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旅する猫

ある日の新入り坊や
2022.5

ボクはツネ
白靴下と白シャツを着た猫

推定10ヶ月

10ヶ月っていっても
もう赤ちゃんではないぞ

ミルクだって
とっくに卒業している。

たまにトカゲだって食べる
でもさ
なぜか母ちゃんはトカゲをとりあげるんだよな

そんときは決まって
「ツネーありがとうねー」って言ってる

ボクは唸って逃げるけどね
だってボクが捕まえたんだもん。


そうそう
なんでボクの年齢が推定かというと

ボクはこの家の末っ子くんに拾われたからだ

一人暮らしをしている末っ子くん
職場の駐車場でボクを見つけて保護してくれた。
ボクは体力も無くママのミルクも飲めない状況だったらしい
末っ子くんありがとう

育ててくれたのは母ちゃんだけどな

あと
ボクに厳しい先住猫のチビ姉ちゃんがいるぞ。
すごく厳しいんだけど
良い匂いするしふわふわするし 
大好きな姉ちゃん

厳しいんだけどさ
ボクが水の入った風呂に落ちた時
真っ先に駆けつけてくれたんだよね
やっぱりボクの事好きじゃん
でも
母ちゃんに救い出されてビショビショのボクを見て
また頭をペンってはたかれた

泣きっ面に蜂だと
母ちゃんが笑ってた

どういう意味だろう


拾われた夜
2021.9


ボクはすごく小さくて
大人しくて食欲も無く
目も開いてなくてノミがいっぱいで

保護した夜



次の日に病院へ行くまで大丈夫なのか
とても心配だったらしい

母ちゃんは何度もボクの寝息を確かめにきたもん。

次の朝
ボクを動物病院へ連れて行ってくれた

栄養不足でとても小さいけれど
そのときのボクは
産まれて一ヶ月半くらいだと

先生は
小さなボクを見て 
「良かったね」って。優しく撫でてくれた
目を見て薬を塗ったり
背中に注射したり。

そしたら
ボクは元気がモリモリ湧いてきた
お腹も空いて
ミルクも小さなカリカリを食べるようになった
それからしばらく続けて通院したら

すごく元気になれたんだ

いっぱい走り回れた
皆んながボクを撫でてくれた
チビ姉ちゃん以外は

チビ姉ちゃんは最初から厳しくて
小さなボクをペンってはたいた
でもボクは好きだ

保護されて一週間くらいして
小さなボクが病院へ行かなくても大丈夫ってなったころ

こんどはチビ姉ちゃんが怪我で通院になったり
母ちゃんは毎日のように
早朝から病院へ行ってたな
母ちゃんありがとう


チビ姉ちゃんに会いたいな
今のボクは旅の途中だ

ふぁー。眠いな
ちょっと昼寝するよ

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