消しカスみてぇな虫か、虫みてぇな消しカスか
書いて、消して、生み出すいのち
2023.8.11
たまにびっくりするんだ。
蠢く「いのち」の形を、急に君が持ち始めるから。
浪人で頭がおかしくなったのだろう。きっとそうだ。毎日自習室で黒鉛を紙に叩きつけているから。
せめてもの息抜きに、消しカスに「いのち」を与えてやろう。人間をやめよう。
20日間、私がこの世に「いのち」を生み出し続けよう。イザナギになろう。イザナんじゃおう。
2023.8.12
かわいい。どうぶつの森のハナカマキリにとても似ている。
ハナカマキリ、君はたくさんできるな。私はちっせえ蝿みたいな虫を生みたいのに。
2023.8.13
今気づいたが、やっていることはさながら夏休みの自由研究だ。虫の観察。私が生んだ虫の観察。私のカミキリムシの観察。
きっと私は戻りたがっているんだ。こんなはずじゃなかったんだ。もしうまくいっていたら、大学生だったんだもんね。過ぎしあの頃の記憶で今の寂寥を埋める。虚しい。
2023.8.14
4日目にして精度が驚くほど下がっている。潰された蚊としたい。
2023.8.15
大きさは割と蝿に近い。暫定1位だ……。
大学生で飲酒してインスタで匂わせる人間よりも、法を守って勉学に励む人間の方が素晴らしいんじゃないのか？大学に入って、研究したいことがたくさんあって、そのために勉強する。そう思うと私、外見はともかく、最高に今綺麗かもしれん。このままの気持ちで長生きして死ねたら本望だ。
って気持ちになった。嘘だ。割と始めたときからそう考えていた。
2023.8.16
ちょうちょだ。
美術の評定は毎年3だった。
2023.8.17
あっ……………
ちょっと……
えっちかもな……。
2023.8.18
昨日はなんか気まずい気持ちで家に帰った。
動揺が出てしまった。風の谷のナウシカの蟲になった場合、これは失敗なのである。なぜならこのタイプの消しカスは意図せずとも大量にできるからだ。
2023.8.19〜2023.8.21
特にいい写真がなかった上、読者の方に至ってはただ消しカスを見せられているだけだということに気づいたので、ダイジェストで紹介していく。
2023.8.22
ふと思った。
……AIならどのような画像を生み出すのだろう。
人類が今後打たないであろう文字の羅列を打って……
やんわりとした苛立ちを感じて……
青いストームトルーパーができた。
なるほど、口調が荒いのかもしれない。
丁寧に書く。
よし、殺します。首洗って待ってろカス。
もちろん、今日の分も撮っておいた。
やっぱAIなんかより人間が至高なのさ。強くあれ。死んだ蚊みたいだが。
2023.8.23
ダンゴムシだ。お腹をこちらに向けているのだろう。
なんかお腹の中を別の何かに喰われているようにも見えるが気にしない。野生とはそういうものなのだ。
2023.8.24
ハナカマキリになるメカニズムが解明された。
長文を消すと、なる。
ハナカマキリになる子が多ければ多いほど、私は根本的なところから記述を間違えていて、時間を消費しているというわけだ。普通に受験勉強の役に立った。
2023.8.25
なぜだろう、たまに消しカスにエロスを感じてしまう。
特にこれは春画っぽさを感じる。しかも上品な……。上から覆い被さっている消しカスの腰元が色っぽい。
2023.8.26
ちっさいノミです。消しカス全般そうだろ、という気持ちはどうにか抑えていただきたい。紛うことなく、ノミです。
2023.8.27
とある大学で模試を受けた。
構内では流石に写真を撮ることができないので、消しカスを家まで歩いて持ち帰った。
気づいた。
私が勉強すればするほど、君たちはどんどん生まれて、美しい「いのち」になっていってる。
私もっと頑張るよ。最後まで、結果がどうであれ、大学入学後も学歴を馬鹿にされたとしても、私頑張るよ。
こいつは手の長いpepper君にしか見えないけれど。
2023.8.28
すっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっごいカミキリムシだこれ。
斑点までついていたら母親呼んでたな。
2023.8.29
見ただけで思い出される、あの鬱陶しさ。今にも邪魔しにこちらに飛んできそうこのフォルム……。
24時間マラソンみたいにきれいに終了時間に終わったので少しの疑惑を生みそうですが、本当です。
2023.8.30
えっ？
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