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【十三機兵防衛圏】プレイした感想を書くのに、限界なんざ関係ねえんだよ【ゲーム感想】

【はじめに】

⚠️この記事にはNintendo Switch版『十三機兵防衛圏』のネタバレを含みます⚠️

 面白いとの情報と、焼きそばパンの噂を聞きつけ、さらにAmazon GWセールとのタイミングもあってプレイするに至った。
 少年少女が命を賭してデカいロボットに乗り世界を守る話が面白くならないわけがない。ATLUS作品ということもあり、プレイすることに躊躇はなかった。特に実況動画や二次創作イラストなどは見ず、完全初見プレイである。
 クリア時間は約25時間で、クリア難易度は作品通してEASYでプレイした。

 以下感想はかなりカジュアルな文体になっています。誤字脱字を含め、ご容赦いただければ幸いです。


【良かったところ】

○ストーリー
 キャラストーリーが進行するにつれて、謎が解明し、ハードSFになっていく。エンディングは好みの締め方で満足感があった。
 キャラ別のストーリー系統が全く異なるので、それらが繋がりだした時の盛り上がりが楽しかった。
 特に他キャラストーリーで見た場面が、プレイ中のストーリーに組み込まれ、時系列が埋まってく瞬間が好きだ。クリア後のイベントアーカイブでは、きっちり時系列に沿って振り返ることができるようになっている丁寧仕様でありがたい。

○バトルシステム
 ストーリーパートとは別にバトルパートがあり、一定のパートまでクリアするとストーリーのロックが外れて次の話が読める。このタイミングが上手い。
 接近から遠距離、補助までバランスよく人数が割り振られているので、自分好みの戦闘スタイルを見つけられる。自分は飛行怪獣を電磁パルス系で落下させて、範囲攻撃で一蹴するパターンが多かった。
 バトルも、本作の基準となるタワーディフェンスタイプの面と、ある特殊ボスを倒してクリアする撃破系があり、一筋縄ではいかなくて手強い。タイムリミットが設定されているのも、ターミナルの起動や登場人物たちの限界搭乗時間など、世界観を意識させる作りになっているのも面白かった。

○グラフィック
 かなり綺麗で見応えがある。見た目は単なる横スクロール2Dだが、今どきの3Dの奥行きを感じられた。光や影の動かし方、重要なセリフや登場人物への視線誘導も上手い。温もりを感じ、どこか懐かしさを感じられる画面の中に、現代技術による表現が光る。


【悪かったところ】

⚠️あくまで個人の感想であり、作品を貶しめるものではありません⚠️

○ストーリー
 クリアした身からすると面白かったが、世界観というか作品の輪郭を掴むのに時間がかかるので、そこに至るまでに挫折してしまう人は少なからずいそう。かなり人を選ぶ作品だと思った。崩壊編(バトルパート)も並行プレイを強制されるため、寄り道するより一直線なストーリーが好きな人には合わないだろうと感じた。
 フローチャートを手掛かりに徐々にループを抜けゴールを目指す展開が多いが、この新たな手がかりを見つけるのが一苦労である。チャートの分岐にジャンプすることも可能だが、全てのパートにジャンプできるわけではないので、取り逃がしたら仕方なく最後までプレイするパートがいくつかあった。またチャート自体にヒントが提示されることがあるが、あったりなかったりで抜け出せないこともあった。接触せず話を立ち聞きする、なんて分岐もあるので難易度は決して低くない。

○バトル
 俯瞰マップがごちゃごちゃしていてわかりづらく感じた。自動攻撃の機銃も、乱戦になると見分けがつかなくなる。リアルタイム進行のコマンド型だが、いまいちよくわからないままクリアした気がする。特に機兵の修復がいまいちよくわかっていない。EASYでプレイしていた自分の落ち度だが、機兵から降りて生身に攻撃を喰らうと即死でゲームオーバーって認識で合っているのか。
 継続(連戦)ボーナスはあまり恩恵を感じられなかった。MP(ミステリーポイント)もアーカイブ等を解放するには十分だったし、全員偏りなく育成するためほぼ全ての戦闘を4人ないし6人編成で回していたため、どうしても3、4戦すると休息を入れざるを得ない。単騎で戦うなんてそんな非道なことできないよ。

【お気に入り】

○キャラクター
 お気に入りキャラクターは、緒方くん、比治山くん、三浦くん、由貴ちゃん、そして柴久太。
 緒方稔ニくんは“不良”という言葉でパッと想像できるコテコテの不良だった。でもそういうナリの男が義理堅く、情に厚く、たった一人惚れた女の子を守るために戦場に飛び込む。好きにならないわけがない。兎美ちゃんのストーリーでは「甘いもん苦手だから」と兎美ちゃんと美和子ちゃんにチョコレートを渡しているが、由貴ちゃんのストーリーを追っていると甘いものは結構好きという情報をお出しされて、なんかもう、なんかさ、好きじゃん・・・・・・

漢だよ



 比治山隆俊くんと三浦慶太郎くんの帝国軍人コンビも好きだ。勝利のためには自らの命を投げ打つことすらためらわない時代錯誤とも言える危うさを持っているため、機兵の戦いとは一味違う緊張感が味わえる。焼きそばパンとハンバアグで張り合っているのが年相応で可愛らしい。購買における比治山くんの「焼きそばパンください!」が作品随一の声の張りで笑っちゃった。

おもしれ〜男


 鷹宮由貴ちゃんが初登場した時には、黒セーラー・スケバン・一匹狼・CV.小清水亜美など複数の要素から、某アニメの喋るセーラー服を纏って父の仇を探して戦う女子高生のことを思い出した。青春もミステリもSFもラブコメも彼女のストーリーで全部摂取できる。この属性の女の子が軟派な男の子と恋に落ちる(最初こそ由貴ちゃんはあまり乗り気ではなかったが)のは少女漫画みたいで可愛い。緒方くんとのコテコテ不良コンビも好きだ。

 柴久太が柴Q太で合成人格489で和泉十郎。この辺りから物語が一気に加速して急展開を見せる。柴くんが十郎にしか見えていないと判明した時と、相葉絵理花の正体が破られた時。この2つの場面は作品がいきなりSFホラーになって心臓が止まるかと思った。

○機兵
 使いやすかったのはダントツで第三世代で、常に1機以上は前線に配置していた。準備が整い次第、主砲ヘビーレールガンをぶっ放せば敵の戦力を一気に削れて、第一世代の突破口になる。
 次点で動かしやすかったのは第四世代で、頭ひとつ抜けている機動力が光る。各方面に展開した怪獣のど真ん中に飛んでいって、自機を起点に雑魚を倒す立ち回りが多かった。川や道路などの障害物を無視できて、先制攻撃を仕掛けられるのが大きい。

○怪獣
 作中で時折話題になる「宇宙戦争」のトライポッドに見た目が似ているハイクアッドのビジュアルが好きだ。しかし、究明編でやっとしっかりビジュアルと名前を見た。戦闘中は怪獣が歩いているか飛んでいるか以外を気にしている暇がなかったためである。飛んでいる怪獣は全部嫌いです。落とさない限り近接が効かないので。


【まとめ】

○おもしろい!けど難しい!
 時系列が行ったり来たりして、話やキャラクターの記憶も流れがかなり複雑なので、長期的なプレイは向いていない。しっかり時間をとって短期集中で世界観にのめり込むべき作品だった。この感想もクリアから日が空いたため薄めになってしまっている気がして、我ながら不出来に感じられて惜しい。

○ループの仕掛けが上手い
 フローチャートがあって分岐があるゲームはいくつかプレイしてきたが、ループのように見えてループになっていないところが、世界観とリンクしていて素晴らしい。

○もう一周したいかと言われると悩む
 ストーリーも面白いし、キャラクターも活きているし、戦闘前の掛け合いも楽しい。楽しいのだが、ストーリーをもう一度楽しみたいと考えてもう一度ソフトを立ち上げるかと聞かれると、素直に頷くことは難しい。
 イベントアーカイブは指定のキャラを選択しても、その項目がキャラクターが主人公であるものと、キャラクターが登場しているものが混じっているので、少し細切れに感じて探すのが億劫になるかも。追想編(ストーリーパート)・崩壊編(バトルパート)・究明編(イベントアーカイブ)を100%にできたのでやりきった感がある。


 もともとSF小説は好んで読む方だが、ゲームで描かれるSFに触れるのは久々だった。「宇宙戦争」とか「MIB」とか好みのジャンルの話題もたくさん出てきて嬉しかった。
 ゲームでしかできない表現やシステムで描かれる群像劇は新鮮で楽しかったです。


【参考サイト】

○公式サイト


○公式プロモーションムービー

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