【無料一人台本】私の救世主へ

▼利用規約必読
https://note.mu/momoka_ueno/n/n938a7e38eee6

ねぇ、君は今元気にしてる？
私はね、お陰様で元気でやってるよ。

私たちの過ごした夏のこと、覚えてる？
ふふ、忘れるわけないか。
あんな衝撃的な夏休みは初めてだったもん。
君もきっと同じでしょ？
私たち似た者同士だからわかるよ。

あれから、私、前を向けるようになったよ。
君が私の人生最大の計画を邪魔してくれたおかげでさ。
……感謝してる。

今回手紙を書いたのはね、君の質問に、まだ答えてなかったなと思ってさ。
君、なんで自殺場所にここを選んだのかって聞いたでしょ。
確かに不思議に思うよね、地元でもない知らない土地で死のうなんてさ。

でもね、実はそこは、私が生まれた場所なの。
お母さんが実家に帰る途中で破水しちゃって、その最寄りの街で私を生んだ。それが、君の住んでいるその街。
だから、そこは私の始まりの場所。
私、自分が生まれた場所で死にたかったの。
最期の場所くらい、自分で選びたくてさ。
いい案だと思うでしょ？
それが、理由。私がそこに行った理由。

今でも、そうしてよかったって思ってる。
だって、そこに行かなかったら君と出会えなかった。

君は、自分の殻に閉じこもった私を、外に出してくれた。
そしたら、世界が優しいことに気づいたよ。
こんな私でも、世界は受け入れてくれるって。

だから、もうちょっと頑張ってみようと思った。
こんな世界も捨てたもんじゃないね。

君には本当に感謝してるよ。
ありがとう。