見出し画像

私《も》がいえない

日傘を指す人
ハンカチで汗を拭う人
冷たそうな飲み物を飲んでオデコに当てる人

夏の対策はよくみると皆んな少しばかり違っていて、まちまちなことが多い…

でも思うことはおなじ…

それはこの夏がとにかく暑いということ。

そんなことを…ずっーと遠くにある、
おおきなおおきな入道雲をみて私は考えていた。

そして…
その暑さに追い討ちをかけてくるのが…

ミーンミンミンミンミーン

セミ…。

ミーンミンミンミンミーン


私はセミがきらい…

例えばレイレイとクーラーのついたお店に入ってタピオカを飲んでいても…


ミーンミンミンミンミーン

せっかく涼しくなってたのに、
外からセミが私たちに暑さを与えてくる!


せっかく楽しく飲んでいたのに。


でも…

私がセミ嫌いなのにはもう一つ理由がある……


ねぇ?セミがどうしてなくか知ってる?




セミはね…

《異性》に自分の場所を知らせるために鳴くの




そのために鳴くの…


あやと真逆…

自己主張が上手。

人でもない虫に嫉妬する私…。

私は…《私も》が言えない


はぁ…

さっきより近づいてきた
おおきな入道雲をみて、またため息をつく


その時…


〇〇:あれ?あやめちゃん?

「え?せ、せんぱい!!///」

〇〇:ひとり?珍しいね…笑

「は、はい…///ひとりです…。」

すると先輩はあの大きな入道雲のほうを指した

〇〇:じゃあさ、今から映画見るけど一緒にどう?

「へ…?///わ、私としてですか…///」

〇〇:あー、ごめん。無理強いはしないから…

またこの展開…
このままじゃだめ…かわらなきゃ……

ミーンミンミンミンミーン


私は小さなこぶしを握りしめた

「行きたいです…。私《も》映画行きたいです///」





……


映画見終わって大好きな先輩と並んで歩く。

私《も》がいえた…///


ミーンミンミンミンミーン

はじめてセミが味方に聞こえた…///





でも…このときの私はまだ知らなかった


今年の夏は、



隣にいる先輩と
もっともっと素敵な夏になることを

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?