見出し画像

過去と未来の繋ぎかた…①




バカ…大嫌いっ!!!



そう僕に放つ女の子


暗くて顔はよく見えないが
口もとはどこか…笑ってるように見えた



その束の間、



キィィィイイイイイイイ

突然大きな音が鳴り響く
そして…




がばっ!!!!



いつもここで僕は目を覚ますのだ、、、







〜 過去と未来の繋ぎかた 〜
第1話 転校生と変わったクラス




10月1日

小川家の居間では母

小川美波がふぅ…とため息をつき、頭を抱えていた


〇〇:なに、そのため息 笑


ちょうど朝ごはんを食べ終えた僕がそんな母に声をかける


母:転校初日はね、母さんも緊張するのよ

〇〇:え、そんな緊張しなくない?笑

母:息子たちのことを思うと母さんは心配なの笑


ドタドタドタ ダダダッ
階段をダッシュで降りる音が聞こえる

??:いってきまーす

妹の彩が走っている足音だ

母:こーら、あーや!お弁当忘れてるわよ!

彩:へへへっ笑 お兄ちゃんもはやくー


僕の袖をひっぱり、玄関に連れていく彩

側から見るとブラコンに見えるのだろうか?
そもそもここまで仲良かったっけなぁ?と少し不思議にも思うときがある 笑

母:じゃあ彩、お兄ちゃんをよろしくねー笑

彩:はーい!

〇〇:いやいや、なんで妹に面倒みられるんだよ笑

彩:お兄ちゃんはやくー!

〇〇:きいてないし笑

彩は先に元気よく家を飛び出して行った

母:〇〇…気をつけてね…

〇〇:はーい!転校初日緊張はしないけど楽しんでくるよ!

母:もう…がんばって!

見送りの母に"行ってきます"と伝え、僕は新しい学校へ向かった
しばらく歩いていると彩が話しかけてきた

彩:ねえねえ…

〇〇:うん?

彩:お兄ちゃんはさ…緊張してる?

〇〇:うん?緊張…?笑


親子か!?と心の中でツッコミをいれる笑

彩:ほ、ほら…新しい学校になるじゃん!高三になってさ、学校変わるのって…緊張しない?

〇〇:まぁ前の学校の友達と会えなくなるのは悲しいけどさ、

彩:うん…

〇〇:新しいクラスで楽しめるよう頑張るよ!笑

彩:そっか…

〇〇:なに、彩は緊張してるのか?笑

彩:べ、べつにー/// あやがそんなのするわけないもん!

〇〇:はいはい、何かあったらいつでも言いなよ笑

彩: あやはねー、人気者だから大丈夫だもんっ

〇〇:なんだそれ笑


彩は僕の2つ下で高校一年生、
僕ら兄妹は10月1日の今日、乃木坂高校に転入する


〇〇:それより彩さ…恥ずかしいから……手離してよ


彩は僕の手をずっと握っていた

家を出てからずっと…
高校一年にもなって…しかも転校初日にこれは…

彩:やだー!!やっとお兄ちゃんと一緒に学校登校できるんだもん!! 

〇〇:いやいやいや、いつでもできるでしょうよ!

彩:だってあや部活入ったら朝練あるし、お兄ちゃんと登校できなくなるんだもんっ!

〇〇:だとしてもさ……

彩:やだったらやだっ!!!

こうなった時の妹は言うことを聞かない
はぁ…とため息をつく

僕は仕方なく、妹の手を受け入れる事に決めた
妹に引っ張られながら入り組んだ道を進んでいく

彩:あっ!こっちこの公園突っ切った方が近いよ

〇〇:そうなんだ…よく知ってるな笑

彩:うーんとね…昨日、ママと確認したっ!

〇〇:そんな話してたっけ?笑

彩:お、お兄ちゃんがお風呂入ってた時だったかも…笑

〇〇:なんだよ、それ笑

彩:お風呂入ってたお兄ちゃんが悪い!!

〇〇:めちゃくちゃすぎる笑

彩:あははっ笑

笑いながら坂道を登っていると目の前に校舎が見えてきた

それと同時に感じる視線
同じ制服をきた学生達の視線

ヒソヒソとこっちをみて話している学生もチラホラ…
そりゃそうだ、知らない生徒2人が手を繋いで登校してきたのだ

それはヒソヒソ話しをしたくもなる…

〇〇:彩、もう恥ずかしいから…

彩:はぁ〜い、ここまできたら大丈夫だよね!彩先に行くねー!


手を離したと思えば、全力で校舎に向かって走っていった
困った妹だ…と思いつつ、おかげで迷うこともなく学校に着くことができた



県立乃木坂高校

生徒数はさほど多くないこの学校
新しく転校してきた僕らはこれからどんな学校生活を送るのだろうか…

僕は先生にあうべく職員室へ向かった

どこか居心地の良い乃木坂学校
この時の僕はそれが裏切られることになるとは想像もついていなかった



コンコン

ノックをして、職員室に入る

〇〇:あ、すみません。小川〇〇と言います

ガバッと教師全員が私の方を見る
そんな中、1人の先生が声をかけてくる

??:あ、〇〇くん待ってたよー

〇〇:はい、えっと…(いきなり名前呼び笑)

秋元:あぁ、私はね、〇〇くんの担任 秋元真夏です!よろしくねー!

〇〇:秋元先生!

秋元:そう!"もと"はね、本じゃなくて元気のほうね!笑

〇〇:あ、はい。


馴れ馴れしいというか独特な雰囲気の秋元先生だったが優しそうな方だ

秋元:それじゃ、ホームルームも始まるだろうしクラスに向かおうか!

〇〇:は、はい!

職員室を出て、秋元先生と廊下を歩く
特に話す事が思いつかなくて黙ってしまう

秋元:緊張してる…?笑

〇〇:あ、いえ、ただ、、視線が凄くくるなぁって…笑

秋元:乃木坂高校ってさ、小中高と一貫の学校だから…転校生はかなり珍しいのよ…

〇〇:そうなんですね…

秋元:それに〇〇くんカッコいいから!

〇〇:はぁ…そうですかね…?

秋元:あっ!!!

〇〇:え、どうしました!?

秋元:いっけない…教室通り過ぎちゃった笑(少し戻って)

秋元:ここだ、ここ、まぁたやっちゃった笑


〇〇: ……。

後々知るんだけど、
秋元先生は結構ポンコツなところがあるらしい笑

そんな秋元先生が教室に入る前に真剣な顔をする

秋元:あ、これは大事な話。実はうちのクラス少し"変わってる"のね

〇〇:え…?

秋元:けど、皆んな良い子だから気にしないでね!笑


秋元先生のその言葉の意味はなんだったのか…
僕の返事をまたずに秋元先生は教室に入っていった

ガラガラガラ


秋元:おはようー!皆んな席についてー

各々が席につく

秋元:はい、じゃあ前にも話したけど本日からこのクラスに…えっと…新しい友達が入りまーす!

秋元先生は廊下で待つ僕に手招きをする
僕は覚悟を決め、少し変わったクラスに入っていった





つづく…



第2話はこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?