portal 2023

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2022年2月6日14:21- [前話]

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2年前

103.目覚めた女へ [蟹座13度]

私は導かない。 貴方の手をひかない。 一人でいけ。

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1年前

102.女の心臓 [蟹座12度]

私はもう二度と目覚めないつもりだったのに、結局またここへやってきた。 主の強欲さは死者も蘇らせるほどだし、死の事実も捻じ曲げるらしい。 きこえるか? 俺の叫びが…

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2年前

101.私と彼と関係 [蟹座11度]

彼は言った 自分は幼稚園の頃から 「◯◯はすごい」と言い続けるサクラを 複数人用意していたのだと それは不自然であり 短期的現象なのだと そしてまた、こうも言った …

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2年前

100.スイミングプールの人魚姫 [蟹座10度]

スイミングプールで2人組の人魚姫に出会った。 海にしかいないと思い込んでいたけれど、プールにもいたのだ。 人魚姫は白人さんの見た目をしている。やっぱり西洋モノな…

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2年前

099.ポルノ映画 [蟹座9度]

私はポルノ映画に出演することになった。 ポルノ映画とは何なのか私はよく知らなかった。事務所の社長に聞くと、彼はこう答えた。 「人の気分を良くするために作られる映…

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2年前

098.ホワイトノイズ [蟹座8度]

静かな場所だ。 いったいいつから、この場所にいたのだろう? ずっと滝の音のような、川の音のようなものが聞こえていて、その音に一体化したようになって、ぼんやりして…

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2年前

097.パープルヘイズ [蟹座7度]

仲間はみんなしょっぴかれた。 もともと長期的にやろうってつもりはない。速攻で種を撒いて、増やせるだけ増やして、時期が来たら引き上げる。捕まった奴らは足切りだ。そ…

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2年前

096.イチゴとビニールハウス [Cm キュリウム] [蟹座6度]

私がビニールハウスの中でイチゴをやっていると、外側からビニールを切り裂くものが現れた。縦にピーッとナイフを入れていく。私は不思議な気持ちでそれを眺めていた。 深…

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2年前

095.13日の金曜日 [Am アメリシウム] [蟹座5度]

自宅をリフォームすることになった。作業現場の偵察に行った私は、そこで恐るべき光景を目にした。 私のベッドが、縦に3分の1にカットされている。3分の2はすでに廃棄され…

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2年前

094.悪魔と私 [Pu プルトニウム] [蟹座4度]

私は悪魔を殺してしまった。 血まみれになって床に倒れている悪魔を、私はしばらくの間、上から眺めていた。無我夢中で殴り続けていたから、途中から記憶がない。 「ねえ…

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2年前
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093.惑星とカップラーメン [Np ネプツニウム] [蟹座3度]

僕はちいさな惑星に一人、取り残されてしまった。 親しくしていた仲間たちとの交信も、ついに途絶えてしまった。心細く泣いてばかりだった僕を、いつも励ましてくれた人た…

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2年前

092.星のエレベーター [U ウラン] [蟹座2度]

私は星のエレベーターに乗り込むと、屋上のボタンを押した。 地上にはたくさんの電波が飛び交っていたけれど、そこに大事なものは何も含まれていなかった。根気よく丹念に…

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2年前

091.水のゴンドラ [Pa プロトアクチニウム] [蟹座1度]

私は迷宮のような水路を、ゴンドラに乗って巡っていた。 豪華な装飾が施された小舟は、異国情緒あふれる景色の中をゆっくりと移動していく。見るものすべてが珍しく、私は…

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2年前

090.エラー [Th トリウム] [双子座30度]

無秩序なこの世界は、バラバラな破片が散らばってるだけで、正統なものなんて、もうどこにも残ってない。 神だって、ここを見切ったんだ。 残ってるのは悪魔と魑魅魍魎だ…

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2年前

089.ムルジムの黒い軍団と妖精ちゃん [Ac アクチニウム] [双子座29度]

あ〜〜、嫌なものを見てしまった。 最近の僕って、嫌なものばかり見てしまうんだよね。 なんか背中に黒い羽の生えた奴らが、上空からわらわら集まってくるんだ。やたらに…

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2年前

103.目覚めた女へ [蟹座13度]

私は導かない。

貴方の手をひかない。

一人でいけ。

102.女の心臓 [蟹座12度]

私はもう二度と目覚めないつもりだったのに、結局またここへやってきた。

主の強欲さは死者も蘇らせるほどだし、死の事実も捻じ曲げるらしい。

きこえるか?

俺の叫びが

その声は確かに届いた。

直接ハートに伝い、心臓は動き出してしまった。

再び。

いや再びどころじゃない。

何度目だ?

少なく見積もって102回。

101.私と彼と関係 [蟹座11度]

彼は言った

自分は幼稚園の頃から
「◯◯はすごい」と言い続けるサクラを
複数人用意していたのだと

それは不自然であり
短期的現象なのだと

そしてまた、こうも言った

最近は
自動販売機の全ジュースを取り出し
おおきな釜に入れて煮沸しなおし
血液洗浄のようにしてから
元に戻しているのだと

私は思った

なにやってんの?

この人、大丈夫なの?

私は彼の

正気と安全性を疑った

私と彼の関

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100.スイミングプールの人魚姫 [蟹座10度]

スイミングプールで2人組の人魚姫に出会った。

海にしかいないと思い込んでいたけれど、プールにもいたのだ。

人魚姫は白人さんの見た目をしている。やっぱり西洋モノなんだな、と私は思った。

人魚姫の1人が、私と一緒に泳いでくれた。

私の体にくっついて、クネクネと縦に全身を波打たせる。そうすると、蛇や龍やウナギのような調子で、水の中を泳いでいける。

これは気持ちがいいなあ、と私は思った。

とて

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099.ポルノ映画 [蟹座9度]

私はポルノ映画に出演することになった。

ポルノ映画とは何なのか私はよく知らなかった。事務所の社長に聞くと、彼はこう答えた。

「人の気分を良くするために作られる映画だよ。つまり”良い映画”ということだね」

なるほど。私は理解した。

事前に用意されるという台本が手渡された。

「ここに書かれてることを言って、ここに書かれてることをやればいい。簡単だろ?難しいことは何にもない」

薄い台本をパラ

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098.ホワイトノイズ [蟹座8度]

静かな場所だ。

いったいいつから、この場所にいたのだろう?

ずっと滝の音のような、川の音のようなものが聞こえていて、その音に一体化したようになって、ぼんやりしていた。

自分の形がわからなくなった。

かつては俺にも、形があったんだろうか?

多分そう思うんだが。

静かだ。

ずっと音は聞こえているのに、とても静かだ。

俺の目玉は物を見ている。

でもそれはもう、昔のようにじゃない。

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097.パープルヘイズ [蟹座7度]

仲間はみんなしょっぴかれた。

もともと長期的にやろうってつもりはない。速攻で種を撒いて、増やせるだけ増やして、時期が来たら引き上げる。捕まった奴らは足切りだ。それが昔からの俺たちのやり方で、どっかに遺伝子のカケラが残ればいい。

品のいいやり方で生き残れる世界じゃないんでね。俺たちにとってここはそういうところ。

つまりそう、社会の役に立ってみんなに喜ばれる、そういう存在じゃない。一瞬で拡散して

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096.イチゴとビニールハウス [Cm キュリウム] [蟹座6度]

私がビニールハウスの中でイチゴをやっていると、外側からビニールを切り裂くものが現れた。縦にピーッとナイフを入れていく。私は不思議な気持ちでそれを眺めていた。

深夜だから他のイチゴたちはみんな眠っている。私はもの思いにふけってなかなか眠れずにいたので、この異変に気がついた。

ビニールハウスにはちゃんと人間が出入りするための入口がある。だから中に入りたいのなら、それを使えばいい。なぜ新たに切り裂く

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095.13日の金曜日 [Am アメリシウム] [蟹座5度]

自宅をリフォームすることになった。作業現場の偵察に行った私は、そこで恐るべき光景を目にした。

私のベッドが、縦に3分の1にカットされている。3分の2はすでに廃棄されたようだ。どうやら部屋を広く使うために、ベッドをスリム化したらしい。気に入って購入したフランスベッドだ。奮発して良いのを買った。それがこんなに無残な姿に……。目眩がした。

確かに部屋を広く使いたいとは言った。それは開放感を感じるイン

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094.悪魔と私 [Pu プルトニウム] [蟹座4度]

私は悪魔を殺してしまった。

血まみれになって床に倒れている悪魔を、私はしばらくの間、上から眺めていた。無我夢中で殴り続けていたから、途中から記憶がない。

「ねえ……どうしたの?このくらいで死んだりしないでしょ?」

声をかけたが、悪魔はピクリとも動かなかった。握りしめていた金属バットから手を放すと、カランカランと音を立てて転がっていった。

これは私の嫉妬心が引き起こしたことだ。

悪魔は私だ

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093.惑星とカップラーメン [Np ネプツニウム] [蟹座3度]

僕はちいさな惑星に一人、取り残されてしまった。

親しくしていた仲間たちとの交信も、ついに途絶えてしまった。心細く泣いてばかりだった僕を、いつも励ましてくれた人たちだ。

今日も夕方から夜中まで、機械のチューナーをいじって交信を試みたけれど、ザーザーという雑音が入るばかりで、誰の声も拾えなかった。

みんなどこへ行ってしまったんだろう?

がっかりした気持ちで、僕はカップラーメンにお湯を注いだ。蓋

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092.星のエレベーター [U ウラン] [蟹座2度]

私は星のエレベーターに乗り込むと、屋上のボタンを押した。

地上にはたくさんの電波が飛び交っていたけれど、そこに大事なものは何も含まれていなかった。根気よく丹念に調査したけれど、残念ながらそれが結論だった。私はだいぶ落胆していた。

エレベーターはぐんぐん上昇を続けた。階を上がるごとに、電波は数を減らしていった。落胆した心も、どこかの階で消えてしまった。最上階に近づく頃には、ほとんど何も聞こえなく

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091.水のゴンドラ [Pa プロトアクチニウム] [蟹座1度]

私は迷宮のような水路を、ゴンドラに乗って巡っていた。

豪華な装飾が施された小舟は、異国情緒あふれる景色の中をゆっくりと移動していく。見るものすべてが珍しく、私はキョロキョロとあたりを見まわした。

私はその舟で、潰れたケーキ屋を2週間支えていたという男に会った。ケーキ屋には伝統があり、みんなの夢がたくさん詰まっていたそうだ。だが、その美しく格調高い建物は崩壊し、男は瓦礫の下敷きになった。

「な

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090.エラー [Th トリウム] [双子座30度]

無秩序なこの世界は、バラバラな破片が散らばってるだけで、正統なものなんて、もうどこにも残ってない。

神だって、ここを見切ったんだ。

残ってるのは悪魔と魑魅魍魎だけだよ。誰が好き好んで残る?こんなとこに。まともな奴は手を引いた。理想世界の妄想にしがみついてくるような奴ら、誰が本気で相手にするんだよ。いい加減にしてくれ。

俺は廃墟に散らばったゴミを拾い集めて、自分らしきものをもう一度つくりはじめ

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089.ムルジムの黒い軍団と妖精ちゃん [Ac アクチニウム] [双子座29度]

あ〜〜、嫌なものを見てしまった。

最近の僕って、嫌なものばかり見てしまうんだよね。

なんか背中に黒い羽の生えた奴らが、上空からわらわら集まってくるんだ。やたらに大きい羽で、黒くて、厳つくて、いかにも悪そうな奴ら。街で会ったら絶対目を合わせないようにするよ。

そいつら、集団行動なんて向かなそうな感じなのに、地上に降りると羽を折りたたんで、軍隊みたいに正確な列を組んで、ズッズッズッズッと進んでい

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