幕間 あとがきのようなもの

本当は、すぐに消そうかな、と思ってました。



自分で世界を作る感覚。そういうものは、思い返せば幼い頃からあった気がします。

私の場合、始まりは絵を描くところからでした。
ただ描くのが好きだったのが小学生時代。中学に入ってもギリギリ描いていた気もしますし、自分が描いた絵を見返したりもしていました。
特別絵が上手くなりたかったわけでもなく、ひたすらノートに絵を描いていく。そして、描いているうちに、彼らのイメージが出来上がっていくのです。

巫女と人魚、こちらの世界と妖怪の世界、夢の案内人、死神と人の間に生まれた少女。

彼らは何者なのか。どういう話し方をして、どういう表情で、何を語るのか。どんな世界に、どんな宿命を持って、何を感じながら生きるのか。そういうことが、彼らと、彼らの親やきょうだいや友人を描くごとに、膨らんでいくのです。

そして、10年以上かけて、温まりつつある物語があります。
何度もチャレンジして、その度に矛盾にぶつかり、断念することを繰り返してきました。国一個分、もしくは二個分を動かさないといけません。正直今でも書き上げる自信はないです。

しかし、私の中で生きる彼女を、そろそろ出してあげないと、私も彼女も、次に進めないような気もするのです。

何文字になるのか分かりませんが、細々と一から書き直しています。PCを立ち上げるのが億劫すぎて、スマホでちまちま書いてるのですが、便利ですね。

さて、先日書いた幕間は、本編の始まりの始まりの始まり、のようなものです。これも10年ほど前からイメージはありました。本編より先に出すとは思っていませんでしたが。

本当は、すぐに消そうかな、と思っていました。
けれど、謎めいたあの物語を残しておくことで、ちゃんと本編書けよ?という、私への圧力になります。

多分、誰に読んで欲しいわけでも、何かに掲載したいわけでもないのです。小説家になりたいと思った時期は確かにあるのですが、それが今の夢かと言われるとそれは違います。

ただ、私の中で生きてきた彼女は、私が作品として外に出してあげないと、私と一緒に死ぬ羽目になります。そして、彼女がいい加減外に出せと言っている気がするのです。

私の筆が遅いので、一年かかるか、二年かかるかも分かりませんが、彼女の人生をお見せできたらと思います。


ももこ

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