くつしたの話
今日はお仕事で靴下の納品があり、たくさんの靴下と触れ合った。
すてきな靴下がたくさんで、テンションが上がっていた。
この靴下を手にした人は、きっと履いているだけで特別な日になるに違いない。
靴下一足で、その日の気分はいくらでも変えられるのだ。
どうか、この靴下を買った人が、少しでも幸せな気持ちになりますように…。
そう思いながら、一点一点納品していく。
輸入品だったので、慣れない言語を確認しながら、品番、商品名、価格、数を確認し、値段をつけてストックしていく。
その中で、ふと目に止まったものがあった。
斬新な花柄かな?と思った。
暗い地に燃えるような赤い花ーーー
いや、待て。よくみるとこれは…
燃えている。炎だ。
白っぽい花もある。
いや、これは、違う。花ではない。
人だ。
え?人???
よくみると、暗い地には悪魔が潜んでいた。
悪魔が、いかにも悪い顔で、人間を燃やしていた。
驚いて商品名を確認した。
『Night Hell』
地獄やん!!!!!
そう、まさにその靴下は、地獄なのであった。しかもただの地獄ではない、夜だ。
人間の顔は、😭こんな感じだった。
かわいかった。
ツボに入ってしまった。
これは靴下、そう足に履くもの…
そう思っても、一度この出会いを経てしまうと、もう履くとか履きにくいとか関係ない。
愛しい。
そう感じてしまった。
値段は2800円+税。
この商品が、お店のオンラインストアに載るのが楽しみになった。
この商品を、特別な気持ちで履くお客様のことを考えて、胸がドキドキした。
ドキドキはずっと続いた。
納品が終わっても、他の仕事をしていても、退勤してもーーー
あの靴下のことを、忘れられない。
私はあの靴下に、恋をしてしまったのかもしれない。
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