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見殺しにしても違法性は皆無〜宮島の鹿〜

野生動物か愛護動物か

環境省鳥獣保護管理室および
環境省動物愛護管理室に問い合わせた

母鹿が命の危険のある状態で
近隣住民からの通報があったにもかかわらず
行政によって1週間以上放置され
処置してくれる獣医も見つけたのに
行政が断ってしまった
結果的に母鹿が死に至った事について
法的に、或いは倫理上の問題は無かったか

鳥獣保護管理室の返答

宮島の鹿を野生動物と定義する時には
たとえ見殺しにしたとしても
かわいそうではあるけれども
法的に問われる事は一切無い
広島県および廿日市市が
宮島の鹿を野生動物と定義している事について
環境省も同じ認識である

次に、動物愛護管理室の返答

宮島の鹿が野生ではなく愛護動物と定義する時には
みだりに殺せば5年以下の懲役
あるいは500万以下の罰金
また、ネグレクトなど健康や安全を保持する事が
困難な状態で放置した場合
1年以下の懲役あるいは100万以下の罰金に処せられる

宮島の鹿が野生動物と定義される限り
罰する方法も無ければ改善する手立てもありません

しかし
@marikonyata さんの調べて下さった
法学者で、元最高裁判所判事
藤田宙靖(ときやす)先生の
2015年11月のブログより
宮島の鹿について
野生動物ではなく愛護動物であると
以下、その理由です(過去投稿より抜粋)

ブログには
観光目的で餌付けされ繁殖した鹿たちが
増えすぎたことで今度は排斥されていく様子が
克明に記されています
そして、宮島の鹿は里鹿であり
野生ではないのだから
野生を理由に給餌をやめるべきではないことが
書かれています
以下、抜粋

▶︎ 宮島の鹿は、野生ではない
それは長年の住民との交流により
そのような環境・文化を前提として
ようやく生存して来た里鹿ないし街鹿なのであって
人間からの給餌を絶たれれば
生きて行く術を知らない

こうなると
行政を相手取って訴訟を起こすしか
現状を変えることは、できないのでしょうか

因みに人の場合どうなるのか
以下、弁護士ブログからの引用です

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

例えば人の場合には、
不作為(見殺し)によって殺人罪が成立するためには、
殺意があることに加えて、
以下の3要件がみたされなければなりません。

すなわち、
①作為義務の発生、
②作為の可能性及び容易性、 
③作為義務違反 という3要件です。

①作為義務の発生

 これは、殺人罪について簡単にいうと、
「その人の生命が危険に陥っていることについて責任があり、
社会的にみてその人の生命について
救命努力をしないといけないだろうと
考えられる関係がある人」です。
たとえば、
人を車ではねて
道路から動けない状態にさせてしまったのであれば、
はねてしまった運転者、
子どもやからだの不自由な人などの
自力で生活できない人を
引き取っているのであれば、
引き取った人、
そういう人であることが必要です。

②作為の可能性及び容易性

 これは、
「救命のための努力が、
大きな苦労もなく可能であったこと」です。
たとえば大けがをして死にそうな人が
目の前に居るときには、
携帯電話で救急車等の助けを呼ぶなど、
人が目の前で亡くなりそうというときには、
その状況に応じて出来ることがある場合があります。
 もちろん、
何もできない場合もありますし、
あまり無理をするのは
本人にとっても非常な困難や危険を伴うこともあり得ますから、
何もできない場合、
及び、できることはあるけれども
容易でないという場合には、
これは否定されます。

③作為義務違反

 さて、
①のように責任のある人が、
②のようにいくつか簡単にできることがあったのに、
何もせずにその場を放置したとき、
これが作為義務に違反するということです。

 この3要件がみたされることに加え、
「殺意」、すなわち、「放っておいて死なせよう」
あるいは「放っておくことによってその人が
死ぬかもしれないけれどもそれでもいい」
という心情であったことが
客観的にうかがわれるとき、
その人は、何もしないことによって
殺人罪を犯したことになるのです。

2023.06.21