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卒業とプチトマト

私には、好きなひとがたくさんいる。

それは同じ「好き」ではなくて、それぞれに違った「好き」を抱いている。

恋愛として、とか、友達として、とか
そういう簡単に分けられるものじゃなくて
ひとりひとりを見て
この人はこれかな…って
お花を選んでプレゼントしたくなる
そういう「好き」がたくさんある。

大学卒業を目前にした今、
いろんな人を思い出す。

あの人元気かな、私のこと覚えてるかな
あのとき、楽しかったな
こんなことを話していたな

今年はコロナ禍で、人と会えない時間が長かった。
それもあって、いろんな人たちへの想いをよりめぐらせてしまうのだと思う。

自分の気持ちに対して
「何もしない」
という選択をするのが苦手な私は
卒業までの間に、小さな卒業製作をやってみようかと考えた。

私は似顔絵を描くことが多いのだが、いつも写真を見て描いていた。
そうではなくて、直接会って、その人を描きたい。そう思った。

知り合いひとりひとりと連絡をとって、
一対一で、顔を描かせてもらおう。
1冊のスケッチブックに、1人1ページずつ。
ゆっくり、たっぷり、その人と向き合う時間にできれば。

上手く描けないかもしれない。
断られるかもしれない。
でも、それでもやりたいなと思う。

友達も、すっかり疎遠になった人も、
Twitterでしか見ない大学の先輩も
2年半付き合って今年の6月に別れた彼も
中学の同級生も、尊敬するあの人も

私が今日まで、出会ってきた人たちと
絵を描くということを通して、向き合ってみたい。

少しこわいけど。

昨日の帰り道、道路に転がっていたプチトマト達。
大体10個くらい落ちてて、2個だけつぶれてしまっていた。
でも8個は、かわいい丸のまま、月光を反射していた。

先日内定をいただき、後はほぼ、大学のゼミとバイトだけとなった。
そろそろ連絡してみよう。
ときどきプチトマト達のことを思い出しながら、いい時間を過ごせたらいいな。

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