見出し画像

記憶に残る一夜から思考を巡らせる

大好きな人と一夜を過ごした。
とてつもなく甘くて特別な時間。ドキドキという感情を越して、常にビリビリと心地よい電撃のような、刺激が走っていた。

好きな人とするセックスほど気持ちのいいものはない。きっと相手がド下手でない限り、幸せが上回って、テクニックがどうのこうのなんて関係ないとさえ思う。私に触れる手が優しい、それだけでギュっとなる。

ある日の深夜いきなり目が覚めたりなんかして、寝られなくなると急にエッチなことを考えてしまうことがある。過去の行為を思い出すことがあるとすれば、きまってその彼との夜なのだ。

今までだって彼氏はいたけど、不思議なことにどういう雰囲気でどんな感じだったかはすっかり忘れている。過去に精算できた恋というのは、セックスの記憶さえもなくなるみたいだ。経験自体は引き継いでいるかもしれない。

同じ夜を何度も思い出していると、そういえばあの時あんなこと言ってたな、こんな風にしてたな、とまぁ行為中には流れてしまった言葉が、ふと鮮明に蘇ることがある。すごく幸せな気持ちと、二度とこういうことはできないのではないか、という寂しさのような、切なさのようなものが込み上げてくる。
こういうものを美化というのかもしれないが、たしかにあの時そうしてた。あの時あの瞬間に、今のような感受性を持って彼と過ごしていたなら、今また違う心持ちなのだろうか、と物思いにふけたりもしている。

こういう話だから、多くの人に気軽に話せるわけではないが、せめて同じような経験をしている人が、これを読んで共感してくれたら嬉しいです。


おわり

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?