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【ラストオブアス2】情緒めちゃくちゃになったわ【ゲーム感想】

【はじめに】

前作プレイ済み。
難易度は初級でクリアタイムは約27時間。

⚠️この記事は作品のネタバレを含みます。
⚠️なるべく冷静を保とうとはしましたが、少々感情的な表現をするところがあります。
⚠️作品の世界観や登場キャラクターの説明は割愛させていただきます。

⚠️CHU!文字ばかりで読みにくくてゴメン♡

【良かったところ】

○ゲームボリューム
 主人公が二人になったことで単純にストーリーもボリュームが増えた。ディスクが2枚組なのも頷ける。チャプターの合間に過去の回想を入れることで現在の行動の動機づけが確固たるものとなっていて感情移入しやすかった。

○犬・馬
 かわいい。犬は撫でられるし取ってこい遊びもできて楽しい。NPCに構い倒されている犬を見ていることしかできないのが惜しい。
 前作でトミーに「番犬にはならないが気のいいやつさ」と紹介されていたであろう犬が健在で嬉しかった。歩き方も少しヨタついてるし顔まわりに白髪があるのもうかがえるし、まさか犬で時間経過を再認識させられるとは。かわいい。
 今作の馬の名前はキラリちゃん。

○コミュニティ
 生存者たちの組織内での生活の様子が見れる。場所によっては既存のものを利用してか結構発展しているコミュニティもあってさまざまで見応えがあった。

○宗教
 あの極限状態の中、心の拠り所を求める人間が神に縋る展開や設定はかなり好みなので盛り上がりポイントであった。

○探索物
 エリーはトレーディングカード、アビーはコインを集められるのが楽しい。
 手記は、特に近場に落ちている時間経過とともに焦りや諦観が読み取れるものが面白い。金庫のヒントなども書いてあったりする。今作は宗教を題材にした側面も感じられたので、祭壇周辺では不安や祈りなど、手に入るはずのないものを神の力を以て得ようとする手記などもありかなり作り込まれていると感じた。
 エリーが日記を書いているところも良かった。自分も日記を書いているので共感できる。エリーは絵が上手い。時々ポエムが入るが、わざわざ消さずに残してあるあたり頭の中で思い浮かんだことを悩みながら言語化していることが見て取れる。
 武器強化クラフトは健在で、前作と比べるとカメラワークが改修されており強化している銃そのものを見ることが可能で見事な仕上がりだと思った。厨二心をくすぐられるアングルだ。
 キャラクターの強化も項目が増えて自由度が高くなったように感じる。

○戦闘
 大半の戦闘は倒さなくてもストーリー進行が可能。今作で新たに登場したシャンブラーは下手に倒そうとすると何度もやられる羽目になるし、結局弾薬が不足するため火炎瓶を準備しておくのが吉。終盤はやられる前に、攻撃より脱出を優先することもしばしばあった。素材を置き去りにすることもあったがこればかりは仕方ない。倒すことに躍起になると、おそらくプレイ時間が格段に伸びてしまうことになるだろう。
 感染者より人間の戦いの方が印象に残る場面が多かったが、人間の方が動きが予想しやすく、戦いやすく感じたのも事実である。だからといってやられないわけではないのだが。犬の吶喊と挟み撃ちには悩まされた、切実にやめてほしい。


【悪かったところ】

⚠️あくまで個人のプレイ所感であり、作品を貶しめるつもりは一切ない。

○ストーリー展開
 エリー編を全て片付けてからアビー編が始まるのは、別ルートを周回プレイさせられ得ているような気分になった。せっかく2人とも幕間の回想が用意されているのだから、かいそうをはさんでエリー編とアビー編を交互に進行させた方が良かったのではないか。

○犬・馬
 犬に関しては、主にエリー編において予想外の方向から弾丸のように飛びかかってくるのでこちらも撃たざるを得ない。さらに人間とともに行動しているため弓やサイレンサー付きの銃で撃ってもすぐに人間にバレてしまう。そもそも犬を撃ちたくない。わたしの中のジョン・ウィックが黙ってない。
 名前のついた愛馬を撃つなと何度言えばわかるのか(言ってない)。今作では車両が多く登場していたので移動手段としての馬は必要ないのかもしれないが、なにも撃つことないじゃん。許さん、地獄に堕ちな。

○探索物
 敵を倒して探索できるところは我ながら回ったつもりでいたが、全て取りこぼしなく回収しても、おそらく銃もキャラクターも最大まで強化できないのではないか。2周目ありきの強化コンテンツなのだろうか。
 銃の強化は一度で上限に達してしまうのが物足りなく感じた。照準が多少ぶれても攻撃力を伸ばしたかったが限界値になるのがあまりにも早すぎる。
 これは純粋に自分の探索不足だが、手記に金庫の暗証番号が書いてあっても肝心の金庫を見つけられないことがしばしば。困った。

○バトル
 対人戦が本当に厄介。特に集団を相手にするとバレた瞬間回り込まれて蜂の巣にされる。犬に恐怖さえ覚える、飛びかかってくるなんて可愛いモーションのはずなのに。
 感染者を相手取ることがあまり目立たなかったため、前作で重宝したレンガ戦術を上手く扱うことができず残念だ。視線や注意を逸らす用途よりも、窓ガラスを破るのに使ったレンガの数の方が多いと思う。

○キャラクター
 ほぼ全てのキャラクターをLGBTに絡めなくても良かったのではないか。またどちらの陣営にも妊婦がいるので、個人的に戦う時の罪悪感や配慮がプレイに影響に及ぼすことがあった。ディーナの妊娠はついてきてからの発覚なので許容できなくもないが、メルのお腹が大きいのに前線で戦おうとする姿勢が上手く共感できなかった。安静にしていて欲しい。オーウェンは殴ってでも連れ帰りますので。
 復讐に一直線かと思いきや、いきなり?衝動的に?キスシーンやベッドシーンが入ってびっくりした。そんなことしている場合ではないと思う。しかしわたしが”そんなこと“と思うものにも、キャラクター当人にとってはそこに意味や価値があるのかもしれないし、これは私の理解力の不足かもしれない。

【ストーリーについて】

 ゲーム上ではエリー編の後にアビー編という構成だが、個人的にまとめやすいのでエリー編とアビー編を交互に書いています。

プロローグ
エリー編

○前作のDLCで明かされていた通りレズビアンの描写があり、気になる女性(ディーナ)がいる。ここの導入はわかりやすくて良かった。ジェシーに連れられてジャクソンを出るまでの道のりで、どのような生活環境に身を置いているか知ることができるし、ジョエルと揉めていることも少し触れられる。歩いている途中は口下手なエリーの代わりにジェシーが話を振ってくれる。さすがのリーダー格だし頼れる男オーラが出ているが、CV.杉田智和なこともあって少しチャランポランなイメージができてしまったことも否定できない。
 今作の愛馬の名前はキラリ。また独特なネーミングセンスである。雪山を馬で駆け回れるのは気持ちが良かった。かわいい。おりこう。むちむちおしり。

○探索の自由度が上がっていると感じさせてくれるマップ
 馬を降りたら東西南北行き止まりまで探索し放題で楽しい。きっと見落としもたくさんある。時間が経つ(迷っている)とパートナーキャラが声をかけて導いてくれる点も親切だと思った。徒歩で先へ進もうとしたらディーナが「キラリ置いていくの?」とここからは馬でいくことを仄めかす声をかけてくれるのでありがたい。どこまで馬を連れて行けばいいかわからないし、いちいち戻る手間が省けた。

○エリー
 過保護気味の父親(ジョエル)から離れたいような離れたくないような思春期特有の難しいモヤモヤを抱えている。
 この先の先頭の予習となるような雪合戦が想像以上に難しかった。呼ばれているのなら遊んでないで早く集合場所に向かいなさい。

○パトロール中の恋愛描写について
 いや仕事中にそんなに盛り上がる?元カノの現場を見てしまったジェシーが本当にいたたまれない。
 エリーの腕の噛み跡をどう誤魔化しているのかわかるのは良かったと思う。日本ではタトゥーは馴染みがあまりないから、火傷の上からタトゥー?と少し疑問に思ったが、プレイしているうちにエリーらしくて格好いいと思うようになった。
 前作にはなかったロープアクションが新鮮だった。たしかにジョエルがやるのは体重的に難しいかな。

○雪山小屋
 今作の出発点となるイベントである。前情報として多少展開は知ったつもりでいたが、いざ自分の目で見るとかなり残酷で容赦のない心をえぐる見せ方だった。
 ジョエルが多くの場所で恨みを買うようなことをしていたのは、前作のデビットの話でも明らかであったし、いつかその矛先を向けられても致し方ないと思うことはできるが、エリーをその場に鉢合わせさせて目の前で撲殺したり、遺体に唾を吐いたり、復讐する/されるストーリーのスタートとしてはらわたが煮えくりかえるようなものであった。ただ遺体を見つけるだけじゃダメだったのか・・・・・・?
 エリーのナイフと差別化を図るため武器をゴルフクラブにしたという制作側のコメント?を見かけたが、もっと別の武器があっただろうと思う。この先のプレイでは少なくとも近接武器としてゴルフクラブは出てこないのだから。ドライバーじゃなくても人って殺せるんだ。

○ジョエルの遺品
 小屋での一件の後、旅立つ前にジョエルの家を探索できるのだが、かなり涙を流してしまった。殺されるときはあんなに暗い場所で、外は1メートル先も見えないほど吹雪いていたのに、家を訪ねるときは陽の光さす暖かい雰囲気を出しているのがいい意味で卑怯だと思った。
 探索して驚いたのが、ジョエルが彫刻をしているところでかなり意外だった。ナイフはジョエルの武器としてはあまり目立たなかった(あくまで消費物)ので、そのナイフを使って作品を生み出しているとは予想外だった。
 ギター作ってる‼︎エリーにあげた1本だけではなく、制作途中のギターも何本か壁にかけてあったのが印象的だ。回想でトミーに真実を打ち明けた時にもギターを触っていたけど、そこから作り出すに至るなんて。回想ではネックを拭いていて弦は張っていないように見えたので、エリーに教えてあげるために新しく弦を調達して張り替えてあげたのだと考えると感慨深くて涙が出てきてしまう。
 家の中に、前作の終盤で受け取った新との写真がしっかり写真立てに入れられて陽のあたるところの置いてある。泣かずにはいられない。
 とどめとばかりにあの壊れた時計を見せられてもう限界だった。涙が止まらない。
 探索中にジョエルのジャケットに頬を寄せるエリーをみて少し驚いてしまったが、自分も洗面所でジョエルはどんなシャンプー使っているのか探したし、シェービングも探した。正直少し罪悪感があります。

○マリア
 内緒で発とうとしたエリーとディーナを引き留めるかと思いきや、快くとはいかないまでも、馬を手配して送り出してくれるジャクソンの頼れる母。トミーが書き置きを残して出て行ったことに頭を抱えつつも、トミーを無事に連れ帰るという復讐以外の名目を与えることで、ただ復讐に駆られただけのたびではない新しい理由を与えてくれる。前作のジョエルとトミーのやり取りで「トミーに何かあったらあんた(ジョエル)のせいだから!」と怒りをあらわにしていたが、今作も少しそれっぽく見える。トミーのことを本当に大事に思っているのが伝わってきた。
 トミーは書き置きで「エリーが復讐に向かおうとしたら止めてくれ」と言っていたが、ここで一番復讐に心を囚われているのはエリーではなくトミーなのではという疑念が湧いた。


アビー編
○いきなり主人公が変わって驚いた。
 窓辺で立っている人物のところへ歩いていくところ、ジョエルだ!って喜んでいたら新キャラのオーウェンだし、エリーにしては髪が長いから時間経過か?と思っていたら全然知らない女で、それがアビーという新たな主人公だった。

○アビー
 第一印象はすごいムキムキ、しかし高所恐怖症。絶対今後の戦闘で高所バトルがあってデバフがかかるところまで予想していた。オーウェンとの会話でメルの妊娠の話もされて、元カノであることがわかって、いろいろと察する。

○雪山の戦闘
 大苦戦。そもそもまだクラフトも何もできないし、弾薬も充分とはいえないし、ハンドガン撃ったそばから感染者がわらわら湧いてくるしもう散々な戦闘であった。パトロールはどうした、ジャクソンの皆さん。
 ピンチにジョエルが助けに来てくれるし、馬に2ケツさせてくれる。今作における貴重なジョエルとの共闘シーンのひとつである。特にゴンドラ部屋に入ってからはかなりやられた。いくら初級難易度で近接武器もたくさん落ちているとはいえ、リロードは追いつかないし、拾っている暇すらない。助けてジョエル!
 トミーがジョエルを含めて名乗った時、アビーが「ジョエル?」って言った時点で不穏な空気を察知した。前作のデビットの話があまりにも印象的すぎたので、またどこかの恨みをかってしまったゆえの反応なのかと考えていたら、まさかあんな展開になるなんて。

○ジョエルの死
 しっかり仲間がいるところまで自分の復讐心を自制して、形勢逆転するまでコントロールできる戦士だった。エリーならおそらくすぐ撃つか、撃たないまでも銃を向けるくらいはするだろうな、などと考えていた。
 エリーとの対比で武器をゴルフクラブにしたという話を見かけたが、あまりにも邪悪すぎる。一番の目的は復讐だから仕方ないし、そうして痛めつける演出の方が恨みがこもっている感じがするのは重々承知だが、前作でずっとプレイヤーとして動かしていたキャラクターがこういう殺され方をすると思うと胸が痛むし、絶対に許せない気持ちになった。
 ここからアビーを動かしてゲームを楽しめるのか不安になるプロローグだった。


シアトル1日目
エリー編

○道中めちゃくちゃイチャイチャするじゃん・・・・・・何を見せられているんだ・・・・・・
 ゲート付近は謎解きがたくさんあって面白かった。パスワードシステムもある。ゲート周りにたくさん書き置きがあるのに見張りが全くおらず、警備がガバガバな印象が残る。

○探索がとても楽しい!
 たくさん寄り道できる。探索するたびにエリーの持つ地図に書き込まれていくのが面白い。「ぶっころゲート」は草。
 建物に入った時と別の出入り口から出ると、キラリ(馬)がとことこ近づいてきてくれるのが癒しだ。可愛い。
 探索が楽しすぎて、途中でガソリンを入手してゲートを開けるという本来の目的を忘れた。しかし、随所で手に入るメモにガソリンが〜物資が〜と記されているのをみて現実に引き戻される。
 馬が撃たれるのは許せん、覚悟しておけWLF諸君。

○エリーが拘束されるがディーナが助けに来てくれる。ナイフを脅しとはいえ人質が座っている椅子の肘掛けに刺すのは迂闊だと思う。危機感が足りない。初めてのWLFとの戦闘だが、全員死んでもらいます。キラリの敵討ちである。

○道中のワイヤートラップを見て、前作のビルを思い出した。今作でまったく話題に出てこなかったが、健在であってほしい。ジョエルたちに全てダメにされた対感染者用の罠をひとり直しながら口汚く独り言を呟いていて欲しい。

○シャンブラー戦
 最初から2体出てくるのは反則だと思う。中ボスは1体ずつで頼みたい。火炎瓶と手榴弾でなんとか切り抜けたが、まずまずの回数やられている。
 日記にシャンブラーのことを記していたが相変わらず絵が上手い。

○劇場
 ディーナの体の不調が妊娠によるものだと発覚する。いま言う?はじめてエリーと「は?」でハモる。
 こういうのはあまり良くないけど、正直言ってお荷物すぎる。妊娠の可能性があるなら事前に話すべきだし、相手もわかっているようなものなので、どうしてついてきたのか理解できない。自分との子供ではない、しかも異性である男性との関係でできる他人の子のことまで気をまわさなくてはならないエリーが不憫すぎてならない。いくらエリーがディーナに気があるからと言って、自分(女性)にはできない妊娠という現実をまざまざと見せつけられて煮湯を飲まされる気分だ。ギターを弾いて気を紛らわそうとしているエリーは痛々しくて見ていられない。

○過去編(エリーの誕生日)
 こういうのが見たかったんだよ!
 ジョエルが見回り中に見つけたというのも、本当はエリーのために地図片手に探し回ったのだろうなと思うと感動した。本当に不器用な父親像そのままで、求めていたジョエルが見れてとても目頭が熱くなった。前作のキリンのシーンと同じくらい心を動かされた。
 特にエリーのために実はこっそり漫画を読んでいるジョエルと、しっかり泳ぎを教わっているエリーが見れてとても嬉しかった。アポロ13号の打ち上げ音声をプレゼントするシーン大好き。この先ずっとこういう雰囲気でいいよ。


アビー編
○犬がとても愛らしい(名前はアリスちゃん)
 撫でられるし、とってこい遊びもできる。エリー編でやむなく撃たざるを得なかった心の傷をここで癒す。

○WLFの生活環境
 予想以上に整っていて驚いた。球場をキャンプとして使用しているのが現実的で良いと思った。入退場ができる場所も限られているからむやみやたらに見張りを立てなくていいし、中央のグラウンドはおそらく芝生だから家畜などの生き物を育てやすいと思うし、かなり理にかなった立地だと感心した。バックヤードなども惜しむことなく使用していて面白い。
 エリー編のプロローグで町の様子を歩きながら見て回れるが、アビー編ではここにあたる。兵士っぽい見た目の人の割合が高いように見えたが、掃除や洗濯をしていたり、ジャクソンより生活感があると思った。

○スカーの襲撃
 多くの人がローブをかぶっていて、車移動ではなく馬を使用しているあたりから、原始回帰の宗教らしさを推測できる。WLFとは陣取りで対立しており、もうこの時点で、ああ今作は対人間要素が多そうだなと想像できた。
 救援に来てくれた仲間たちに「生まれてくるガキ全員にお前たちの名前付けたいぜ!」みたいなマニーのセリフがお気に入り。

○過去編(水族館デート)
 水族館サイコー!オーウェンのデートプランいいじゃないですか!でも嫌だと言っている彼女を無理やり連れ回すのはいただけないし、門限も守らせてあげてほしい。ゴマフアザラシちゃんカワイイカワイイネ・・・・・・

○殉教者の門
 日本人も絵馬に願い事書いて吊るしているし、神頼みも分かる。が、大勢で寄ってたかって襲うのはいただけないと思う。悪いが全員殉教者になってもらいます。
 レブとヤーラと出会う。恋人同士かと思ったら後にレブが女の子だと知って驚いた。腕の骨を折る演出がやけにリアルで怖かった。
 時折、アビーの病院での回想が入るが、このカットを境にエリー編と交互にやりたかったという悩ましい気持ちを捨てきれずにいる。


シアトル2日目
エリー編

○回想
 トミーが凄腕スナイパーだと知る。エリーの真実を知っているのに気さくに接してくれるし、ジョエルとの仲も気にかけてくれるとても家族思いの叔父さん。看板戦法が後に伏線であったと知って、クリア後に冷や汗をかいた。
 貴重なジョエルとの共闘シーンのひとつ。

○倉庫の下り坂を利用してゴミ箱(足場)を外へ出すのに大苦戦。コマンドが出ているので簡単なはずなのだが、ゴミ箱の進み具合を見ながらシャッターを開けるのに難儀した。やり方はわかっているのに指がついてこないアクション不得手の弊害であった。
 この環境下でイヤホンしてゲームに没頭するのは危機管理がなってなさすぎる。
 ジョエルに仕込まれたのか、はたまたトミーゆずりか、エリーの拷問スキルが確実に向上していた。イベントムービーではためらいを見せていたので聞き出しに失敗したかと思いきや、しっかり聞き出しに成功していた。

○過去回想(病院)
 ジョエルにあの日の真実を問い詰める、前作のエンディングからいつかは来てしまうと胃を痛めていた歪みが明らかになってしまった。身を切られるような思いだった。手記など手掛かりを見つけたエリーが自ら真相に辿り着くのではなく、ジョエルの口から真実を言わせる演出と展開は非の打ち所がない。あの日、エリーを守るために嘘を誓ったその口で、問い詰められて真実を話すしかなくなったジョエルがどんな気持ちだったか思いを馳せるだけで胸が苦しくなる。


アビー編
○高所恐怖症
 今作はハシゴを使わず身体能力に全振りしている節を感じるので、薬でジャンプの飛距離も向上させてほしい。何度濁流に飲み込まれたことか。
 道中、ガラスを割らねば建物の中に入れない、しかしガラスを割った音で感染者を引き寄せてしまう究極の選択をせまる場面が印象的であった。しかもシャンブラーもいる。終わりだ。
 セラファイト(スカー)との戦闘でレブの本名が判明するが、あいにくこっちはそれどころではない。後に言われて気がついたが正直戦闘中は呼び名など気にしていられない。敵を倒してくれるならレブでもリリーでも裏切り者でもなんでもかまわない。
 武器に関しては、威力が固定のボウガンの扱いが難しかった。やはり対人間であれ隠密からの絞め技や近接武器で殴った方がてっとりばやい。セラファイトは自然派かと思いきや、弾薬をたくさん隠し持っているので全ていただいていきます。

○病院
 最初の感染者が地下に幽閉されているらしい。なんて胸踊る展開なんだ!やったー‼︎地獄みたいな手記を見せてくれ‼︎とウキウキワクワクで地下に降りて行ったが、戦闘が厳しくてそれどころではなかった。もっとゆっくり探索させてほしい。なんだか巨大で突進してくるやつという認識だけして終わってしまった。その周りにちょろちょろしている感染者が邪魔なことこの上ない。火炎放射器とショットガンで対抗したが、結構な回数殺された。
 パンデミックが始まり出した頃の、この病院が地獄へと変貌する前日譚が見たい。

○レブの脱走
 オーウェンが身重の彼女を放ってついてこようとしていることに驚きを隠せない。呆れた。妊娠させた責任から逃れるために遠くへ行こうとしているようにしか見えない。
 メルの立場を思うと胸がつかえて言葉が出ない。子供を身籠ったと思ったら、男は元カノとベットインしているし、元カノが勝手に連れてきた敵対組織のガキの手術を任されるし、男はとりあえず安全な現環境を放ってあるかもわからない新天地へ行こうとしているし、さらにそこへ元カノどころか敵対組織にいた名前も知らないようなガキも連れて行くとか言い出すし。考えるだけで憂鬱になる。アビーと揉めないわけがない。復讐に囚われているように見せてはいるが、結局元カレと体の関係を続けている女だもの。


シアトル3日目
エリー編

○水族館のバックヤードツアーができるので最高!

○メルとオーウェンを撃つ
 このシーンでメルを撃ったエリーが罪悪感に苛まれるのがいまいち共感できない。おそらくディーナのお腹にも子供がいるから、メルとディーナを重ねたということだと思う。しかし、復讐対象のお腹に子供がいるからといって、復讐しない理由には足らないと思った。ここに至るまで何人撃ってきたの?
 本格的にトミーと合流する。マリアにプレゼント(お詫び)として金のネックレスを拾って?きたらしい。初日、トミーの書き置きを見てマリアは激昂していたけど、夫婦仲いい感じで嬉しかった。「マリア喜ぶぞ〜(^^)」って気をよくしているのが伝わってきてこちらも束の間の幸せに浸れて良かった。
 ほんとうに、“束の間”の幸せだった。

○アビー乱入
 許せねえ、許せねえよ。ジェシーが何したってんだよ。
 トミーを撃つのは百万歩譲って理解できる、あの日雪山小屋にいたから。でもジェシーは関係ないじゃん。ただ好きな女が心配で追いかけてきただけじゃん。


アビー編
○過去回想(アビー父)
 そうやって動物に優しいですよムービーを見せられたからって、エリーを殺して世界を救う選択を取ったという事実は覆りませんからね。いくらわたしが動物ものに弱いからといって、そう簡単に靡くと思わないでよね!

○マニー
 偶然にもマニーと合流する。マニーは好きなキャラなので単純に嬉しかった。
 対するすごうでスナイパーがトミーだと知った時の衝撃は大きかった。確かに回想でやっていた看板戦法(看板や車を撃って感染者を誘き寄せる)を使っていた。敵に回すと対人慣れしていて本当に怖かった。イベント内ではスナイパーがトミーだというところまで思考が回らなかったが、全編クリア後にわかった時には背筋が凍った。
 マニーが好きだっただけにかなり辛かった。この重いシナリオの中で、あの軽口に助けられていたのはわたしだけではないはずだ。
 ゲームの仕様なのか、死亡するとその直前のポイントからやり直しになるのではなく、敵も全て一掃し終えた状態で再スタートすることがしばしば起こった。トミーの射撃とブローターの挟み撃ちをくらって何度か死んだが、ある地点まで走り抜けて死亡すると、いたはずの感染者たちが消えていて弾薬だけ落ちていた。難易度設定は初級なので仕様なのかもしれないが、クリアできるまでトライさせて欲しかった気持ちがないといえば嘘になる。

○セラファイトの村
 WLFの奇襲に巻き込まれるが、WLFからは裏切り者として狙われ、セラファイトからは侵入者として狙われる。苦境にもほどがある。しかし、放っておくとWLFとセラファイトが勝手に殺し合ってくれるので、その残りを掃討すれば良いと考えると戦闘は少し楽だったのかもしれない。やはり人間は愚か。
 事故とはいえ母親を手にかけたレブを救出するシーンでは、説得に来た我が子を罵声を浴びせながら追いかけ回す宗教家の母親がラスアスの世界観ではどう描かれるのか見れないのが心残りだ。
 アイザックはせっかくの大きな組織のボスなのにあっさりやられてしまって小物感が溢れてしまっていた。せめて撃たれても生き延びるほうがボスっぽくてしぶとくて良いと思った。ヤーラはともかく、アイザックの最期は物足りなくて不服である。

○こんなに水族館に行きたくないと感じたのは、後にも先にもこれっきりだと思う。


劇場の決闘
○せっかくの決闘をエリーではなくアビーを操作キャラにしたのは何故なのか説明してほしい。たとえ本当のラストバトルの操作キャラがエリーだから、ここではアビーを操作するということだとしても、いままで劇場を拠点にしていて多少なりとも勝手を知っているエリーが操作できないのは、プレイヤーにとって不利だと感じた。
 いくら二大主人公といえど、アビーはすでにジョエルに対する復讐を果たしているわけだし、現在進行形で一途に?復讐に駆られているキャラを敵において逃げ回るのは感情移入が難しいと思った。
 エリーを操作キャラにすれば、怒りも重なって感情的に、直情的にプレイできると思う。武器もエリーの方が豊富だし。アビーは今回逃げに徹して好奇を伺うような戦闘スタイルを強いられたので、「ぶっ殺してやる!」「どこにいる・・・・・・」と言いながら追いかけてくるエリーに対して復讐心より恐怖心を強く感じざるをえなかった。

○復讐を果たせないアビー
 ここでもまた妊婦か・・・・・・。もうわかったよ子供が大事なのは。でもこちらはなんとかひとりで戦えているから、お願いだから安静にしていて欲しい。妊娠を理由にディーナは見逃されていたけれど、ここに至るまでにメルは殺されているのだから、ディーナも殺されないとフェアじゃないと思う。新しい命を宿している人間は殺されなくて、父親に位置する男は殺されるのは違和感を覚える。
 レブが見ている前で直接的な殺しを見せたくないのか手を緩めるアビーに納得がいかない。あの組織にいて、姉の死も目の当たりにしているし、事後であれ説明すればわかってくれる思考の持ち主だと思うのだが。
 ディーナが見逃された(重症だが)のが妊娠しているからという理由なら、エリーも危機に瀕した時「妊娠している」と口走れば見逃されたのではないかと勘繰ってしまう。
 何はともあれ、詰めが甘い。「復讐してもしなくても大切な人は帰ってこないから、復讐した方がスッキリするんじゃないかな」ってジョン・ウィックも言ってました。「心理学では復讐しても心は晴れないって。でもやるわよ♡」ってハーレイ・クインも言ってました。


農場
 もうここからはどのムービーが入ってもエンディングであることを覚悟していた。しかし、ここからまた地獄の鬼ごっこが始まる。

○ディーナとエリー
 何故ディーナは生まれてきた子供にJJという名前をつけたのか。ジェシーJr.かと思いきや、ジョエル・ジェシーではないか?全く賛同できない。復讐に囚われることを否定するような立場をとっておいて、復讐を一生忘れられず囚われ続ける呪いの名前ではないのか。エリーが名前を呼ぶたびにトラウマがフラッシュバックすると考え付かなかったのか。もうおいもちゃんでいいよ。
 トラウマが蘇って今の幸せが脅かされそうになるのなら、しっかりけじめをつけた方が良いと考えるのは妥当だと思う。
 アビーを追おうとするディーナに対して「あたしと復讐どっちが大切なの?」と聞くのは一番やってはいけないことだと思う。ディーナとJJの幸せを仮初から真実にするために、エリーは終止符を打ちにいくっていうのに。

○トミー
 エリーはトラウマを断ち切るために、復讐を終わらせに行ったが、トミーはまだ怒りだけで動こうとしているように見えた。
 エリーを煽るだけ煽って、自分は撃たれた足を理由にして高みの見物か?と少しだけ思うこともあるが、あの日あの場所にいたから怒りも無念もひとしおだろうし。しかし同じくあの現場を見ていたエリーが心の奥にしまいこもうとしていた復讐心を焚き付けるようなことをするのは大人気ないとも思う。
 トミーに関しては、共感できる気持ちと、できない気持ちがクリア後もずっと喧嘩している。


サンタバーバラ
○ラトラーズ
 ここにきて新たな組織を出すのは悪手だと思った。ジャクソンもセラファイトもWLFも全て一件落着?したわけだし、粗悪で乱暴なならずもの集団にしたのは前述の組織と被らなくて良いと思うが、なによりもまた対人戦か、という気持ちが大きい。
 特徴的なのは感染者を鎖で繋いで飼っているところ。感染者の対応に慣れはじめた人間らしくて面白いと思った。戦闘ではうまく逃して相打ちを狙っていく。
 ランナーはともかくクリッカーはどうやって捕まえたのか疑問だったが、通常の人間を鎖に繋いでおき立ち寄った感染者に噛ませて放置する、という手段をとれば勝手に首輪のついた感染者の出来上がりというわけか(外道)


浜辺の決闘
○レブを盾に、アビーを復讐の舞台へ引き摺り下ろすエリー。『デス・ストランディング(2019)』のラストバトルも浜辺で殴り合いしたなどと脳裏によぎった。
 本気の格闘戦だったので個人的には難しかった。回避なんてろくに使ってこなかったから致命的に下手。そしてアビーのカウンターにやられること数回。

○復讐の手を止めさせたのがジョエルだったからなんとか気持ちの整理をつけることができた。このカットがディーナだったら腹の虫が収まらなかったと思う。復讐のきっかけもジョエル、復讐を止めるのもジョエルで一貫していて良い。レブとアビーに、自分たちの姿を重ねてしまったのかもしれない。
 やりきれない気持ちもあるけれど、それと同じくらいに、それこそ人を殺める手を止めさせるくらいに、エリーにとってジョエルは唯一無二の存在だった。・・・・・・いやでもきっちり息の根止めておいた方がいいと思うけどな。マルチエンディングにならない?

○アビーも多くのものを失ってきたのは百も承知だが、それと比べてもエリーは失うものが多すぎるのでは?
 この最終決戦でも、結局レブは生かしたまま、アビーも(ほぼ)五体満足でなわけで、それに引き換えエリーは指を失うし復讐は果たせないし、二大主人公を謳うゲームなのに全然フェアじゃないよ。

○過去回想
 あの日、病院での真実を知って冷戦状態になったジョエルとエリーがダンスでの一件を機に話す。ジョエルがめちゃくちゃエリーを気にかけているのが手にとるようにわかる。我が子のピンチに駆けつけて首を突っ込んでしまう不器用な父じゃん・・・・・・。
 辿々しく言葉少なにエリーとジェシーの関係を探りながら選んだ言葉が、「ジェシーはいい男だから」ではなく「お前に思ってもらえるなんてジェシーは幸せだな」という旨の言葉であることに胸を打たれた。こんな素敵な言い回しがあるのか。
 エリーの「あの日、ジョエルがしたことは許せないし、これからも許さない。でも、許したいと思ってる」この一言でジョエルはあの日の選択から少し解放されたと思うし、この続編にも意味があると思った。「たとえ神様がもう一度チャンスをくれたとしても、俺は同じ選択をする」ってジョエルに言葉にしてもらえて本当によかった。


エピローグ
○ディーナ‼︎‼︎(憤怒)(憎悪)(怨嗟)
 現実的に見たら、ディーナはジャクソンに帰るのが一番だと思うし、家族も帰ってきて欲しそうな手紙を残していたし、JJのためを思えばそれが最善の選択だと思うが、あの戦いを終えた満身創痍のエリーがもぬけの殻と化した家に帰る気持ちを考えたのか?製作スタッフ?人の心とかないんか?
 信じられない。てっきり誰もいない家に帰ったら探索中に背後からディーナが現れて「なんだかエリーがいる気がして・・・・・・」ってエンディングだと思っていた。
 薬指と小指を失ったことでギターも満足に弾けないエリーはジョエルとの思い出を断ち切られて、胸が塞がる思いがした。この家で流していたレコードはあからさまに置き去りにされているし、エリーはギターを置いて去っていくし、完全に一人ぼっちになってしまった。

 このエンディングの先、エリーはどうやって生きていくのだろう。この世界で指を無くすということは銃を扱えないということで、戦えないということはひとりでは生き抜けないことということだ。ジャクソンに戻るしか選択肢がないと思うのだが、どういう気持ちで戻ればいいのだろう。トミーには顔を合わせづらいだろうし、ジェシーの親とは気まずいだろうし、かといってディーナはまた何食わぬ顔で愛してくれそうな気もするけれどあの家を見た後では嫌悪感しか抱けないし。どこをどう想像してもエリーの幸せは手に入らなさそうで困り果てている。
 前作のエンディングもあんまりだと思ったが、今作はそれ以上にグロテスクで痛々しいエンディングだった。


【総評】

○賛否両論あるのがしっかり理解できる
 前情報で賛否分かれているゲームをプレイしたあとは「自分は賛成/否定です!」とスタンスを確立することができるタイプの人間だが、今作はそう簡単ではなくて、これを書いている最中もずっと迷いの中にある。
 心を揺さぶられる神ゲーであると同時に、最悪なシナリオだという相反する気持ちが両立している。

○物申したいポイント
 感染者はおまけで結局人間対人間であったところは残念だ。パンデミックものの続編あるあるといえばそうなのだが、感染者が脇役のような扱いであったのはいただけない。
 周回プレイをしないとコンセプトアートとモデルギャラリーをすべて見ることができないところも惜しい。ポイントが足りなくて絶望した。
 あとはエリー編の後にアビー編をいちからプレイさせられたところか。単純にテンポが悪いと感じた。


 売れていて賞も獲ってドラマも好調のようだから、いずれ続編も作られるのだろうけど、今作クリア後に勝手に想像をふくらませてみると、いずれ感染者を倒した数より人間を売った数の方が多くなりそうだ。やはり人間は愚か。

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