期待と安堵の先にあるのはいつも不安
蚊に刺された足が痒すぎる。
ピンク色にぷくっと腫れた肌を目にしてから、いきなり痒さがやってきて、それしか考えられない。こと恋愛においてもそんな経験があった。
毎年誕生日にメッセージを送り合う元彼がいる。
今年も「誕生日おめでとう!」と、日付が変わる直前にメッセージが届いた。
気づいたのは翌朝。
実際に誕生日当日は、祝われながら過ごすディナーでも、美味しい料理、素敵な雰囲気を楽しむ傍ら、彼からの連絡を待つ私がいた。
この連絡が来るか来ないかで、彼がいまだに私への関心があるのかないのか、確認できるのだ。
・連絡がなければ、もう私から連絡しない(かもしれない)
・連絡があれば、私も彼の誕生日には必ず送ろう
と、誓いきれない誓いを立てて時を過ごす。
そうは言いながらも、連絡が来なかった時に落ち込まないように心のシュミレーションをしているほどには、期待していた。
今はスマホひとつで、相手と気軽に繋がれるというのに、大切に思っている人ほど、気軽に連絡できない。もどかしい。
彼からのおめでとうに安堵しながら、来年も送りあえるだろうか、と既に未来の不安を抱いている。私の、彼に対しての心の安定はもはや訪れないのかもしれない。
本当はこんなこと考えずに、さわやかに「おめでとう」が言えたらいいのにな。
きっと、向こうはわたしがこんな思いでいることなんて気づくことないんだから。
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