お店に来るお客さんがボクを抱っこしてくれる
いわゆるチヤホヤだ
ボクは可愛いからしかたない
ボクが小さなツメを立てても
愛想良くしなくても
「可愛いー」って撫でてくれる。
おうちではチビ姉ちゃんが一番だけど
お店ではボクがチヤホヤされる
チヤホヤされるけど
あれ？よく見たら
チビ姉ちゃんもチヤホヤされてるぞ。
きっと
お客さんはしらないんだ。
チビ姉ちゃんはさ
可愛い顔で可愛い鳴き声だけどさ
ボクは知っている
ボクにはフーッ！シャーッ！って言うんだ。
それで
ボクが近寄るとペンってはたく
スパルタだ
それでも
チビ姉ちゃんが好きだ
ふわふわで良い匂いがするから
チビ姉ちゃんに会いたくなった
今のボクは旅の途中だ
ふわぁー。眠いや
木陰でお昼寝するよ
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